映画「アフタースクール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アフタースクールの紹介：2008年日本映画。内田けんじ監督による長編2作目となる作品で、学校の先生である神野の前にある日、同級生を名乗る人物が現れたことで不可解な事件に巻き込まれていきます。探偵である北沢から始まった物語は、進んでいくに連れて別の顔を見せるようになります。巧みな脚本で、何度でも楽しめる完成度の高い映画です。
監督：内田けんじ 出演：大泉洋（神野良太郎）、佐々木蔵之介（北沢雅之）、堺雅人（木村一樹）、常盤貴子（佐野美紀 / ミキ）、伊武雅刀（片岡義信）、北見敏之（大黒武）、田畑智子（神野久美子）、ほか
この解説記事には映画「アフタースクール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大人のおもちゃ屋で裏家業の探偵を営んでいる北沢（佐々木蔵之介）は、サラリーマン風の男から、ある人物を探し出して欲しいと依頼を受けます。行方をくらましているというその人物は木村（堺雅人）という名前で、北沢は彼の通っていた学校を割り出し、同級生を装って彼の情報を探りにいきます。
その学校には木村の同級生だった神野（大泉洋）が教師として勤めており、北沢は自分を神野たちの同級生「島崎」であると偽り、神野から情報を聞きだします。神野は最近まで木村と親しくしており、妊娠している木村の妻を病院に連れていったのも神野でした。
依頼主の内情を探ろうとする北沢に半ば巻き込まれる形で行動する神野でしたが、木村が他の女性と一緒にいる写真を見せられ、彼の知らない一面を見たような気になってしまいます。
行方をくらませた木村は大手企業である「梶山商事」に勤めており、北沢の調査によって梶山商事と暴力団、そして「ミキ」という女性の存在が浮かび上がってきます。北沢は神野を使い、ミキを知る人物に接触して情報を聞きだし、調査を進めます。
そして木村の捜索を北沢に依頼したのが梶山商事であり、北沢は暴力団の組長・片岡（伊武雅刀）が可愛がっていたミキに手を出した男こそが木村であることを突き止めるのでした。
北沢は片岡をだしに梶山商事をゆすりますが、一転して片岡に目をつけられることになります。片岡はミキに梶山商事と暴力団がつながっていることを話しており、ミキとともに行方をくらました木村もまたその事実を知っているのではと考え、行方を探っていたのでした。
神野は北沢のもとから自宅に戻り、そこには夕飯を食べている木村の姿がありました。木村は梶山商事の社長である大黒（北見敏之）に片岡とのつながりを証明するデータの存在を匂わせ、ファミリーレストランで取引に臨みます。
金と引き換えに木村からデータを受け取った大黒は店を去り、その直後に木村の前に片岡が現れ、脅しをかけますが、レストラン内には捜査員が待機しており、警察は梶山商事と暴力団が関係している証拠をつかむのでした。
神野は北沢が同級生ではないことに早い段階から気がついており、彼がミキだと思って木村との関係を怪しんでいた人物は、自分の妹だと言います。そして事の顛末について語りはじめるのでした。
ミキと木村、そして神野はかつての同級生で、木村は高級クラブに行った際、ホステスをやっていたミキと偶然の再会を果たします。そのクラブは片岡が経営するクラブであり、片岡の子飼いのように扱われていたミキは、妊娠したことをきっかけに片岡のもとから逃げ出すのでした。その手助けをすることになったのが、偶然居合わせていた木村と神野で、それ以来木村と神野はミキをかくまっていたのでした。
神野は警察官である妹に相談すると、ミキと片岡、そして梶山商事の社員である木村のことを知った警察は、かねてから睨んでいた暴力団と梶山商事のつながりをあぶりだすために、彼らに協力を依頼します。
北沢は踊らされたような形となったことに納得がいかず、ふてくされた態度を取りますが、神野はひねくれた性格の北沢に「お前がつまらないのは、お前のせいだ」と話します。ミキと神野は学生時代からお互いを想い合っており、転校してしまい想いを伝えられなかった神野は、改めてミキに告白をするのでした。
以上、映画「アフタースクール」のあらすじと結末でした。
ミステリアスな感じもあり、物語の展開がとってもテンポの良く、実はコメディな映画です。劇中のバックミュージックも抜群に相性がよく、物語のテンポの良さと面白さを引き立てております。大泉洋が演じる神野先生が特に面白いです。物語の序盤で神野先生の車に手を触れようとした管理人さんに対して「ダメダメ！」という神野先生、その少し後の場面で生まれそうな美紀が「ここで出してもいい？」と言い出したことに対して、「ダメダメ～！」と慌てて答える。この慌てた場面とそのギャップを思い出すだけでも笑えてしまう、とってもおもしろい作品です。