母べえ(かあべえ)の紹介:2007年日本映画。映画スクリプターの野上照代の実話を元にしたエッセイが原作。戦争中に父が思想犯として捕えられた父を信じ、希望を持って行きぬく母と子と、その親子をめぐる人々との感動の家族ドラマ。
監督:山田洋次 出演:吉永小百合(野上佳代)、浅野忠信(山崎徹)、檀れい(野上久子)、志田未来(野上初子)、佐藤未来(野上照美)、笑福亭鶴瓶(藤岡仙吉)、坂東三津五郎(野上滋)、
映画「母べえ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「母べえ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
母べえの予告編 動画
映画「母べえ」解説
この解説記事には映画「母べえ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
母べえのネタバレあらすじ:起
昭和15年、東京。野上佳代は、ドイツ文学者の夫、滋と、長女の初子、次女の照美との4人家族です。家族はそれぞれ「父べえ」「母べえ」「初べえ」「照べえ」とお互いの名に「べえ」を付けて呼び合っていました。家族はユーモアを愛する父のもとで、仲良く暮らしていましたが、日中戦争が激しくなり、滋は反戦思想犯とされ、治安維持法違反で特高(特別高等警察)に検挙されます。家族は父を信じ、陰膳をして父の帰りを待ちます。
母べえのネタバレあらすじ:承
父の教え子で出版社勤務の山崎が、野上家を訪れるようになります。人付き合いが下手で不器用ですが、優しい山崎に初子と照美も「山ちゃん」と呼んでなつきます。滋がいつ帰るかめどがつかず、佳代は小学校の代用教員として働きはじめます。滋の妹で、画家を目指す久子が時々、野上家に来て、忙しい佳代に代わって家事などを手伝います。夏休みに、佳代の叔父、藤岡仙吉が奈良からやって来ます。仙吉は遠慮なく、自由にデリカシーのない事を言うので、思春期の初子に疎まれますが、何でも話せる人柄の仙吉に、佳代は和みます。
母べえのネタバレあらすじ:転
郷里で警察署長をしている佳代の父、久太郎が上京してきて、思想犯となった滋との離婚を命じ、できなれければ自害しろ、勘当だ、と責めますが、佳代はがんとして応じませんでした。夏に皆で海水浴に行きます。山崎がおぼれそうになり、佳代が助けます。山崎は佳代にほのかな思いを抱いていました。久子は故郷に帰ります。昭和16年12月、とうとう太平洋戦争が始まりました。昭和17年の正月に父の獄死の知らせが来ます。その後にクリスマスに書いた父の手紙も届きます。
母べえの結末
左耳が聞こえない山崎にも、赤紙が届きました。3年後に戦争が終わります。久子は広島で原爆に会い、亡くなりました。山崎の戦友が訪れ、「いつまでもあなた方を護ってあげる」という山崎の最後の言葉を伝えます。初子は成人して医師となり、照美は美術教師となりました。初子の勤務する病院に入院中の佳代が危篤との知らせを受け、照美は病院に駆けつけます。「もうすぐ父べえに会えるね。」と言われた佳代は「あの世でなんか会いたくない。生きている父べえに会いたい。」と答えます。
2023-01-02 映画を拝聴いたしました。
日本国は無謀な戦争で日本国民と世界中に多大の迷惑を及ぼしました。
時の指導者が開戦を決意した事情は理解でいるが悲しい結果を生み出しました。
時を経て、戦争中の食糧難や人々が荒んだ心から立ち上がってきたが苦しい時代だった。
海水浴で溺れそうになった山崎氏を救援に向かった母べえさんのクロールシーンが良かった。
吉永小百合さんの渾身の演技は抜群。
悪人に立ち向かう、鞍馬天狗の様だった・・・。
優れた映画は芸術作品と呼びたい。
85歳