病院坂の首縊りの家の紹介:1979年日本映画。横溝正史原作。「金田一耕助シリーズ」の1つで金田一耕助が手掛けた最後の事件。アメリカに行くためのパスポート写真を撮りに行った写真館で、調査を依頼されたことから、金田一耕助が、法眼家の、悲しく忌まわしい過去を解き明かしていくことになります。
監督:市川崑 出演:石坂浩二(金田一耕助)、桜田淳子(法眼由香利 / 山内小雪)、佐久間良子(法眼弥生)、小沢栄太郎(本條徳兵衛)、清水紘治(本條直吉)、ピーター(吉沢平次)、あおい輝彦(山内敏男)、ほか
映画「病院坂の首縊りの家」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「病院坂の首縊りの家」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
病院坂の首縊りの家の予告編 動画
映画「病院坂の首縊りの家」解説
この解説記事には映画「病院坂の首縊りの家」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
病院坂の首縊りの家のネタバレあらすじ:起
金田一耕助は、命を狙われているという本条写真館の経営者の本條徳兵衛から調査を依頼されます。一方、その本條写真館に女性が来て撮影を依頼。徳兵衛の息子、直吉が廃屋出向くと、そこは終戦翌年に山内冬子という人が首を縊って死んだ「首縊りの家」と呼ばれる法眼病院跡でした。直吉は依頼に来た花嫁の女性と、花婿の男性を撮影します。徳兵衛はその写真を見て、花嫁は法眼病院の娘、法眼由香利だと言います。後日、同じ女性から、また撮影依頼の電話がありました。金田一も同行すると、その場所に花婿の生首と、誰かの歌が書かれた札と風鈴がありました。その場にいた不審な男、吉沢を捕まえます。
病院坂の首縊りの家のネタバレあらすじ:承
法眼家とその縁戚の五十嵐家の面々が、廃屋に集められます。五十嵐滋が写真を見て、花嫁は由香利だと言いますが、法眼弥生はそれを否定。由香利も連れてこられ、写真の花嫁は由香利ではないという事になります。写真の夫婦の身元は山内敏男と山内小雪という、血の繋がらない兄妹と分かります。吉沢と山内は進駐軍回りのバンドグループのメンバーでした。金田一の調査で山内冬子が敏男と小雪の母親で、法眼弥生の夫ですでに亡くなった法眼琢也の愛人という事が分かります。小雪から、愛される事が疎ましくて敏男を殺した、自分も死ぬと遺書が届きますが、その遺書からは小雪の指紋が検出されませんでした。
病院坂の首縊りの家のネタバレあらすじ:転
本條徳兵衛と、吉沢が殺されます。金田一は、東北と山内兄弟について詠われている法眼琢也の歌集を見つけ、東北へ調査に向かいます。その間に、本條直吉が何者かに襲われ重傷を負います。戻ってきた金田一は関係者を集め、真相を話し出します。縁戚の五十嵐猛蔵は、法眼家を乗っ取るために無理やり弥生の母千鶴と再婚。まだ15歳の弥生を犯し、それを本條徳兵衛に撮影させました。その結果、弥生が産んだのが冬子で、すぐに里子に出されました。猛蔵は弥生を無理やり嫁がせようとしたため、千鶴に突き落とされ死亡します。その後生活の為に弥生は法眼琢也に嫁ぎ、千鶴は屋根裏部屋で寝たきりになります。そして、弥生と琢也の間に由香利が生まれます。冬子は琢也の愛人となっていました。冬子は生まれた時に持っていた風鈴から実母が弥生と分かり、会いに来ますが、由香利に「父の愛人を合わせるわけがない。乞食め。」と追い返され、冬子は自殺。それゆえに敏男は法眼家への復讐を決意していました。
病院坂の首縊りの家の結末
数年後、本條徳兵衛は写真をネタに弥生を脅迫し、弥生は徳兵衛を殺そうとして失敗します。同じ頃、、敏男と小雪のバンドが村にやってきます。小雪に求婚するも拒否された敏男は復讐のために由香利を誘拐、薬で昏睡状態にして花嫁写真を撮ります。小雪の身代わりとして接吻したりしているうちに、抵抗する由香利を敏男ははずみで突き飛ばし、殺してしまいます。敏男は絶望し自らの首を切り、息絶える前に小雪に、自分の首を首縊りの家に吊るすよう言い残します。どうしたらよいのか分からない小雪は弥生に相談、弥生は小雪の境遇が自分に似ていると同情し、協力。また、由香利を小雪と入れ替えます。小雪の遺書も弥生の仕業でした。そして、弥生は脅迫する徳兵衛を殺害、由香利が本当は小雪であると見抜いた吉沢も殺害、徳兵衛から聞いて脅迫してきた直吉も殺そうとして、失敗します。真相が分かった時、屋根裏部屋の千鶴が亡くなったと知らされ、皆が屋根裏部屋へ向かいます。その間に弥生は家を抜け出し、人力車で病院坂の首縊りの家の家に向かいます。人力車がその場所に着くと、弥生は人力車の中ですでに自らの命を絶っていました。
佐久間良子さん、うつくしい