ラスト サムライの紹介:2003年アメリカ作品。明治維新後、政府は急速な西洋化を求め、様々な文化を取り入れようとしていました。しかし、旧武士たちは立場の存続が危ぶまれ、また、古き良き日本の伝統をも破棄されるような気配を感じ、新政府の動きに抵抗を見せます。その混乱のなか、主人公のアメリカ軍人、ネイサン・オールグレンが軍隊育成のために来日し、政府の指示で軍隊を育てます。育成途中の軍を率いて侍達の一掃を命ぜられますが失敗。ネイサンは捕虜の身になります。しかし、そこから村人達とのふれあいを通じ、日本における文化、また武士道を目の当たりにし、次第に考え方が変わり、自ら侍達の味方につき、新政府との最後の戦いに挑みます。
監督:エドワード・ズウィック 出演:トム・クルーズ(ネイサン・オールグレン大尉)、ティモシー・スポール(サイモン・グレアム)、渡辺謙(勝元盛次)、ビリー・コノリー(ゼブロン・ガント軍曹)、トニー・ゴールドウィン(ベンジャミン・バグリー大佐)、真田広之(氏尾)、小雪(たか)、ほか
映画「ラストサムライ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラストサムライ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラストサムライの予告編 動画
映画「ラストサムライ」解説
この解説記事には映画「ラストサムライ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラストサムライのネタバレあらすじ:起
幕末から明治維新にかけて、日本は急な文化の転換期となりました。「文明開化」とはこの事で、それまで武士中心の国家体制も天皇中心の体制となり、議院制も制定され、天皇を中心に近代化への転換を始めているところでした。ちょんまげをなくし、身分制度の廃止、特に武士たちの特権をなくす制度には、旧武士たちは納得のいかないもので、強い反発が国内で起こっているところでした。そんな中、近代式の軍備を整えようとアメリカより召集されたのが、ネイサン・オールグレン大尉。当時のネイサン大尉は酒に溺れながらも、ウインチェスター社という銃の製造メーカーとの契約で、アメリカ国内に銃の素晴らしさを売り込む仕事をしていました。かつては、アメリカ軍に従事し、インディアン一掃部隊の一員として活躍していました。しかし、何の罪も無い先住民たちを撃ち殺すそのアメリカ政府の方針に不信感を抱きつつも、上司の命令でインディアン達を撃ち殺します。納得のいかない業務との間で酒に溺れるネイサン大尉ですが、日本からの巨額報酬の仕事を、かつての上司からの伝達で依頼されますが、あまり納得いかないまま引き受け渡日します。
ラストサムライのネタバレあらすじ:承
来日後、サイモン・グレアスという専属の通訳と共に天皇へ挨拶。そして、そこから日本の近代国家軍隊への育成の日々が始まりました。しかし、当時の日本の軍隊は、元農民から希望者を募ったものばかり。なかなか成長しません。そんな中、侍の残党兵達が新政府の計画していた鉄道建設を妨害襲撃し、これに怒った天皇の側近、大村は侍の一掃をネイサン大尉と軍隊へ命じます。しかし、実践は任務外であることと、まだ戦いができるような状態ではない出動させるわけには行かないと拒みますが、大村は強行。致し方なく出兵しますが惨敗。最後はネイサン一人で奮闘しますが、最後は侍達に囲まれ万事休すか、と思われたところで侍軍の大将、勝元に止められ、捕虜の身分として侍の村でしばらく過ごすことになります。最初は村で「蛮人」扱いを受けるネイサンですが、大将の勝元と会話を続け、村の人たちと生活を共にするにつれ、徐々に気持ちが切り替わっていき、ついには武士道を極めようとします。
ラストサムライのネタバレあらすじ:転
そして、年が明けた春、勝元が天皇に呼ばれ江戸へ。一緒に向かうネイサン。元老院の一員として呼ばれた勝元は帯刀していきましたが、すでに世の中は廃刀令が出たばかり。天皇にお伺いと立てると、そっけない返事を受けた勝元は、そのまま江戸に拘留。これが新政府の思惑で、そのまま侍のトップである勝元を追いやろうとしますが、家来達が大将を助けるべく江戸へ進出。拘留先から脱出することに成功します。が、この時の交戦で息子、信忠を亡くしてしまいます。無念を引きずりながらも村へ帰還し、ネイサンも一緒の帰村しますが、政府官軍が侍一掃のために数日後に来ることに。迎え撃つ侍達は、さまざまな作戦を勝元とネイサンと共に立て、官軍、及び新政府の連中に一矢報い、あわよくば勝利を目指そうとします。作戦は「『近代兵器があるから』という驕りがある連中をおびき寄せて、接近戦に出る。そうすることで、少数人数でも大人数に対抗する」という作戦でした。
ラストサムライの結末
決戦当日、政府軍は最後の確認をします。「君達が抵抗しなければ、無血で君達を開放する」と。もちろん、ネイサン・勝元率いる侍達は首を縦には振りません。そこで決戦が始まり、政府の新兵器に苦戦しながらもあらゆる秘策で必死に抵抗する侍達。しかし、思わぬ交戦に撤退し始める政府軍の兵たち。最終兵器を用いて、いよいよ侍達を滅ぼそうとしたとき、最後の最後まで生き残ったラストサムライ、勝元の死を目の当たりにした政府軍の兵たちは、土下座をしてその最期を見届けるのでした。武士道を最期まで貫き通した勝元に感服したネイサンは後日、天皇との謁見のため皇居へ。アメリカ軍との新兵器の契約の最終段階でネイサンが現れ、一本の刀を天皇へ授け、こう語りました。「この国の文化を支え、武士道を貫き、天皇に仕えた人間がいたことを、決してお忘れなきよう」と。かつて天皇の教育係として指導していた勝元の遺言によって天皇は目覚め、真の大和魂の宿った国家作りを目指していくことになります。
以上、映画「ラストサムライ」のあらすじと結末でした。
江戸時代を風景を日本人も分かるように作られたハリウッド映画だ。渡辺謙と真田広之によって変な日本の印象にならないようになっているのが嬉しい。ハリウッドが日本風の映画を作るとツッコミ満載な映画が主だったのが、やっと中国の感じ入り混じっていたがこの映画に関してはそんなことは無い。武士が武士らしく努め、明治天皇を重んじ有り、トム・クルーズがえんじているオールグレン大尉も捕虜になってから日本人の武士道精神を見習って剣の稽古を学んだり、人と人の繋がり合いを肌で感じて真似たりする場面は、好きだ。渡辺謙演じる勝元が武士らしい最後を迎えたことを天皇陛下と会話をするシーンは素晴らしく感動してしまいました。