機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編の紹介:1982年日本映画。1979年放映のテレビシリーズ「機動戦士ガンダム」の劇場版三部作の最終章となる今作は、「一年戦争」の戦火が地球圏全域に広がるなか、宇宙に上がったアムロとシャア、二人の永遠のライバルは再び相まみえます。そして、最終決戦の時は刻一刻と迫っていたのです。
監督:富野由悠季 声の出演者:古谷徹(アムロ・レイ)、池田秀一(シャア・アズナブル)、鈴置洋孝(ブライト・ノア)、井上瑤(セイラ・マス)、潘恵子(ララァ・スン)ほか
映画「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」解説
この解説記事には映画「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編のネタバレあらすじ:起
宇宙世紀0079。ジオン公国の独立宣言に端を発する「一年戦争」の戦火は地球圏全域に拡大、甚大な被害をもたらしていました。新たな任務を受けた地球連邦軍戦艦ホワイトベースは再び宇宙へと舞い戻りました。若くして数々の激闘を経験し、戦士として目覚ましい成長を続けるガンダムのパイロット、アムロ・レイ(古谷徹)は、ジオン軍の追っ手も難なく退けます。ホワイトベースは中立地帯のコロニー群「サイド6」に入港します。そこにはサイド6の監察官であり、ホワイトベース操舵手ミライ・ヤシマ(白石冬美)のかつての婚約者カムラン(村山明)がいました。ミライに密かに想いを抱いているホワイトベース艦長ブライト・ノア(鈴置洋孝)は嫉妬心を覚えますが、元々は双方の両親が勝手に決めた婚約ゆえに、ミライはカムランとの交際には乗り気ではありませんでした。そこに新任士官のスレッガー・ロウ中尉(井上真樹夫)が現れ、ふたりの間に割って入ります。一方、アムロは偶然にも行方不明だった父テム(清川元夢)と再会しますが、かつてのサイド7の戦いに巻き込まれた影響で酸素欠乏症を患い、記憶の一部を失っていました。父の変わり果てた姿にアムロは衝撃を受けます。帰路につくアムロは途中、謎めいた女性ララァ・スン(潘恵子)と出会います。アムロは彼女の中に何かを感じ取っていました。翌日、アムロは偶然にもララァと行動を共にするシャアとすれ違います。これが戦闘行為以外での初対面でした。アムロは相手がシャアだと感づきましたが、シャアはアムロには全く気がついていませんでした。ララァはジオン軍のニュータイプ研究所に属するテスト兵で、シャアはララァの能力を高く評価していたのです。サイド6を出航したホワイトベースはジオンの部隊が襲いかかります。アムロはガンダムで応戦し、敵機を次々と撃破します。戦況はサイド6のテレビ放映に中継され、シャアはガンダムのパイロットはニュータイプだと確信します。
機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編のネタバレあらすじ:承
戦局はさらに悪化、ジオン公国の公王デギン・ザビ(柴田秀勝)は連邦政府との和平を模索しますが、長男のギレン・ザビ総帥(銀河万丈)は徹底抗戦の構えを崩さず、弟のドズル・ザビ将軍(玄田哲章)に宇宙要塞ソロモンの守備を命じ、自らは連邦軍に対抗する新兵器の準備に取りかかります。一方、連邦軍本隊との合流に向かうホワイトベースは廃棄されたコロニーに差し掛かった時、シャアが新型機「ゲルググ」に乗りアムロのガンダムと交戦します。シャアに帯同していたララァとアムロは戦いの最中、互いに何かを感じ取っていました。アムロとシャアの対戦は引き分け、シャアはまたしても実の妹であるセイラ・マス(井上搖)と再会します。シャアは表向きはジオン公国に従う素振りを見せながらも、裏ではジオン公国建国者だった父のジオン・ズム・ダイクンの敵討ちを狙っていたのです。ジオン・ズム・ダイクンはザビ家によって失脚させられた挙げ句に暗殺され、二人の子供はそれぞれシャアとセイラという偽名を使い潜伏していたのです。シャアはザビ家に復讐した後に、かつて父が提唱した人類の革新であるニュータイプによる革命を起こすことを考えていました。そして、アムロは所詮連邦のために利用されているだけに過ぎないと否定的な見方をしていました。シャアは改めてセイラに連邦軍から足を洗うよう忠告します。それから程なく、連邦軍の艦隊が集結し、ソロモン攻略戦が始まりました。スレッガーはミライに指輪を渡し「今の気持ちを信じない方がいい」と言い残して戦場に赴きます。連邦軍は新兵器「ソーラーシステム」を発動し戦局を有利に進め、敗北を覚悟したドズルは妻子や部下を脱出させると、自ら巨大モビルアーマー「ビグザム」で出撃し最後の最後まで刃向かいますが、最期はガンダムによって倒されます。この戦いでスレッガーも命を落とします。かくして連邦軍はソロモンを攻略し、総司令官レビル将軍(村松康雄)はソロモンに入城します。
機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編のネタバレあらすじ:転
ソロモンを落とされたジオン軍では、強硬派のギレン総帥と穏健派のデギン公王との間に対立が深まり、デギンは独断で連邦軍に和平交渉を持ちかける一方、ギレンは超巨大兵器「ソーラレイ」の準備を本格化します。一方、シャアはララァを新型のニュータイプ専用モビルアーマー「エルメス」に乗せ、ホワイトベースを奇襲しますが、アムロやセイラがガンダムや戦闘機「Gアーマー」で応戦するや、彼らの存在を感じ取ったララァは苦痛を訴えて戦線離脱します。セイラはブライトに自分の出生やシャアのことなど全てを打ち明け、ザビ家への復讐に狂う兄との決別を告げます。ブライトはセイラの決断を尊重し受け入れます。シャアはキシリア・ザビ(小山茉美)の元を訪れます。キシリアはギレンの妹で、ガルマの戦死により左遷されたシャアを拾い復権させていたのです。キシリアは既にシャアの出生や目的を見破っていながらも、シャアにもニュータイプの素質があることを見抜き手駒として利用しようとしていたのです。シャアはザビ家への復讐を捨てると宣言します。キシリアは艦隊をホワイトベースら連邦艦隊に差し向け、シャアとララァも出撃します。しかし、ガンダムのアムロはララァのエルメスと戦ううち、互いにニュータイプの本能を覚醒させ、心と心が繋がり合い始めます。ところがその場にゲルググのシャアとGアーマーのセイラが参戦、アムロはガンダムのビームサーベルでシャアのゲルググに斬りかかりますが、ララァはシャアを庇って自らガンダムの刃を受け、壮絶な最期を遂げます。アムロは取り返しのつかないことをしてしまったと悔やみ、シャアも感情を露わに絶叫するのでした。
機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編の結末
一年戦争はいよいよ重要な局面を迎えようとしていました。連邦軍はジオンの最後の砦である宇宙要塞ア・バオア・クー攻略のため集結していたところ、デギンが和平交渉のために艦隊を訪問して来ました。ギレンはこの機を逃さずソーラレイを連邦艦隊に向け発射、デギンをレビル将軍もろとも抹殺し、連邦軍の主力艦隊に大打撃を与えます。そしてギレンはジオン公国の全権を掌握するのです。間一髪で難を逃れたホワイトベースら残存する連邦艦隊はア・バオア・クーへの進撃を開始、いよいよ最終決戦は間近に迫っていました。キシリアは父の死に疑問を抱き、今の自分ではガンダムを倒せないと悟っていたシャアに未完成の最新鋭モビルスーツ「ジオング」を与えると、ギレンはア・バオア・クーで演説を行うギレンのもとへ向かいます。キシリアはギレンが父を殺したのだと確信し、ギレンに向けて発砲し射殺します。キシリアはギレンに代わってジオン全軍を掌握、遂に地球圏の命運をかけた決戦に突入します。連邦軍はソーラレイにより大多数の艦隊を失っており、ガンダムもまたアムロのニュータイプとしての覚醒について行けず限界に近づいていました。一方のジオン軍も、マ・クベなどの幹部や優秀なパイロット、人材などを数多く失い、経験の浅い新兵に頼らざるを得ないところまで追い詰められていました。アムロのガンダムはシャアのジオングとの決戦に臨み、ホワイトベースら連邦艦隊もア・バオア・クーへ展開、いよいよ最終決戦が幕を開けました。アムロとシャアは互いに死力を尽くし、ガンダムとジオングは激闘の末相打ちになり大破します。二人はモビルスーツを捨て生身で取っ組み合いを始めます。そこに死んだはずのララァの意思が現れ、二人にニュータイプは戦いの道具ではないと訴えます。そしてセイラも駆け付けて二人を制し、ララァを失ったのはお互いさまだと二人を諭します。シャアはアムロに共闘を持ちかけますが、突如爆発が起こりアムロは別の空間に吹き飛ばされます。
シャアはセイラに別れを告げ、もはや着ける必要のなくなった仮面を捨てるとバズーカ砲を手にとり、ア・バオア・クーから脱出を図るキシリア目掛けて発砲し討ち取ります。ザビ家への復讐を成し遂げたシャアはそのまま行方をくらましていったのです。アムロはララァの声に導かれ、ガンダムの脱出システムであるコアファイターにたどり着きます。一方、ホワイトベースも遂に力尽きて沈没し、ブライトら乗組員は脱出、合流したセイラと共に救助艇で要塞を脱出しますが、アムロの姿だけはありませんでした。しかしアムロの無事を信じる乗組員たちは必死にアムロに呼びかけます。すると、遠方からコアファイターに乗ったアムロの姿が。アムロは自分には帰れる場所があると喜びの涙を流し、仲間たちとようやく再会を果たすのでした。この戦いから間もなく、地球連邦政府とジオン公国改めジオン共和国は終戦協定を結び、ようやく地球圏を混沌に陥れた一年戦争は終結を迎えたのです。
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