ピアノ・レッスンの紹介:1993年オーストラリア映画。19世紀中頃のニュージーランドを舞台に、言葉の代わりにピアノの音色で会話する女性と、地元で原住民と共に暮らす男との激しく切ない愛を描いたラブストーリーです。アカデミー賞で脚本賞・主演女優賞・助演女優賞の3部門を制覇、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しています。
監督:ジェーン・カンビオン 出演者:ホリー・ハンター(エイダ・マクグラス)、ハーヴェイ・カイテル(ジョージ・ベインズ)、サム・ニール(アリスディア・スチュアート)、アンナ・パキン(フローラ・マクグラス)、ケリー・ウォーカー(モラグ)ほか
映画「ピアノ・レッスン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ピアノ・レッスン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ピアノ・レッスンの予告編 動画
映画「ピアノ・レッスン」解説
この解説記事には映画「ピアノ・レッスン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ピアノ・レッスンのネタバレあらすじ:起
1852年。失語症の女性エイダ(ホリー・ハンター)は娘のフローラ(アンナ・パキン)と宝物であるピアノを伴い、スコットランドから未開の地ニュージーランドに移り住みます。エイダの父がスチュアート(サム・ニール)との縁談を決めていたのです。エイダにとってピアノはなくてはならないものでした。ニュージーランドに上陸した日は天候が悪く、エイダとフローラはピアノを海岸に放置したままテントで寝泊まりします。翌朝、スチュワートが原住民を10人以上連れて現れ、エイダの荷物を運び出しますが、ピアノは海岸に置き去りのままでした。エイダはフローラを通して何度もピアノを運ぶよう頼みますが聞き届けられず、二人が結婚式を挙げた後も、ピアノは放置されたままでした。そんなある日、エイダは夫の仕事仲間で、原住民と共に暮らしているベインズ(ハーヴェイ・カイテル)という男に、ピアノのある海岸までの案内を頼みます。一度は断ったベインズでしたが、エイダの強情さに負けて彼女を海岸まで連れて行き、そこで哀愁を帯びた美しいメロディを奏でるエイダに心を奪われます。
ピアノ・レッスンのネタバレあらすじ:承
ベインズはスチュワートと交渉し、土地と引き換えにピアノを手に入れます。エイダは無断で勝手な取引をしたスチュワートに怒りますが、取引の内容にはエイダがベインズの家に出向いてピアノ・レッスンをすることまでが織り込まれていました。嫌々ベインズの家に行き、レッスンを開始するエイダでしたが、ベインズは最初からピアノをまともに弾く気はなく、ただエイダがピアノを弾くのを聴くだけでした。数日後、ベインズは更にエイダに取引を持ちかけます。それは鍵盤の数だけレッスンをしてほしいのと、1回のレッスンごとにひとつずつ鍵盤がエイダの元に戻すというものです。ピアノを取り戻したいエイダは取引を受け入れます。やがて、ベインズは鍵盤を数個あげると言って少しずつ服を脱ぐよう求め、スチュワートに頑なに心も体も開かなかったエイダも遂にベインズを受け入れ、二人は遂に結ばれます。その翌日、ベインズはエイダにピアノを返すと言い出します。エイダは家に運び込まれたピアノの鍵盤にベインズからのメッセージを見つけます。
ピアノ・レッスンのネタバレあらすじ:転
ベインズは家に来たエイダに愛を打ち明け、二人は激しく愛し合います。しかし、二人の情事は、エイダの行動を不審に思って後をつけてきたスチュワートにのぞき見されていました。スチュワートはエイダを家に軟禁状態に置き、一切の外出を禁じてしまいます。は夫に見つかり家に閉じ込められてしまいます。「そのうち僕を好きになるさ」と言って仕事に出かけたスチュワートを見送ると、エイダはベインズのメッセージが彫られたピアノの鍵盤を取り外し、「ベインズ。私の心はあなたのもの」と彫ってハンカチに包み、フローラにベインズに持っていくよう命じますが、フローラが向かった先はスチュワートのところでした。激怒したスチュワートはエイダを連れ出し、斧でエイダの人差し指を切り落としてしまいます。そしてフローダにエイダの指をベインズのところへ持っていき、エイダと会うなら何本でも指を落とすと伝えるよう命令します。
ピアノ・レッスンの結末
フローラはベインズの家まで走って行きました。激高したベインズはスチュワートを殺そうとしますが、フローラは母親の指が落とされると言って泣き叫びます。その夜、スチュワートはベインズの家を訪れ、エイダと共にこの地を出ていけと告げます。翌朝、スチュワートと離婚したエイダとフローラ、ベインズは海岸から旅立とうとしていました。エイダらはピアノも持っていこうとしますが、原住民のカヌーでは重いピアノは運べないと言われます。それでも無理やりピアノを積み込みカヌーは出航しますが、エイダはピアノを海に捨てる決心をします。ピアノが海に投げ込まれる際、エイダはピアノを結んでいたロープを足に絡ませ、ピアノごと海に沈んでいきますが、ロープをほどいて浮上し、船の男たちに助けられます。しかし思い直したエイダは、靴を脱いで浮上します。その後、ニュージーランドの北の町に辿り着いたエイダは指に義手を着け、新たなピアノでレッスンをしながら、ベインズやフローラと幸せな日々を過ごしています。エイダは今でも、時おり海に沈んだピアノの夢を見るのでした。
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