白いリボンの紹介:2009年ドイツ,オーストリア,フランス,イタリア映画。第一次世界大戦を直前にした北ドイツの村を舞台に巻き起こる事件や事故の数々、犯人が分からず猜疑心にまみれた村人達が不穏な空気に包まれていきます。ミヒャエル・ハネケ監督の初のモノクロ作品で本作でカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。
監督:ミヒャエル・ハネケ 出演:クリステイアン・フリーデル(教師)、レオニー・ベネシュ(エヴァ)、ウルリッヒ・トゥクール(男爵)、ブルクハルト・クラウスナー(牧師)、ライナー・ボック(医者)、スザンヌ・ロタール(助産婦)、ほか
映画「白いリボン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「白いリボン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
白いリボンの予告編 動画
映画「白いリボン」解説
この解説記事には映画「白いリボン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
白いリボンのネタバレあらすじ:起
西ドイツの小さな村に一人の男性教師(クリステイアン・フリーデル)が赴任してきました。1913年のことです。村の医者が落馬事故を起こしてしまいそれが何者かが針金の罠を仕掛けていたことが判明します。医者は重症だったため入院している間母を亡くしている姉弟のアンナとルディは隣人で医者とパートナーのような関係である助産婦(スザンヌ・ロタール)が面倒見る事になりました。
牧師を父にもつ娘クララと弟マルティンもアンナ達の様子を見に行った事もあり帰宅が遅くなってしまいます。厳しい父は二人をキツく叱りむち打ちの罰を与え、純粋である事を忘れないようにする白いリボンを二人に巻き付けるのでした。
仕掛けられた針金の件は針金がなくなることで手がかりが無くなってしまいます。その間に今度は小作人フェルダーの妻が作業中の不幸な事故で亡くなってしまいます。フェルダーは村の大地主である男爵ゲオルグ(ウルリッヒ・トゥクール)の不手際ではないかと疑いを持つが責めても仕方ないと飲み込んでしまいます。そんな父の姿が息子達には不満にうつりました。落馬事故と作業中の事故とトラブルが続いたものの村の生活は落ち着きを取り戻していきます。
白いリボンのネタバレあらすじ:承
秋の収穫祭の日、男爵家では二つの事件が起こっていました。キャベツ畑がめちゃめちゃに荒らされていたこと、犯人はフェルダーの息子です。フェルダーは息子をキツく叱りますが息子は自分のしたことに後悔はありませんでした。そしてゲオルグの長男のジギが何者かに連れ去られ、杖でぶたれて吊るされていたのです。犯人が身近な者の仕業だと疑ったゲオルグのせいで村人達の恐怖感と不信感がどんどん増していきます。
教師が密かに好意を寄せていたゲオルグ家の乳母であるエヴァ(レオニー・ベネシュ)もクビを言い渡され村を去っていきます。エヴァのために直談判しようとした教師でしたがゲオルグ夫人は子供たちを連れて出ていってしまったのでそれは叶いませんでした。そして入れ替わるように退院した医者が村に戻って来ました。
白いリボンのネタバレあらすじ:転
奇妙な出来事は11月を過ぎても一向にやまず、犯人は未だに分からないまま男爵婦人や子供達も未だに帰ってきません。教師の元にエヴァから手紙がきます。新しい仕事を見つけ働き始めたという知らせでした。教師はエヴァの実家に向かいエヴァにプロポーズします。両親は難色を示しますが来年エヴァの気持ちがそのままなら結婚していいと言われます。教師もエヴァもそれを受け入れました。
男爵の領地で火事が起こります。マルティンは寝室で騒ぎ、小作人の子供達は黙ってその様子を窓から見ていました。翌朝最愛の妻を亡くした小作人が8人の子供達を残し首を吊り命を絶ってしまったのです。
診療室では医者が助産婦に暴言を浴びせ一方的に別れを告げようとしています。突然の仕打ちにショックを受ける助産婦、医者が娘のアンナに手を出していることも気づいていましたがずっと黙っていたのです。そんな助産婦に医者は冷酷にも別れを告げました。年が明け1914年牧師の家では賢信礼を控えたクララとマルティンの白いリボンが外されました。そして春になり男爵婦人と子供達が新しい乳母を連れて帰ってきます。
白いリボンの結末
学校では授業中にクララが騒いでいたと牧師に白いリボンを外すべきではなかったと叱られたことでショックで失神してしまいます。数日後クララは熱のため学校を休んでしまいました。牧師は帰宅すると机の上に飼っていた小鳥が串刺しにされているのを発見します。犯人はクララでした。
教師はゲオルグの娘エレナから見た夢の話を聞きました。それは助産婦が溺愛する障害のある息子カーリがひどい目に合う夢でした。その後にカーリが本当に姿を消してしまいます。そしてひどい怪我を負った状態で発見されます。いよいよまずいと事態を重く見たゲオルグが警察を呼び捜査が始まります。ゲオルグ家では悪意や嫉妬等が蔓延るこの村では生きていけないと夫人が突然家を出ていくと話し出します。
言い争いを遮るように家令が知らせを持ってきました。オーストラリア大公が殺されたのです。戦争の噂はあっという間に伝わり、村の雰囲気は物々しい雰囲気になっていきます。教師はエヴァに会いに行くためにゲオルグ夫人から自転車を借ります。そこでカーリに怪我を負わせた犯人が分かった、しかし村人達は信用できないから直接警察に行くと助産婦が教師から強引に自転車を奪い去っていきました。
気になった教師が調べてみようとカーリに話を聞きに向かいますが彼の側にはクララとマルティンがいたのです。一連の事件の犯人は二人だと直感し二人を問いただそうとした教師でしたが二人は本当の事を話しません。彼らの父親である牧師に事情を話しても牧師は真相を隠そうとし、それどころか口外すると刑務所行きにすると脅したのです。仕方なく教師は引き下がることになります。結局真相は明るみになることはなく戦争が始まってしまいます。
警察に向かった助産婦の行方も分からずじまい、医者も休業の張り紙が貼ったままになっています。教師はエヴァと結婚した後徴兵され村を離れますが戦争が終わった後も村には戻ることはありませんでした。全ての謎は闇の中に葬られてしまったのです。
以上、映画「白いリボン」のあらすじと結末でした。
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