アラン・ドロンのゾロの紹介:1974年イタリア,フランス映画。ジョンストン・マッカレーの小説『怪傑ゾロ』を原作に、本作が出演映画通算50作目となるアラン・ドロンを主役に迎えて製作したアクション作品です。スペインの統治下にあった頃のメキシコを舞台に、圧政に虐げられる民衆を救うために仮面の義賊“ゾロ”となった剣の達人の戦いを描きます。
監督:ドゥッチョ・テッサリ 出演者:アラン・ドロン(ディエゴ/ゾロ)、オッタヴィア・ピッコロ(オルテンシア)、スタンリー・ベイカー(ウェルタ大佐)、エンツォ・セルシコ(ホアキン)、ムスターシュ(ガルシア軍曹)、ジャコモ・ロッシ・スチュアート(フリッツ・フォン・メルケル大尉)、アドリアーナ・アスティ(前総督夫人カルメン)、ジャンピエロ・アルベルティーニ(フランシスコ修道士)、マリノ・マッセ(ミゲル総督)ほか
映画「アラン・ドロンのゾロ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アラン・ドロンのゾロ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アラン・ドロンのゾロの予告編 動画
映画「アラン・ドロンのゾロ」解説
この解説記事には映画「アラン・ドロンのゾロ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アラン・ドロンのゾロのネタバレあらすじ:起
スペインの統治下にあった時代のメキシコ。スペイン人の剣の達人ディエゴ(アラン・ドロン)は宿屋で旧友のミゲル(マリノ・マッセ)と再会し、夕食を共にしました。ミゲルはつい最近急逝した叔父に代わって明日からニュー・アラゴンという街の総督に任命されたことを明かし、民衆を自分の力で助けていきたいという熱い思いを語りました。
ディエゴは理想を熱く語るミゲルに苦言を呈しますが、その夜に宿屋に謎の刺客たちが現れ、ミゲルは襲撃されて致命傷を負ってしまいました。ディエゴは刺客たちを倒し、ミゲルを襲撃させたのはニュー・アラゴンを裏で牛耳るスペイン軍のウェルタ大佐(スタンリー・ベイカー)であることを知ります。
ディエゴは死の間際のミゲルに自分が新たな総督に就いて理想を実現させると約束しますが、同時に剣で人を殺してはならないとミゲルから固く約束させられました。
ディエゴは言葉を発することができないものの有能な青年ホアキン(エンツォ・セルシコ)を従者として従え、ミゲルに成り済まして上手くウェルタに接触することに成功しました。こうして新総督に就任したディエゴは、ウェルタの目を欺くために間抜けな言動を繰り返すなどして自分があたかも無能な人間であるかのように振る舞いました。
アラン・ドロンのゾロのネタバレあらすじ:承
ディエゴが総督に就任して早々、何者かがディエゴの食事に毒を盛るという事件が発生しました。ディエゴはこのことから、ミゲルの叔父の死因はウェルタによる毒殺だと確信しました。そしてディエゴはウェルタが剣の稽古をしている様子を見、ウェルタがかなりの腕と強さを誇っていることを目の当たりにしました。
ある日、ディエゴは一般人に変装してホアキンと共に民衆の暮らしを視察しに行き、そこでスペイン軍人に虐げられている貧しき民衆たちを目の当たりにしました。そんな時、ディエゴは地元の少年からこの地域には“ゾロ”という強く勇敢な黒いキツネの精霊にまつわる言い伝えがあることを聞きました。ディエゴはゾロが弱き動物たちを助けたという伝承をヒントに、自ら黒の仮面とマスクを身にまとう義賊“ゾロ”と名乗って人々を圧政から解放することを思いつきました。
ゾロに変身したディエゴは、ウェルタの横暴を批判したとして鞭打ちの刑に処さられていた修道士フランシスコ(ジャンピエロ・アルベルティーニ)を助け、スペイン兵士を次々と倒したうえに相手の背中にゾロの頭文字“Z”を刻み付けて去って行きました。
こうしてディエゴは普段は無能な総督を演じつつ、裏ではゾロとして民衆を苦しめるスペイン軍を懲らしめていきました。
アラン・ドロンのゾロのネタバレあらすじ:転
やがてディエゴはミゲルの従姉妹で聡明な女性のオルテンシア(オッタヴィア・ピッコロ)と知り合い、貴族の家系ながらウェルタの圧政に反対し民衆に寄り添う彼女に興味を抱くようになりました。オルテンシアものゾロの正体を知らぬままその勇姿に惹かれていきました。
しかし、ウェルタはそんなオルテンシアに、ウェルタに反対したことにより損なわれた彼女の家の名誉の回復を条件に結婚を迫ってきました。拒絶するオルテンシアに執拗に迫るウェルタでしたが、その場にゾロが現れてオルテンシアを助け、ウェルタに対して二度と彼女に手出しするなと要求しました。ウェルタは仕方なく要求をのんで一時撤退することにしました。
ある日、ミゲルの叔母にあたる前総督夫人のカルメン(アドリアーナ・アスティ)がスペイン本国に帰国することになり、愛人のフリッツ大尉(ジャコモ・ロッシ・スチュアート)を伴い、大量の宝石を持って出発しました。
ところが、その途中でカルメン一行は山賊に襲われ、宝石を馬車ごと奪われてしまいました。山賊の正体はウェルタの手下であり、ゾロは山賊を成敗すると宝石を奪取、貧しい民衆たちに分け与えました。
それから程なくして、無事にニュー・アラゴンに帰還したカルメンとフリッツのためにディエゴは地元の貴族たちを招待して祝宴を開き、ウェルタの目を欺くために自分があたかもゾロに命を狙われているかのように装いました。ウェルタはゾロを誘き出すためにオルテンシアを囮として利用しましたが、ディエゴはホアキンのアシストを受けてウェルタの裏を掻き、見事にオルテンシアを救出しました。
ゾロにまんまとしてやられたウェルタはディエゴが実はこの作戦を知っていたのではないかと疑いますが、ディエゴは今度は自分が囮になると言い出し、ホアキンにゾロの格好をさせてまたしてもウェルタを騙しました。
アラン・ドロンのゾロの結末
ゾロになすがままに翻弄され続けるウェルタは、フランシスコをゾロの協力者と見なして鉱山での強制労働に追いやりました。ゾロに変身したディエゴは馬車にディエゴを人質に取っていると嘘をつき、スペイン軍のガルシア軍曹(ムスターシュ)を脅して鉱山まで案内させ、フランシスコを含む強制労働を強いられていた民衆たちを解放しました。
しかし、ゾロはこの場に現れたオルテンシアからがウェルタの軍勢が鉱山に近づいていると知らされ、オルテンシアは馬車で撤退しようとするゾロに愛の告白をしました。しかし、ゾロはオルテンシアが民衆にとって必要な存在だとして申し出を断り、彼女を馬車から降ろすとウェルタの目の前で馬車ごと川に転落していきました。
ゾロとディエゴの死を確信したウェルタは遂にニュー・アラゴンの支配権を握り、オルテンシアとの結婚を強行しようとしました。そこにフランシスコをはじめ多くの民衆がウェルタに抗議の声を上げ、そして死んだはずのゾロが現れ、次々とスペイン兵士たちを倒していきました。ゾロの姿に勇気をもらった民衆も奮起してスペイン軍に抵抗しましたが、動乱の最中にフランシスコは命を落としてしまいます。
ゾロはミゲルと交わした不殺の誓いを破る決意を固め、ウェルタとの一騎討ちに臨みました。ウェルタの強さにさすがのゾロも苦戦を強いられますが、民衆の期待を背負ったゾロは次第にウェルタを追い詰めていきました。
そしてゾロはマスクを外して正体を露にし、驚くウェルタにとどめを刺しました。こうしてニュー・アラゴンを圧政から解放し、亡き友の仇を討ったディエゴは再びマスクをつけるといずこへと去って行きました。
以上、映画「アラン・ドロンのゾロ」のあらすじと結末でした。
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