キカイダー REBOOTの紹介:2014年日本映画。石ノ森章太郎原作の特撮ドラマ『人造人間キカイダー』(1972年~1973年放映)を新たな解釈で再構築(リブート)した作品です。人間の“良心”を植え付けられた人造人間キカイダーと、人造人間の技術を軍事利用しようとする勢力、そして宿敵ハカイダーとの闘いを描きます。『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』の入江甚儀を主演に迎え、初代キカイダーを演じた伴大介も特別出演しています。
監督:下山天 出演者:入江甚儀(ジロー/キカイダー(声))、佐津川愛美(光明寺ミツコ)、高橋メアリージュン(マリ)、長嶋一茂(光明寺信彦)、鶴見辰吾(ギルバート神崎/ハカイダー(声))、石橋蓮司(田部慎之介)、本田博太郎(本田宗五郎)、原田龍二(服部半平)、伴大介(前野究治郎)ほか
映画「キカイダー REBOOT」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キカイダー REBOOT」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
キカイダー REBOOTの予告編 動画
映画「キカイダー REBOOT」解説
この解説記事には映画「キカイダー REBOOT」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キカイダー REBOOTのネタバレあらすじ:起
田部慎之介総理大臣(石橋蓮司)が提唱し、椿谷国防大臣(中村育二)が指揮を執る、ロボット産業を介護・医療・災害救助などの平和利用に活用するための「ARKプロジェクト」。ARK研究所では、ロボット工学の権威である主任研究員・光明寺信彦(長嶋一茂)が開発した人造人間・ジロー(入江甚儀)と、光明寺の補佐としてアメリカから招聘された科学者・ギルバート神埼(鶴見辰吾)が開発したアンドロイド・マリ(高橋メアリージュン)による模擬対決が行われていました。光明寺により人間の心を再現する「良心回路」を植え付けられたジローは、良心回路を持たないマリの前に苦戦を強いられ、実験の様子を見た光明寺はプロジェクトの主目的が平和利用ではなく軍事利用であることを悟りました。憤った光明寺は「ならば私にも考えがある」と言い残して研究から降り、マリの性能を自画自賛する神埼はジローを「不完全な機械」と蔑みました。その後、光明寺は謎の事故死を遂げました。
キカイダー REBOOTのネタバレあらすじ:承
1年後。春からのアメリカ留学が決まっていた、光明寺の娘で大学生のミツコ(佐津川愛美)は、ネットジャーナリストでルポライターの服部半平(原田龍二)から光明寺の死の真相について聞かれましたが、ミツコは何も知らないと答えるのみでした。
自宅に帰ったミツコと弟・マサル(池田優斗)の前に突如ARK研究所が差し向けた特殊部隊員が現れ、二人を拉致していきました。その時、どこからともなくギターを背負ったジローが現れ、人間の姿に擬態するためのナノ液晶ディスプレイを解除すると本来の姿である“キカイダー”となり、瞬く間に特殊部隊からミツコとマサルを助け出しました。特殊部隊は重機型の大型ロボ“グレイサイキング”を投入、身を挺して姉弟を守るキカイダーは逃げるよう促しますが、仕事一筋で家庭を顧みなかった父を憎んでいるミツコはそれを拒否、居合わせた服部が姉弟を匿いました。キカイダーはグレイサイキングを倒した後に姿を消し、服部はグレイサイキングの残骸を回収しました。
翌日、服部は秋葉原で機械屋を経営する本田宗五郎(本田博太郎)にグレイサイキングの残骸を解析してもらったところ、本田は非常に危険な代物であることに気付きました。その頃、椿谷は神崎をARKプロジェクトの主任に昇格させるとともに、光明寺の研究成果が収められた“光明寺ファイル”を回収するようスタッフに命じました。
一方、服部の家に匿われていたミツコとマサルは、一歩も外に出てはならないという服部の言いつけを破って外出、光明寺の恩師である心理学者・前野究治郎(伴大介)を頼ろうとスマホでメールを送りましたが、その電波から居場所が探知されてしまい、再びARKの手の者に襲われました。そこへ再びジローが駆け付けて姉弟を救い、自分は光明寺の命により姉弟を守る任務を託されていることを告げました。ミツコは相変わらず父の造ったジローを毛嫌いしていましたが、マサルの方は次第にジローに懐いていきました。
キカイダー REBOOTのネタバレあらすじ:転
追っ手から逃れながら前野のもとへ向かうジローたちは途中の廃工場で夜を明かすことにしました。ミツコもジローが元来内向的だったマサルに笑顔をもたらしてくれたことに感謝の意を伝えると、ジローは“光明寺ファイル”がマサルの体内に埋め込まれていることを告げました。しかし、ミツコが寝ている間にマサルはマリ率いる特殊部隊に連れ去られようとしており、ジローはキカイダーの姿になってマリと対峙しますが、相手の表情を読み取る事で行動が制限されてしまうという良心回路の弱点を知り尽くしていたマリはキカイダーを圧倒、とどめを刺そうとしたその時、ミツコはマサルと共に投降すると申し出ました。ARK研究所に連行されたマサルは体内から“光明寺ファイル”の記憶媒体を摘出され、椿谷はARKプロジェクトを本来の軍事目的である「D・ARKプロジェクト」へと移行させると宣言しました。しかしその横で、神崎は“光明寺ファイル”の存在により自らの研究結果が否定されることに強い憤りを感じていました。
その頃、満身創痍のジローは前野に助けられていました。前野は「感情こそが全ての行動の源である」という持論を持っており、愛弟子の光明寺が具現化した物こそが“良心回路”であり、それを有するジローこそが自分たちの研究成果の結晶だと告げました。良心回路の弱点を突かれ、自分は不完全な機械だと落ち込むジローに、前野は「人間も不完全な生き物だ」と語りました。その後、ジローは秋葉原の本田の店で修理を受けて復活、服部からミツコとマサルがARK研究所から解放されたと告げられました。
キカイダー REBOOTの結末
椿谷と袂を分かち、独自路線を進むことを決意した神崎は、自らの脳髄を新たに開発した戦闘用アンドロイド「ハカイダー」に移植し、自らを否定するものは全て破壊すると宣言しました。ハカイダーはキカイダーを襲撃、キカイダーはその圧倒的なパワーに苦戦しますが、ARK研究員がハカイダーを回収に現れたため、ハカイダーは再戦を誓ってその場を去りました。
日常生活に戻ったミツコがアメリカ留学へ旅立とうとしていた矢先、ジローは本田の店でハカイダーがARK関連施設を破壊しているというニュースを聞き付けました。本田はジローに、良心回路のスイッチを切ればキカイダーは本来の戦闘力を発揮できるものの、引き換えに自分自身を見失うことを告げました。しかし、既に覚悟を決めていたジローは「みんなの心を守りたい」と告げ、ハカイダーのもとへと向かっていきました。
ジローはキカイダーの姿となってハカイダーと対峙、「お前はもう人間じゃない。僕と同じ機械だ!」と告げると、人間を守るのが機械の使命だとしてハカイダーと激闘を繰り広げました。一方、事の次第を知った服部とマサル、そして空港に向かいかけたミツコがキカイダーのもとに向かうと、キカイダーはハカイダーの猛攻の前に苦戦を強いられていました。もう自分のために戦う必要はないと訴えるミツコにキカイダーはみんなの心を守るために戦っていると告げ、自ら良心回路のスイッチを切ると本来の戦闘能力を発揮、光明寺を殺害したことを明かしたハカイダーに対して決死の必殺技を放ち、死闘にピリオドを打ちました。キカイダーは駆け付けたミツコたちの前で機能を停止してしまい、ミツコはいつか自らの手でジローを直すことを誓いました。
その頃、椿谷はマリから神崎の脳を回収したとの報告を受けていました。D・ARKプロジェクトは今まさに始まろうとしていました。
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