ボディ・バッグスの紹介:1993年アメリカ映画。遺体安置所に運ばれて来る「ボディ・バッグス(遺体袋)」の物語を紹介するホラー・オムニバス。深夜の給油所で殺人鬼に狙われた女性の恐怖を描く「ザ・ガス・ステーション」。薄毛に悩む男性の悲劇を描く「ヘアー」。移植した右目の幻覚に苦しみ、やがて陰惨な最後を迎える「アイ」の三部作となっている。監督を務めるのは奇才ジョン・カーペンターとトビー・フーパー。サム・ライミやロジャー・コーマンなど、ホラー映画ファン必見の豪華キャストが揃っている。
監督:ジョン・カーペンター(「ザ・ガス・ステーション」、「ヘアー」)、トビー・フーパー(「アイ」) 出演者:ジョン・カーペンター(検視官)、ロバート・キャラダイン(「ザ・ガス・ステーション」ビル)、アレックス・ダッチャー(「ザ・ガス・ステーション」アン)、ステイシー・キーチ(「ヘアー」リチャード)、マーク・ハミル(「アイ」ブレント)ほか
映画「ボディ・バッグス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ボディ・バッグス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ボディ・バッグス」解説
この解説記事には映画「ボディ・バッグス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ボディ・バッグスのネタバレあらすじ:プロローグ
舞台はアメリカ、とある病院の地下にある遺体安置所。日々送られて来る遺体に囲まれ、顔色の悪い検視官が防腐剤を飲み干していました。グチャグチャになった変死体を探している彼は、「あるじゃないか 遺体袋(ボディ・バッグス)だ」と目を輝かせます。遺体袋には自然死を迎えられなかった遺体が入っていました。検視官は喜々として、遺体袋に入れられた人間達の悲惨な死を語り始めます。
ボディ・バッグスのネタバレあらすじ:ザ・ガス・ステーション
大学生のアンは、アルバイトのため深夜の給油所へやって来ました。従業員窓口にいた先輩のビルに声をかけ、簡単な説明を受けます。ビルはアンと交替の予定でしたが、少し迷っていました。最近凄惨な殺人事件が続いており、犯人はまだ捕まっていないのです。ビルは何かあったらと連絡先をメモしてアンに渡し、車に乗って帰っていきました。
はじめこそ従業員窓口で大人しくしていたアンですが、次々やって来る気味の悪い客に恐怖を感じ始めます。その上クレジットカードを忘れた客を追いかけようとして窓口の外に出てしまいました。窓口へ行くにはオートロックのドアを通らなければなりませんが、慌てていて鍵を忘れて出てしまったのです。締め出されたアンは、苛立ちと恐怖を感じながらも合鍵を見つけ、客の応対をしました。そして窓口に戻ろうとすると、何故かカーリフトが勝手に動いています。
アンが不思議に思いながら車を覗き込むと、客の1人が首を切られて殺されていました。アンは絶叫して窓口に戻り、ビルに電話をかけます。しかし電話の呼び出し音は事務所から聞こえて来ました。事務所に潜んでいたビルはふざけた口調で電話を切り、窓口に向かって来ます。
その手には刃物とハンマーが握られていました。世間を騒がせる連続殺人犯の正体は、ビルだったのです。アンは半狂乱になりながらも侵入して来たビルを殴り倒し、急いでカーリフトに乗ったままの車に逃げ込みました。しかしビルも追って来ます。アンが悲鳴を上げる中駆けつけたのは、クレジットカードを忘れた客でした。もみ合う内にビルは車の下に倒れます。それを見たアンは急いで車を降下させ、ビルを潰して殺害しました。
ボディ・バッグスのネタバレあらすじ:ヘアー
リチャードは薄くなっていく頭髪に悩んでいました。恋人メーガンから髪が薄くても素敵だと励まされるも、悩み過ぎて卑屈になった心には届きません。買い漁った育毛剤を試してみたり、禿げた部分を黒く塗ってみたりと悪あがきを繰り返しました。リチャードは薄毛を気にするあまり、食欲もなく眠れぬ夜が続いています。
そんなある日、リチャードはローズウェル育毛研究所のCMを見かけました。藁にもすがる思いで研究所を訪ね、責任者のロック博士から治療について説明を受けます。治療自体は簡単で、ある液体を頭皮に浸透させ毛根を生き返らせるというものでした。詳しくは企業秘密だそうです。リスクはあっても髪が手に入るならとリチャードは治療を受けることにしました。
翌朝、鏡の前に立ったリチャードは、フサフサの髪を見て狂喜しました。長く立派な髪にメーガンも驚き、惚れ直します。ところが翌朝から早くも異変が起こりました。リチャードは起きてすぐ、喉がチクチクして痛いと顔を顰めます。髪は昨日より15センチも長くなっていました。育っていく髪に御満悦のリチャードですが、どうにも体の調子が優れません。試しに鏡で口の中を覗いてみると、喉の奥に太い髪の毛のようなものが生えていました。
更にその翌日、鏡を見たリチャードは絶句します。髪は更に伸び、顔中から毛が生えていました。口の中から出ている毛を切ってみると、それは生き物のように声を上げリチャードの指に噛み付きます。怒り狂ったリチャードがローズウェル育毛研究所へ乗り込むと、ロック博士は大成功だと笑みを浮かべました。
人間は虚栄心が強いので簡単に騙せると話すロック博士。彼は別の惑星から来た微小な生命体で、地球で繁殖するには人間の脳を食らうのが一番なのだそうです。育毛に釣られてやって来た人間を餌にして、彼らはどんどん繁殖していました。脳を食われたリチャードは、真実を告げられても無言で虚空を見つめています。
ボディ・バッグスのネタバレあらすじ:アイ
マイナーリーグでプレイするブレントは才能ある選手で、メジャーリーグから声がかかるのではと噂されていました。ところが雷雨の帰り道で不注意による事故を起こしてしまい、右目を失ってしまいます。野球選手として再起することは絶望的。打ちひしがれるブレントの病室に、10年間眼球移植の研究をしているというラング医師がやって来ます。初の試みではあるものの、遺体から摘出した眼球を移植する気は無いかと聞かれ、ブレントは賭けに出ることにしました。
移植手術は成功し、取り戻した視力にブレントと妻キャシーは大喜びします。しかしその後ブレントは頻りに頭痛を感じるようになりました。苛々することも増えていましたが、ラングは心配無いと言います。退院して自宅に戻ったブレントはキャシーから妊娠を告げられ、喜びと不安を抱きました。
その夜、ブラインドを下ろそうとしたブレントは庭を見て驚愕します。土中から恐ろしい形相の女が現れ、ブレントを恨めしそうに睨みつけたのです。ブレントは翌朝、庭に出てみましたが、変わった様子はありません。しかしその後も生ゴミ処理機から血まみれの腕が突き出してきたり、見知らぬ女から煙草の火を押し当てられたりする幻覚を見ます。その上別人のように攻撃的になって、キャシーに噛み付いて怪我をさせてしまいました。
キャシーに懇願され、ブレントは苛立ちながら病院へ向かいラングに掴みかかります。眼球について聞くと、ラングは毒ガスで処刑された男のものだと答えました。名前はジョン・ランドール。7人の女性を殺害した殺人鬼です。彼は遺体の一部を台所の生ゴミ処理機にかけ、残された部分は土中に埋めていました。被害者は全員植木鋏で刺され、死後乱暴されていたそうです。
ランドールは幼少時にアルコール中毒の母親から虐待を受けていました。犠牲者及び彼の母親は、全員金髪だったそうです。ブレントのそばにも金髪の女性がいました。キャシーです。ブレントは帰宅したキャシーに襲いかかり、ランドールがやったように彼女を殺そうとしました。キャシーは必死に聖書を読んでと叫びます。ブレントが聖書を開くと、「キャシーより ブレントと赤ちゃんへ」と書いてありました。それを見たブレントはランドールの右目を通して見た光景と、ブレント自身の記憶が交錯し苦しみ出します。ブレントが出した答えは、持っていた植木鋏で自分の右目を貫くという結末でした。室内に悲痛なキャシーの絶叫が響きます。
ボディ・バッグスの結末:エピローグ
ブレントの遺体袋を笑いながら覗き込んでいた検視官は、聞こえて来た足音に「戻らなきゃ」と言いました。彼は急いで空の遺体袋に入り、「おやすみ」と横たわります。どうやら彼も安置所に送られて来た遺体のひとつだったようです。やって来た本物の検視官による検視が始まり、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ボディ・バッグスのあらすじと結末でした。
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