着信アリの紹介:2004年日本映画。自分の携帯から電話がかかってくるという「死の予告電話」があると噂があった。単なる噂話と思っていた由美達であったが、友人の一人の携帯から知らない着信音が流れて消えた。携帯の表示には「着信アリ」と書かれていた。そこから次々と「死の予告電話」の恐怖が広がっていく。
監督:三池崇史 原作:秋元康 出演:柴咲コウ、堤真一、吹石一恵、岸谷五朗、松重豊ほか
映画「着信アリ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「着信アリ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
着信アリの予告編 動画
映画「着信アリ」解説
この解説記事には映画「着信アリ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
着信アリのネタバレあらすじ【死の予告電話】
飲み会に参加していた由美となつみ、そこへ喪服姿で遅れてやってきた陽子と着替えの為に手洗いへと行く。陽子は、亡くなった後輩の葬儀に行っていた事、その後輩がダイビング中に溺れ死んですごい形相で亡くなっていた事を由美に話していた。その時陽子の携帯の着信が鳴る、しかし陽子は「私の着信音じゃない」と言った。「誰から?」と聞く陽子に、由美が携帯を確認すると名前が出ておらず、携帯番号だけが表示さえており「着信アリ」と表示され電話は切れた。着替えを終え出て来た陽子が携帯を確認すると「これ、私の携帯番号なんだけど」と不審がる。留守電が1件入っていたが、その留守電は未来の自分から送られてきたものであった。二人はあり得ないと留守電を聞く、そこには陽子の話声が入っておりそして悲鳴と共に切れたのだ。最初は怖がっていたが、いたずらだと思い気にしなくなっていた。最後にそこに居た者達で電話番号の交換をしたのである。
着信アリのネタバレあらすじ【由美の過去】
由美は子供の頃に母に受けた虐待が、トラウマとなっていた。祖母だけは味方になって守ってくれていたが、ある日学校から帰ると母に「おばあちゃん、呼んできて」と言われ祖母の部屋へと行く。障子に小さな穴が開いており、そこから覗こうとしたが恐ろしくなって後ずさりする。するとそこへ母がやって来てタバコの火を腕に押し当ててきて、由美の頭を掴んで強引に穴から中を覗かせたのである。その穴から見えたものは、祖母の首つり死体であった。それから由美は「のぞき穴恐怖症」になり、家の覗き穴などが見れなくなっていた。
着信アリのネタバレあらすじ【最初の犠牲者】
陽子から「明日、買い物に付き合って欲しい」と由美に電話がかかってくる。それはまさに「死の予告電話」の日にちの時間であった。すると陽子はあの日留守電で聞いた言葉と同じ言葉を残し、悲鳴をあげ何者かによって電車が走る線路へと落とされてしまう。線路の横で、手、足がバラバラになりながらも、握りしめた手だけで携帯のボタンを押していたのである。
着信アリのネタバレあらすじ【陽子の葬儀の噂話】
陽子の葬儀に参列していた由美は、陽子の部屋で謎の男と遭遇する。その帰り道、なつみと一緒に歩いていると、前を歩いていた女子高生の話を偶然耳にする。その話とは、陽子は体がバラバラになりながらも即死ではなく意識があり、駆け付けた駅員に「痛い助けて」とすがりついてきたと言う内容だった。女子高生が「やっぱり殺されたんだよ」と言うと、由美が「どう言う事?教えて」と女の子達に詰め寄る。すると「陽子先輩にも自分からの電話がかかってきたんでしょ?」と言い「やっぱり、死の予告電話なんだよ」と言ったのである。「里奈の所にもかかってきたから」と続ける「里奈って、ダイビングで死んだ子?」と由美が質問する。「里奈を殺してリナの携帯から陽子先輩の携帯に」と言うと口ごもる。由美は「殺したって何?犯人を知っているの?」と尚も問い詰めると、女の子は「よく分からないけど、この世に恨みを残して死んだ女らしくて携帯を通じて来ちゃうんだって、そして殺した子のメモリーの中から次の犠牲者を選んで次々と殺していくって、だから自分の携帯番号着信拒否しておいた方が良いですよ」と助言して去って行った。呆然と立ち尽くす二人であったが、その話を聞いている者がもう一人いた、それは陽子の部屋にいた男性であった。
着信アリのネタバレあらすじ【次の犠牲者】
飲み会に参加していた健二に由美は、3日前に陽子が電車の事故で亡くなった事を話した。すると健二が「それって、もしかしてあのイタ電の?」と言い顔を真っ青にする。由美が「同じ時間に同じ言葉を残して死んだの絶対おかしいでしょう?」と言うと、健二が自分の携帯を差出し「これ、俺の声じゃないよな?」と由美に聞いてきた。そこには健二の声で録音されたメッセージが入っていた。それは今日の日付でしかも、あと2分しか時間が残ってなかった。そんな事あるわけないと言う健二だが、エレベーターに乗り込もうとボタンを押すと、話しかけてきた女性に留守電と同じ言葉は言って、開いたエレベーターの扉から何者かに足を掴まれ落ちていた。エレベーターの底で血を流し死んでいるにも関わらず、携帯のボタンを押す健二が居た、そして口から赤い飴が転がり落ちた。
着信アリのネタバレあらすじ【なつみにも死の予告電話が】
なつみが由美の家へと止まりに来ていた、すると電話が鳴り元彼から電話がかかってくる。安心するなつみの携帯を取り上げ、二人の携帯の電源を切った。由美が夜中に目を覚ますと、電源を切ったはずの携帯から、陽子と同じ聞いた事もない着信音が鳴った。それはなつみの携帯にかかってきたもので、今度は画像が添付されていた。その画像には恐怖に慄くなつみの顔と、その後ろから伸びる白い手が映し出されていた。なつみの携帯を解約し、携帯電話もデータ―を消し回収ボックスへと捨てた。なつみの家へと戻ると、そこにはテレビカメラを持った人達が来ており、なつみに「うちで有名な霊媒師を用意するので除霊しませんか?」と出演交渉をしてくるのである。そして死の予告を受け取った携帯を解約した事を知ると、スタッフの携帯を持たせなつみを映し始める。するとその携帯からあの着信音が鳴り出し、なつみの名前が表示され画像からは前に見た時よりも、手がなつみの方へと伸びていたのである。なつみは怖くなりテレビ局の人に除霊をしてもらう為に、由美の静止も聞かずに行ってしまった。
着信アリのネタバレあらすじ【謎の男】
なつみが去った後、陽子の部屋にいた謎の男性が立っていた。由美は男を追いかけ「何か知っているなら教えて欲しい、このままだとなつみまで陽子達みたいに殺されてしまう」と言った。すると男性が「いつなんだ、着信の時刻」と聞く「明日の22時39分」と言うと男性は陽子の携帯を取り出した。「彼女が電車にはねられた1分後に電話が掛けられている、手は体とは離れた場所に落ちていたから彼女が電話をかける事は出来ない」と言った。由美は「じゃ、誰が?」と聞くと、男性はもう一台携帯を取り出し「かけてみろ」と言うのである。それは陽子と同じ番号で、かけてみると「おかけになった電話番号は現在使われておりません」とガイダンスが流れた。由美が誰の携帯かと問うと男性は「妹の携帯だ」と言った。妹は半年前、自分の着信番号から電話があって、その3日後に火事で重度の火傷を負いながら何故か意識があった、医者は奇跡だと言ったが、どうせ死ぬなら何故楽に死ねないのかと思ったと言うのである。そして死んだ後、口の中には赤い飴が入っていたと言った。男性の名前は「山下」といった。
着信アリのネタバレあらすじ【病院を訪ねる】
ある病院を訪ね電話番号の事を聞くと、病院が移転する前の緊急用の電話番後だと教えてくれた。病院が移転したのは5か月前だという、陽子の写真を見せ「通院していませんでしたか?」と問うが、看護師は調べたが陽子の名前は記録に無かったと言った。由美は「この病院への電話に何の意味があるのだろう?」と不思議に思う。そして病院で喘息用の吸入器の音を聞き、健二が死んだ時に聞いた音と同じである事が分かった。そこで葬儀屋を訪ね、加賀見病院で喘息で亡くなった人のリストを調べて貰う。そこで分かったのは、7か月前の9月21日に小児喘息で亡くなった水沼美々子10歳の少女の事であった。その母の名前が「水沼マリエ」で、住所は分かるが誰も住んで居ない、葬儀が終わった後行方が分からなくなり、葬儀代も貰ってないと言った。水沼マリエに電話をかけてみるが、留守電へ転送されてしまう。
着信アリのネタバレあらすじ【山下の妹の手帳】
山下は児童相談所で働いていた妹の手帳を由美に見せ、水沼美々子が喘息の発作の記録と、美々子の妹で菜々子の加賀見病院へ緊急搬送された記録が示されていた。菜々子に関しては7月だけで、様々な理由で9回も病院へと運ばれていた。手帳から水沼マリエが子供達に虐待していたと推測し、山下の妹が働いていた児童相談所へと行って話を聞く事にした。しかし児童相談所では「水沼マリエが虐待していたとは考えにくい」と言うのである。何故なら病院への搬送は多かったものの、隠そうとはせずに献身的に看病をしていたからだと話した。すると由美が「代理ミュンヒハウゼン症候群」と口にする、健全な子供に危害を加え病人に仕立て上げてしまう心の病気の事で、献身的に子供を看病する良い母親は、人から注目され同情され褒めて貰える、つまり自己顕示欲を満たす為にしてしまう行為の事を意味していたのだ。
子供の頃に受けた虐待が原因だとも言われていた。
着信アリのネタバレあらすじ【テレビ局へ】
なつみの事が心配でテレビ局へ向かう由美と山下だったが、局の人から邪魔だと外へ出されてしまう。ロビーで放送の様子を見ていると、予告時間に異変が起こり始める。なつみの携帯の着信音が鳴り始め、怖くなったなつみは椅子から立ちあがると足元から髪の毛が伸びてきて、驚いてしゃがみこんでしまう。偽霊能者は大きく弾き飛ばされ、戸惑う人々の中でなつみだけは一点を見つめ怯えていた。テレビのモニターを見る由美、そこには携帯に添付されていた画像の霊が、なつみの方へと段々と近づいてくる様子が映し出されていた。なつみの元へと駆け寄る由美であったが、由美の目の前でなつみは骨がねじれ折れて上半身と下半身がバラバラになってしまう。そしてついに由美の携帯電話に「着信アリ」の表示がされ「死の予告電話」が届いてしまうのである。
着信アリのネタバレあらすじ【残された時間は16時間】
水沼マリエの家へと行ってみると、当時のままの状態で残されていていた。そこでマリエの携帯が料金未納で停められている事を知り、留守番電話に通じてしまう事に疑問を持つ。机の上にあったバラバラに破られた写真を並べると、そこに水沼マリエらしき女性の姿が映っていた。そして天袋に何者かの気配を感じ驚く由美、山下が天袋を開けると中身の入っていないビデオカメラを見つける。山下は菜々子が居る児童保育所に来て、菜々子にマリエの場所を聞くが精神的にしゃべれなくなっていたのである。菜々子の持っていた熊のぬいぐるみのお腹を押すと、「死の予告電話」の着信音と同じ音が鳴り始める。
着信アリのネタバレあらすじ【旧加賀見病院へと向かう由美】
マリエが仕事以外は病院に居る事が多かった事を知り、由美は病院へ行くと山下に電話をする。山下は自分が行くから、部屋に戻っていろと言うが、居ても経ってもいられない由美は一人で病院へと来てしまうのである。表は鍵がかかっていたが、裏へ回ると一枚の扉が少し開いておりそこから入る事が出来た。しかし怖くなって入る事が出来ないでいると、中から電話の音が聞こえた為、山下が先に来ていると思った由美は中へと入ってしまう。ブレーカーを見つけ病院内の電気を点ける事が出来た、するとまた電話の音が聞こえた、音のする奥へと入って行くのである。しかし、あちこちで電話の音が鳴り出した、さらに奥へと進みカーテンを開けると由美の携帯が台の上に置いてあり、着信音が鳴りだし病院の電気が消えてしまう。背後から手が伸びてきて恐怖で逃げ出し隠れる由美の膝の上に、瓶に入った人間の標本が置かれるのである。標本を投げ捨て走り逃げる由美、しかし何者かによって病院の奥へと足を引っ張られる。そこへ山下がやって来て外へと逃げ出すが、入って来た扉には鎖がかかっており外へ出る事が出来なくなっていた。しかもその扉の隙間から手が伸び山下の腕を掴み、鉄の扉には人の顔がくっきりと浮かび上がった。
着信アリのネタバレあらすじ【死の予告時間】
奥へと逃げる二人は由美の携帯電話のある部屋へとやってきていた、すると由美の携帯から着信が鳴りだす。もうダメかと諦めたその時、水沼マリエの携帯を見つけ、必死で由美への着信を止めようとする。すると鳴っていた着信が止まり、予告時間が過ぎ全てが終わったかのように思えた。そして部屋の奥には、腐敗した水沼マリエの死体があった。由美が近づき「見つけて欲しかったんだよね」と悲しむと、死体が急に動きだし由美の頭を鷲掴みにするのである。山下が由美をマリエから引き離し、マリエを斧で切り付けるがびくともしない、由美を連れ部屋を出ようとするが由美だけ弾き飛ばされ部屋に取り残されてしまうのだ。恐怖で座り込む由美にマリエがどんどん近づいて行く、そして由美の首に手を掛ける。すると由美は泣きながら自分の母親とマリエを重ね合わせ「お母さん、ごめんなさい。良い子で居るから」と腐敗したマリエの体に抱きつくのである。その時扉が開き山下が中へ入ると、労わる様に死体を抱いた由美の姿があった。
着信アリのネタバレあらすじ【真実】
水沼菜々子の施設から山下「見せたいものがある」と連絡があり施設へと向かう。施設へと行き菜々子が持っていたというビデオテープを見る山下、そこに映されていたのは水沼マリエの家であった。ビデオには美々子が菜々子の腕を切りつけるシーンが映し出せれており、そこへマリエが帰って来て「やっぱり、美々子だったのね」と言い喘息の発作を起こしている美々子を置いて菜々子を病院へと連れだす様子が映っていた。山下が菜々子に「君に酷い事をしたのは、お母さんじゃなくてお姉ちゃんなのか?答えてくれ」とすがる様に聞く。すると菜々子が口を開らいた「でも、その後で飴くれた。早くよくなってねって」と言って、カバンに入っていた赤い飴を山下に見せるのである。それを見て今まで人を殺して来たのが、美々子だと気づいた山下は警察に連絡する。「おそらく最初の犠牲者はマリエだ、死んだ美々子がマリエの携帯にアクセスしてきたんだ」と言い、一番危ない由美の元へ急いで行く。
着信アリのネタバレあらすじ【由美の異変】
その頃、由美は警察に送られて家へと帰っていた。時計がどんどん死の予告時間へと、戻っている事に気づく由美、その時山下の声がし玄関へと近づくが異変に気づき、覗き穴から外の様子を見てしまうのだ。するとそこには美々子が立っており、覗き穴から尖った鉄の棒を突き刺してきた。慌ててドアから離れるが、ベッドに美々子が座っていた。山下が駆け付けると、由美は何もなかったかの様にベッドに座っていた。安心した山下が由美に駆け寄り抱きしめると、山下から血がしたたり落ちた。由美が隠し持っていた包丁で山下を刺し「病院に連れてってあげる」と言った。
着信アリの結末【最後の時】
気を失った山下はマリエの家にいて、瀕死の状態で横たわっている美々子に吸引器を吸わせてあげるのである。夢か幻だったのか目を覚ますと、不思議な病院のベッドの上に寝かされていた。その傍らには由美がいて、包丁を後ろ手に隠しながら、山下にキスをすると口移しで赤いキャンディを山下の口に入れた。その飴を舐める様子を微笑みながら嬉しそうに眺める由美がいた。それが意味するものは誰も知る由も無かったのである。
とても怖かったです!
特に主人公の友達のなつみが亡くなるシーンが一番の恐怖でした。テレビで生中継されながら死んでいくのですが、たくさんの人が見ているのに、誰もなにもできないまま終わる、というシーンが衝撃的でした。
なぜ主人公だけ助かったのか、ラストはどういうことなのか、疑問が残る作品です。