クワイエットルームにようこその紹介:2007年日本映画。フリーライターの佐倉明日香は目覚めると、見知らぬ白い病院の1室にいました。彼女はクワイエットルームと呼ばれる精神病院の病棟に入れられていたのです。個性的な患者達と接するうちに明日香は人生を見つめ直すようになっていきます。睡眠薬を大量に含み、精神病院に運ばれた女性が復帰するまでの様子を描いた作品で、主演は内田有紀さん、監督・脚本は松尾スズキさんが担当しています。
監督:松尾スズキ 出演:内田有紀(佐倉明日香)、宮藤官九郎(鉄雄)、蒼井優(ミキ)、りょう(江口)、中村優子(栗田)、高橋真唯(サエ)、妻夫木聡(コモノ)、大竹しのぶ(西野)、ほか
映画「クワイエットルームにようこそ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クワイエットルームにようこそ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クワイエットルームにようこその予告編 動画
映画「クワイエットルームにようこそ」解説
この解説記事には映画「クワイエットルームにようこそ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クワイエットルームにようこそのネタバレあらすじ:起
ある日フリーライターの佐倉明日香が目覚めると、そこは見知らぬ白い病棟の1室でした。手足が縛られ動けない状況の中、看護師の江口から2日前に睡眠薬を大量に飲み、病院に運ばれてここに強制入院となったと説明を受けます。そんな中、恋人の鉄雄が面会に来ます。胃を洗浄した後、大量の薬が出てきており、自殺は繰り返すといわれたと明日香に話しました。部屋を出た明日香は他の患者達を見て困惑します。患者の栗田が明日香にブラシを貸しますが、明日香はブラシが取れなくなってしまいます。見かねた同じ患者のミキが明日香の髪をとかし、クワイエットルームにようこそと声をかけます。他人に迷惑をかけ、命を粗末にする人を閉じ込める部屋をクワイエットルームと呼んでいるようでした。明日香は買い物がしたいと江口に申し出ますが、規則から江口は明日香を黙らせます。
クワイエットルームにようこそのネタバレあらすじ:承
新たな患者がクワイエットルームに入り、入れ替わりで明日香は部屋を出ることになります。新たな部屋はブラシを貸した栗田と同室でした。鉄雄が差し入れた漫画とタバコを交換してほしいと西野が声をかけてきます。そして西野は入院したきっかけを明日香に尋ねました。5年前、明日香は真面目な夫と出会い、結婚します。しかし面白いことが大好きな明日香はその生活が次第につまらなく感じるようになり、ついには離婚してしまいます。その後風俗に勤めるようになった明日香は鉄雄と出会い、同棲を始めました。そしてライターとして仕事を始めますが、風俗の仕事を知った両親からは勘当を受けてしまいました。やがて元夫が自殺し、遺書が届きます。これを機に明日香はアルコールに溺れ、不眠症となり、鉄雄との関係もギクシャクしていきます。後日父親の死の知らせを聞き、仏壇を送りますが、返されてしまいました。仏壇の置き場所に困った明日香は鉄雄の部屋にしまいます。鉄雄の舎弟であるコモノを呼び出してドラッグハイとなり、大騒ぎをしていたところを鉄雄に見つかり、大ゲンカとなり、意識を失います。そして気づくとクワイエットルームにいたのでした。
クワイエットルームにようこそのネタバレあらすじ:転
同室の栗田が退院することになりました。栗田はサエという患者のいる部屋に連れて行かれ、そこにはミキもいました。栗田とミキはパズルを手伝っており、完成したらサエは食事を完食する予定でした。自分のできなかったことを明日香にやってほしいと栗田は頼み、退院していきます。そして鉄雄の代わりにコモノが面会に来ます。鉄雄は番組の作家をしており、現在ミャンマーに飛ばされたとコモノは話します。明日香のコラムをコモノが書いたと知り、それを確認した明日香は持病の蕁麻疹を発症します。これを見た江口が閉鎖病棟へ送ろうとしますが、明日香は持病が出たのであって、精神的に騒いだわけではないと主張し、蕁麻疹の写真をコモノに撮らせ、病棟内での撮影不可のルールは聞いていないとも主張します。江口を黙らせた明日香は一躍人気者となります。その日サエのパズルが完成し、初めて食事を完食しますが、明日香はミキの秘密を知ってしまいます。ミキは自分が1食食べることによって誰かの1食を奪うことに気づき、拒食になってしまったと話したからです。ショックを受けた明日香が部屋に戻ると西野が部屋を荒らしていました。
クワイエットルームにようこその結末
西野はタバコとテレカ代を返さないからだといい、鉄雄からの手紙を見つけ読み上げます。その時明日香の記憶が甦ります。薬を飲んでフラフラしていた明日香は仕事に行き詰まり、元夫との間にできた子供を堕胎したことを思い出します。情緒不安定な明日香に鉄雄は別れを切り出します。そして胃洗浄の時に死なせてほしいとつぶやいたのでした。西野と言い争いになり、止めに入ったミキを殴ってしまった明日香は再びクワイエットルームに送られます。西野は他の患者の私物を盗んでいたことが判明し、医療刑務所へ送られることになりました。ミキの強い希望でクワイエットルームから出られた明日香は医師から退院許可が出ます。面会に来た鉄雄から本音を聞き、別れる代わりに退院申請を出してもらうようお願いします。明日香の14日間の入院生活が終了し、ミキのメッセージ通り、退院祝いの色紙を捨てました。明日香と入れ替わりで再び栗田が病院に運ばれてきたのでした。
松尾スズキ監督作品らしい怪しさ満載の映画です。精神病院の閉鎖病棟という設定からして松尾さんらしい。見ものは演技派女優の蒼井優。摂食障害の役であるため、7キロも減量したというだけあって、美しい中にもどこか凄みが感じられます。りょうが演じる婦長の役も素晴らしく、おそらくは「時計じかけのオレンジ」とか「カッコーの巣の上で」のオマージュなのだろうと思う。