グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札の紹介:2014年フランス,アメリカ,ベルギー,イタリア映画。実話を基に描かれたフィクションである当作は、ハリウッドのスター女優からモナコ公妃へ華麗な転身を遂げたグレース・ケリーが、公国の存亡の危機を救うために一世一代の大勝負に臨む姿を描いています。
監督:オリヴィエ・ダアン 出演者:ニコール・キッドマン(グレース・ケリー)、ティム・ロス(レーニエ3世)、フランク・ランジェラ(フランシス・タッカー神父)、パス・ヴェガ(マリア・カラス)、パーカー・ポージー(マッジ・ティヴィ=フォコン)ほか
映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札の予告編 動画
映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」解説
この解説記事には映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札のネタバレあらすじ:起
1956年、人気の絶頂期にあったオスカー女優のグレース・ケリー(ニコール・キッドマン)はモナコ公国の大公レーニエ3世(ティム・ロス)と電撃結婚、芸能界を引退しました。その後は2人の子宝にも恵まれましたが、モナコ宮殿の古くからの伝統やしきたりに馴染めず、多忙を極めるレーニエ3世との間にはすれ違いが生じていました。結婚から5年後の1961年12月、グレースのもとにハリウッド時代の知人である映画監督アルフレッド・ヒッチコック(ロジャー・アシュトン=グリフィス)が次回作「マーニー」の脚本を持って訪れ、出演を依頼します。一人孤独を抱えていたグレースは5年ぶりの女優復帰に胸をときめかせるも、モナコ公妃としての立場から一旦は回答を保留します。レーニエ3世は自己責任という条件で出演を許可、この事は公国に混乱を与えないようにしばらくの間極秘とされてきました。
グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札のネタバレあらすじ:承
1962年。アルジェリアの独立戦争への軍事介入真っ最中のフランス大統領シャルル・ド・ゴール(アンドレ・ペンヴルン)は軍事費確保のため、無税の国であるモナコに移転しているフランス企業から税金を徴収して納めるよう要求、断るレーニエに対して要求を飲めないならばモナコをフランス領として併合すると脅しをかけます。軍隊を持たないモナコに対してフランスは軍事大国。モナコは最大の危機に陥る中、グレースは両国の問題が解決したら女優業再開を世間一般に公表しようと考えていました。ところが、その情報は何者かによってマスコミにリークされてしまい、グレースは国内から批判を浴びてしまい、相談役で後見人のタッカー神父(フランク・ランジェラ)に助けを求めます。タッカー神父は、宮殿内にフランスのスパイがいる可能性を指摘します。同年7月、遂にフランスの圧力に屈したレーニエ3世はフランス企業からの課税に応じますが、ド・ゴールは更にモナコの企業にも課税するよう強要、モナコとの国境を封鎖してしまいます。
グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札のネタバレあらすじ:転
フランスとの交渉に失敗したレーニエはやり場のない怒りをグレースにぶつけ、女優復帰を断念するよう迫ります。グレースは離婚を決意しますが、タッカー神父から「あなたは人生最高の役を演じるためにモナコに来たはず」と優しく諭され思い留まります。この時点でグレースに味方するのはタッカー神父の他、レーニエの姉アントワネット公女(ジェラルディン・ソマーヴィル)、ギリシャの大富豪にしてモナコ公国の支援者アリストテレス・オナシス(ロバート・リンゼイ)の愛人でもあるオペラ歌手のマリア・カラス(パス・ベガ)だけでした。それでもグレースはモナコを守るため、タッカー神父の紹介で外交儀礼に詳しいデリエール伯爵(デレク・ジャコビ)に会い、モナコの歴史や伝統、外交儀礼、フランス語、スピーチなどについて厳しいレッスンを受けます。一方、レーニエは各国の外交使節をモナコに招き、モナコへの支援を呼びかけようと模索していました。そんな中、グレースは自らの秘書マッジ(パーカー・ポージー)がフランスと内通しているとの報告を受けます。グレースはハリウッドの映画会社の広報担当者ルパート(マイロ・ヴィンティミリア)にマッジの裏切りの証拠を掴むことと、その雇い主の正体を突き止めるよう依頼します。
グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札の結末
1962年9月、レーニエはヨーロッパ諸国の首脳を集めてサミットを開催、モナコへの支援を訴えますが、その直後にド・ゴール暗殺未遂事件が発生、その影響で各国はフランス側についてしまいます。衝撃を受けたグレースとレーニエはようやく互いの愛を再確認して和解します。グレースはアントワネットの夫ジャン=シャルル(ニコラス・ファレル)がレーニエにフランスの要求を受け入れるよう進言しているのを聞き、そしてアントワネットが不敵な笑みを浮かべている様を目の当たりにします。絶望するグレースはマッジから事実を打ち明けられます。マッジはフランスとは内通しておらず、実は極秘裏に探偵を雇ってアントワネットとジャン=シャルルの周囲を調査させていたのです。アントワネットはレーニエを失脚させ、自分の子を大公に就けようと目論んでいたのです。マッジの報告を受けたグレースとレーニエは、アントワネットとジャン=シャルルをモナコから追放し、グレースはヒッチコックに電話を入れて映画への出演辞退を伝えます。グレースは最後の作戦として国際赤十字モナコ支部代表のバチョッキ伯爵夫人(ジャンヌ・バリバール)の協力を得て、世界各国の政府要人や著名人を集めた舞踏会を開催すると発表、各国に招待状を送ります。そして迎えた舞踏会当日の10月9日。会場にはド・ゴールの姿もありました。マリア・カラスの渾身の歌が会場を盛り上げる中、グレースはスピーチで自らの生い立ち、モナコが抱える諸問題、そして人類の愛と平和への気持ちを訴えました。そのスピーチはアメリカのマクナマラ国防長官(フィリップ・ダレンシー)をはじめ来賓たちの心を打ち、さすがのド・ゴールも遂に折れて翌年にモナコの国境封鎖解除に至りました。グレースは芸能界に復帰することなく、公妃としての任務を全うするのでした。
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