名前のない女たちの紹介:2010年日本映画。22歳の純子は内向的で冴えないOL。たまたま出てきた渋谷でセクシー女優にスカウトされ“桜沢ルル”としてデビューすることになる。コスプレ路線があたり人気女優となるが、ストーカーにより会社にもバレ、更に彼女自身にもその手が伸びようとしていた・・。セクシー女優の浮き沈みや母親との確執を経て純子が向かう先とは。原案はフリーライター中村淳彦によるノンフィクション書籍。
監督:佐藤寿保 出演:安井紀絵(小倉純子/桜沢ルル)、佐久間麻由(栗原綾乃)、新井浩文(裕也)、渡辺真紀子(小倉恵子)、鳥肌実(井川)、河合龍之介(隆)、草野イニ(三宅)、木口亜矢(青木リエ)、鎌田奈津美(春奈)、ほか
映画「名前のない女たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「名前のない女たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
名前のない女たちの予告編 動画
映画「名前のない女たち」解説
この解説記事には映画「名前のない女たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
名前のない女たちのネタバレあらすじ:起
小さな建設会社で事務をする22歳の純子はたまたま出て来ていた渋谷でセクシー女優のスカウトをされます。「変わりたいと思わない?自分でない誰かになれたら面白いと思わない?」と言われ、桜沢ルルという名前でビデオに出演することになります。
内気な性格からオタクキャラとしてコスプレをして撮影に臨みますが、男優から逃げてしまいます。事務所の先輩である綾乃から「仕事だろ。腹決めてやんな」と活を入れられ、キャラになりきって演じ切り、監督からも褒められます。
そんな純子の毎日は、家では母の恵子の言いなりで会社でも後輩に都合よく使われている抑圧されたものでした。しかし、ビデオに出演する為に立ち寄ったコスプレ店で魔法少女の一式買い揃えた純子は「AV女優桜沢ルルになーれ」と唱え、街を生き生きと歩きます。それ以来いろいろなコスプレをして企画女優としてビデオに出演します。
名前のない女たちのネタバレあらすじ:承
純子は出演作を見た熱心なファンの三宅からファンレターを貰い喜びます。また、撮影現場で先輩の綾乃が元レディースの総長だったということを聞き怯える純子でしたが、現場でフォローしたことがきっかけで距離が縮まります。その綾乃は彼氏の裕也と同棲していますが、裕也はだらしない性格で浮気癖がある上に綾乃にお金を無心します。
ルル(純子)の人気もあがり、主演の話も入るようになります。専属になればギャラも上がるとはしゃぐ純子でしたが、綾乃に「ルルは作り出した偽物で、代わりなんていくらでもいる」と言われます。純子は「強くなりたい」と綾乃に食ってかかり、綾乃から強いパンチを教えて貰います。
しかし、ルル(純子)の楽屋に「会社なんて早く辞めてAVに専念して」というメッセージつきの花束が届き、主演の話も競合相手の亜美が男にナイフで顔を刺されたために回ってきたことが判明します。
名前のない女たちのネタバレあらすじ:転
ルル(純子)にメッセージを送り亜美を襲った犯人は三宅であり、もはやファンの枠を超えてトーカーとなっていました。純子の会社にまで現れた三宅は、純子がセクシー女優ルルであることを同僚にばらしてしまいます。
会社を飛び出し、家に帰りついた純子は、母の恵子が男を連れ込んでいる場面を目撃します。それを見て、小さい頃に父親に買って貰ったお姫様のようなワンピースを母親に引き裂かれてから積み重なった母親に対する思いが溢れ、純子はルルの姿をして母親の寝室に入り込みます。そのまま母の恵子と言い争いになった結果、純子は「さよなら」と家を出ていきます。
その頃、凌辱モノに出た後に女優のリエが自殺したと聞きます。綾乃からルルにもハード系の仕事が来ていると連絡が入りますが、純子は「仕事が入ればなんでもやる」と答えます。純子は綾乃の部屋を訪ね、綾乃の妊娠が発覚するも様々な話をし、更に仲良くなった二人はどこか南の島へ行こうと旅行に行く約束をします。
名前のない女たちの結末
そして、旅行当日。綾乃は裕也へ別れの手紙を残して部屋を出ますが、裕也が裏社会の女性に手を出して追われていることが分かると、旅行を取りやめ、裕也を助けに行きます。
一方の純子は凌辱モノの撮影に臨みますが、その男優の中にはストーカーである三宅が紛れ込んでいました。三宅は「奇跡のミッションを遂行する。ルルちゃんと一緒に天国への階段を昇る」と掲示板に書き込んでおり、撮影がはじまると他の男優たちをナイフで次々と襲っていきます。撮影スタッフも逃げ出し、純子と二人になった三宅は、本当のルルになって、と純子に迫ります。しかし、純子は「本当のルルって何?22年間親のいいなりで何もできなかった小倉純子は何?じゃあ本当のアンタは何?」と返し、襲いかかってきた三宅を綾乃に習ったパンチで沈め、こう言います。「私は小倉純子で桜沢ルルなの」と。
しばらく後、母の恵子はリビングでもうすぐ三宅の判決が下るという新聞を読んでいます。また、純子は海を眺めた後、振り返り、笑顔でガッツポーズをしてみせるのでした。
この映画の感想を投稿する