男たちの大和 YAMATOの紹介:2005年日本映画。終戦60周年を記念して制作されました。辺見じゅんよる『決定版 男たちの大和』を原作にとしています。太平洋戦争末期において、連合国軍による沖縄諸島侵攻を食い止めるための菊水作戦における戦艦大和の乗組員の生き様が描かれた作品です。
監督:佐藤純彌 出演: 反町隆史( 森脇庄八)、中村獅童(内田守)、松山ケンイチ(神尾克己)、内野謙太(西哲也)、渡哲也(伊藤整一)、余貴美子(サヨ)、鈴木京香(内田真貴子)、仲代達矢(現代:神尾克己)ほか
映画「男たちの大和 YAMATO」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「男たちの大和 YAMATO」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「男たちの大和 YAMATO」解説
この解説記事には映画「男たちの大和 YAMATO」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
男たちの大和 YAMATOのネタバレあらすじ:過去と向き合うきっかけ
漁師の神尾は戦時中に戦艦大和の乗組員だった過去を持ちます。漁協組合から戦艦大和60周年記念の式典に参加してほしいと頼まれますが、未だ過去と向き合えない神尾は参加を断ります。そんな中ある女性が組合を訪ねてきます。戦艦大和の沈没地点に自分を連れて行ってほしいと言います。よくわからない女性の頼みをきく組合員はいなく、女性は神尾にも頼んできました。神尾も他の組合員同様断りますが、話しを聞くと、かつて戦艦大和の上官であり戦友である内田守の養女、内田真貴子であることが分かります。彼女が言うには父親は昨年末に亡くなり父親から戦艦大和の沈没地点に散骨してほしいという遺言を受けたと言います。その言葉をきっかけに神尾の心の中に大和でのことが蘇ります。神尾は内田の願いを叶えたいと真貴子に言います。神尾たちは戦艦大和の沈没地点へ向けて船を出し出発しました。それは神尾が過去と向き合う旅でもありました。
男たちの大和 YAMATOのネタバレあらすじ:戦艦大和
神尾は真貴子に過去のことを語り始めます。昭和19年の春、神尾たちは特別年少兵として希望に胸を膨らませ、戦艦大和に乗り込みました。しかし待っていたのは厳しい訓練の日々でした。上官である森脇・内田は時には厳しく、時には情熱を持って神尾たちを指導していました。しかし彼らの努力もむなしく、日本は日増しに敗戦の色を濃くしていきました。そしてとうとう米軍が沖縄上陸作戦を開始したのを受け、ついに大和は沖縄特攻の命を受けました。
男たちの大和 YAMATOのネタバレあらすじ:戦艦大和沈没
戦艦大和が同型艦の戦艦武蔵らとともにフィリピンのレイテ島付近のマリアナ沖海戦に参戦しました。戦いは非常に厳しい状態で、武蔵を始め多数の艦艇を撃沈されてしまいました。仲間たちは次々と命を落としていきました。そんな中、海軍司令部から護衛機無しで特攻を行えという無謀な命令が出てしまいます。大和は沖縄での特攻戦に向かう途中でアメリカ軍に撃沈されてしまいました。神尾と親友の西哲也は沈没の勢いで海に投げ出されますが、哲也は力尽きて海の底へ沈んでしまいます。神尾自身ももうだめだと思った時に、上官の森脇に助けられます。そんな森脇はもっと同士を助けたいと海へ飛び出しますが、二度と戻ってくることはありませんでした。共に訓練を受け戦った仲間はほとんど命を落としてしまいました。
男たちの大和 YAMATOのネタバレあらすじ:親友の母
大和沈没後、神尾は親友であった哲也の母親サヨを訪ねます。神尾がサヨに哲也が戦死したことを告げます。サヨは悲しみにくれ、神尾に自分だけ生き残ったことを責めます。ひとしきり悲しみと怒りを表した後、サヨは田んぼで田植えを始めます。この田んぼは哲也の送金で買えたものだと言います。神尾も田植えを手伝います。二人は黙って田植えをします。サヨは手伝った後に賃金だとして当時は貴重であった美味しそうな握り飯を神尾に渡します。神尾は握り飯をそっと置き、サヨに土下座をして自分だけ生き残ったことを詫びて謝ります。サヨは泣きながら、さっき神尾を責めてしまったことを詫びて、何としても生き続けてくれと頭を下げます。その後、日本は広島に原子爆弾を落とされ、敗戦が決定的になり終戦を迎えました。神尾はこの戦争で母親も兄弟も恋人も失いました。
男たちの大和 YAMATOの結末:大粒の涙
現代の神尾は真貴子と戦艦大和の沈没地点にいました。真貴子は内田のことを話します。神尾が死んだと思っていた内田は生きていて、去年まで15人もの孤児を引き取って育てたと言います。内田の生き方を聞いて、神尾は自分が生きてきた意味を始めて知るような気持ちになります。その時に神尾は、大粒の涙を流します。神尾の心に様々な人の笑顔と戦艦大和の姿が蘇ります。
以上が男たちの大和/YAMATOあらすじと結末でした。
「男たちの大和 YAMATO」感想・レビュー
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数的劣勢を覆すために生まれたのが戦艦「大和」なのです。重大なことは大きい艦(ふね)を作ることではなったこと。この点が現在でも軍事知識と当時の社会情勢をよく識らない人が誤解しているのですが。できるだけ小さな艦体に強力な大砲をできるだけ多く積む。これが「大和」型戦艦建造のコンセプトでした。しかし時代は真珠湾攻撃等で、「航空機の援護が得られない場合は」不沈戦艦でさえも海の藻屑とされる、皮肉な物に変わっていたことに多くの優秀な軍人達が気づいていなかったことが後の「大和」の悲劇につながったのでした。「大和」に関する書籍等は現在でも生まれています。現に戦後70年余が経る間にも数次にわたる「大和」(「ヤマト」や「やまと」を含めて)ブームが実際に起きているのですからね。しかし、データ上での性能分析や、架空戦記を含めてm実際に戦った男達の視点で語られていることはとても少ないと言わざるを得ないのが、とても残念です。公表された数字を丸暗記しての武器談義では、真実の戦争の姿を理解する(もちろん強い嫌悪だけですけれど)ことは不可能のことなのだと多くの人に気付いてもらいたいですよ。この映画のテーマはまさしくそうなのですから。「大和」の伝説が一人歩きしているのは最後の出撃での生還者が1割にも満たないということも関係しています。他にも出撃した艦隊全部で10隻の艦艇(戦艦1・軽巡洋艦1・駆逐艦8)のうち、生還できたのは駆逐艦4隻のみだという悲惨な戦いの語り部がいない、あるいは積極的に語らなかったことにも原因があるでしょう。この映画でも生還した、戦後の部分での主人公はその悲惨な体験を語らないことに私は同情と義憤を感じたのです。なにゆえこんな理不尽な戦いを強いられたのか。それはその主人公の口から語られるべきでした。どうやら架空の人物設定のようですが、死んでいった戦友(とも)達の分まで後世のための教訓を残すべきでしたね。それはそれとして、大掛かりなセットを汲んだだけあって迫力は充分でした。映画『連合艦隊』の時の大型模型よりも見ごたえがありました。「大和」の最期の真相を、画面で再現したという点では本作が一番でした。
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今録画みてるところです☺️ 当時は日本だけでなく英米も大艦建造してたので日本だけ遅れてた訳ではないのに戦後のボケどもの日本陥れ論がはびこってますよね(^o^;) この映画 良いですよね 特に新兵さんの悲喜こもごもが良いです 集合させられてしばかれる場面は 自分が陸自に入隊し 新兵時にへまして 正座させられてどつかれながらお小言頂戴した夜を思い出します(≧▽≦) 2年たち後輩ができても自分は殴ることはしませんでした(まあ自分ができの悪い自衛官だったのもありますが( ̄▽ ̄;)) 森脇兵曹さんにはシンパシー感じました(^ω^)名字がたまたま同じなので
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何度みても、胸が締め付けられます。
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これまで沢山この映画の予告しか見れてないので、とても良い映画でした。
大和の乗組員が「弾をくれー。弾をくれー」と叫ぶシーンはとても複雑な気持ちになりました。もうこんなことはあってはならないです。
敵に攻撃されて沈んで行った戦艦大和から生還した主人公の神尾が、亡くなった親友の家を訪ねるシーンがあるのですが、亡くなった親友の母は神尾が生きて戻ってきたと非難しました。しかし後になって自分が冷静さを失っていたと気づいて、生きていてすみませんと謝った神尾に、同じようにして酷いことを言って悪かったと謝る姿が泣けました。今の平和があるのは、あの激動の昭和を生き抜いてきた人たちのおかげなのだと改めて感じました。