丑三つの村の紹介:1983年日本映画。岡山県で実際に起こった、村八分をきっかけとする村人30人殺しの『津山事件』を題材にした作品です。結核と診断されて徴兵を断られた青年が村人からバカにされ、ののしられ続けた結果、村人全員の殺害を起こしてしまうという問題作です。同じ題材を扱った『八つ墓村』がありますが、『丑三つの村』の内容のほうが事実に基づいています。
監督:田中登 出演者:古尾谷雅人(犬丸継男)、原泉(はん)、田中美佐子(やすよ)、五月みどり(赤城ミオコ)、石橋蓮司(赤木中次)、池波志乃(千坂えり子)、団巌(千坂多四郎)、大場久美子(竹中和子)、ビートきよし(赤木巌)、ほか
映画「丑三つの村」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「丑三つの村」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
丑三つの村の予告編 動画
映画「丑三つの村」解説
この解説記事には映画「丑三つの村」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
丑三つの村のネタバレあらすじ:起
戦前の昭和時代。赤木巌(ビートきよし)の出征を寒村の人々が祝って送り出します。巌の母親はそんな息子の姿を見て一人泣いていました。それを見つめる犬丸継男(古尾谷雅人)がいます。
岡山の寒村、祖母のはん(原泉)と二人で暮らす継男はこの村で一番の秀才で、先生になることを目指して家に居るときはいつも勉強しています。ある日、継男は家で勉強をしているときに咳き込みました。病院で診てもらうと、医者からは安静にして栄養をとれば3か月くらいで治ると言われます。
この村には夜になると夜這いをかける風習がありました。継男が散歩に出ると、夫が出征中のえり子(池波志乃)に勇造(夏木勲)が夜這いをかけていました。後日、継男もえり子から誘われます。ある日、継男が家に一人でいると、夫が出稼ぎ中のミオコ(五月みどり)がやって来て、家に来るよう誘いました。そして継男は夜這いをかけます。
この出来事のあと、継男は幼馴染のやすよ(田中美佐子)に対し、この村は誰とでもやってすぐ子供を作り、捨てている。血が濃ゆくなってこの村はダメだと話します。
丑三つの村のネタバレあらすじ:承
ある日、継男は徴兵検査で肺病(現在の結核)と診断されます。それは、名誉である出兵が不可能であることを意味していました。泣きくずれる継男は村に帰ります。しかし村人は継男を役立たずだとみなし無視して避けるようになります。結核の噂が早くも村に広がっているようです。
自宅では祖母のはんが継男の世話をしています。祖母だけは継男の味方でした。そして継男は、やすよからも家族の反対があるからと縁を切られました。ある日、継男は咳き込み、血を吐いてうずくまります。そこに和子(大場久美子)が来て介抱します。しかしその後、継男が結核だと知って態度が一変します。
女の体を覚えた継男は、ミオコの所へ行っては体を求めます。しつこい継男にミオコは「嫌い」と言って突き放しました。
今度はえり子の所に行きますが、旦那が帰って来ているからと断られ「もう来ないで」とまで言われます。次に和子の所に行きますが、間違って母親に夜這いをかけてしまい、逆にののしられました。その時、和子が入って来て結核がうつらないように口をふさぎます。これを見た継男は和子を襲いますが、大声を出されて逃げ出しました。
丑三つの村のネタバレあらすじ:転
その帰り、村の自警団たちが悪行を繰り返す史明(浅見小四郎)に暴行を加えていました。史明は翌朝、首つり状態で発見されます。継男は警官に「自殺じゃない」と訴えますが、そこにいた自警団により、丸め込まれました。自警団たちは継男に不敵な笑いを見せます。
自宅では祖母のはんが継男に、村での生き方を語っていました。その時、継男は今度は自分が殺されるかもしれないと話しました。継男は町に出て銃を買います。そして暇になると銃を撃っていました。
村では継男に対する風当たりが強くなってきました。仕事もしなければ出征も出来ない病気持ち、ごくつぶしとののしられ、村人たちとのけんかの日々が続きます。
一方、祖母のはんが咳き込んで寝込みました。継男ははんを殺そうと、薬だと言って劇薬を飲ませようとしたため、はんは慌てて家を飛び出しました。そして継男はやすよを襲って匿うよう言いますが、その時吐血します。吐血した血をみずから浴びたやすよを見た継男は謝り、帰っていきます。
祖母のはんが助けを求めて村人の家に駆け込んだことで、継男は警察の家宅捜索を受け、銃を没収されました。それでも継男は新たに銃や日本刀などを買い込んでいきます。
丑三つの村の結末
継男が野原に座っているとやすよがやってきて、嫁入りすることを告げます。お互いに好意を持っていた二人は最後にと体を求め合います。
継男が村に帰ってくると、ミオコ夫婦が夜逃げしたことで、自警団から怪しまれ問い詰められました。全て継男が悪いという事で、自警団で相談して処遇を決める言われます。そしてついに継男は、村人を皆殺しにすることを決心します。
嫁入りしたやすよに手紙を送り、「10月20日僕は戦場へ行きます。村には近づかないように。鬼になります」と書き、別れを告げました。
そして、その日が来ました。
村の電気を止め、丑三つ時となりました。継男は軍服に着替えて銃と弾薬を準備し、頭に懐中電灯を二本巻き付けました。一人目は祖母のはんです。斧で殺害しました。そして村の家を順番に周り、猟銃と日本刀で大人も子供も皆殺しにしていきます。
その途中、手紙をもらって駆けつけたやすよに遭遇して制止されるも聞かず、継男は恨みのある村人の殺戮を続けました。
すべてが終わったあと、継男はやすよと会い、別れを告げます。
村を見渡す山の上で、継男は猟銃の銃口を口に咥えるのでした。
以上、映画「丑三つの村」のあらすじと結末でした。
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