マティアス&マキシムの紹介:2019年カナダ,フランス映画。友情なのか、恋なのか…。湧きおこる感情に戸惑う幼なじみの青年マティアスとマキシム。そのマキシムを演じ、この映画の監督、脚本からプロデューサーまでこなすのは、カナダの俳優であり映画監督のグザヴィエ・ドラン。ヴェネツィアやカンヌ国際映画祭での受賞歴もある若きカリスマが、地元ケベックを舞台に撮った純粋なラブストーリーだ。マティアスに少なからず影響を与える弁護士役で、ハリス・ディキンソン(『マレフィセント2』フィリップ王子役)が出演している。
監督・脚本・編集・衣装・プロデューサー:グザヴィエ・ドラン キャスト:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス(マティアス)、グザヴィエ・ドラン(マキシム)、ピア・リュック・ファンク(リヴェット)、サミュエル・ゴティエ(フランク)、アントワン・ピロン(ブラス)、アディブ・アルクハリデイ(シャリフ)、ハリス・ディキンソン(ケヴィン)、アンヌ・ドルヴァル(マノン)、ミシュリーヌ・バーナード(フランシーヌ)、キャサリン・ブルネット(リサ)、マリリン・カストンゲイ(サラ)ほか
映画「マティアス&マキシム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マティアス&マキシム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マティアス&マキシムの予告編 動画
映画「マティアス&マキシム」解説
この解説記事には映画「マティアス&マキシム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マティアス&マキシムのネタバレあらすじ:起
今夜はリヴェット(ピア・リュック・ファンク)の山荘で悪友たちが集まるパーティの日。マティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ドラン)が遅れて到着すると、生意気なリヴェットの妹エリカが、自主制作の映画に出てほしいと頼んできました。
もうすぐオーストラリアへ旅立つマキシムはOKしますが、マティアスは賭けに負けて渋々承諾します。しかしその内容は、ソファでディープキスをするというもの。エリカは自分たちの世代は抵抗ない、男同士でも女同士でも構わないと語ります。そして結局ふたりはカメラの前でキスすることに…。
マキシムと同室のマティアスは夜明け前に目覚めると、ひとりで湖へ向かいます。水に入り夢中で泳いでいるうちに迷ってしまったマティアス。やっとのことで岸に戻ってくると、仲間たちが心配して迎えにきていました。
マティアス&マキシムのネタバレあらすじ:承
顔に大きなアザのあるマキシム、人目が気になるときはパーカーのフードを深くかぶります。今日も顔を隠しつつ母マノン(アンヌ・ドルヴァル)の家にやってきました。酒やタバコに溺れ、自堕落な生活しかできない母の面倒を見ているのです。口うるさいマキシムを嫌って音信不通の弟を頼りにする母に愛想を尽かし、マキシムは母の世話を伯母に託してオーストラリアへ行こうとしています。
その母にリモコンを投げつけられ額にケガをしてしまったマキシムを、同じバーで働くリサ(キャサリン・ブルネット)が手当てしています。マキシムはリサを、日曜夜の仲間たちのパーティへ誘い、リサはそのあと店に戻ることを条件にOKするのでした。
マティアスは仕事では出世を控え、私生活では美しい婚約者サラ(マリリン・カストンゲイ)がいて順風満帆なはずなのに、なぜかその表情は冴えません。
その日はリヴェットの家にお呼ばれしていてサラとふたりで出かけますが、エリカが撮った例の短編映画が上映されてしまいマティアスは動揺します。帰りの車の中でマティアスは「あれはなんでもない」と、責められているわけでもないのに言い訳するのでした。
マティアスは、街でマキシムに似た男性を目で追ってしまったり、大人数で会食していてもひとりつまらなさそうに爪を噛んだりしています。
マティアス&マキシムのネタバレあらすじ:転
母の家で洗濯をしているマキシムに対して、その日の母は穏やかに接してきます。母の作ったパスタを食べながらぎこちなくも優しい時間を過ごしていると、突然母が「お金返して」と言い出します。あきれたマキシムは食事を止めて帰ろうとしますが、そんな彼に母は殴りかかり顔にツバを吐きかけます。子どもの頃のように部屋に逃げ込んだマキシムを母はあざ笑い、マキシムは悔しくて情けなくて泣きながら鏡を叩き割ります。
一方マティアスは、モントリオールからやってきた弁護士マカフィ(ハリス・ディキンソン)の接待を任されています。エキセントリックなマカフィに振り回されながらも、パーティに遅れやしないかとマティアスは気もそぞろです。それをマカフィに見抜かれ、大切な人の送別パーティなのかと聞かれたマティアスはそうでもないと答えてしまいます。
そのころマティアスの家では母フランシーヌ(ミシュリーヌ・バーナード)が料理をしながら、マティアス不在で寂しそうなマキシムの様子を気にしています。そこへようやくマティアスが帰ってきますが「疲れた」を連発し、マキシムへのスピーチもしどろもどろでうまくしゃべれません。挙げ句に二次会の夜の部に行かないと言い出し、婚約者のサラが怒って無理矢理会場まで送り届けるのでした。
夜のパーティは友人シャリフ(アディブ・アルクハリデイ)の家で開かれています。酒を飲み盛り上がってくると、リヴェットがいつものように言葉遊びのゲームを始めます。そんな中、マキシムのことを目で追っていたマティアスは、リヴェットとひそひそ話する姿を見てインチキだと声を荒げます。場はしらけ、キレたフランク(サミュエル・ゴティエ)がマティアスに掴みかかります。組み伏せられたマティアスはマキシムに向かって「アザ野郎!」と言ってしまいます。凍りつく友人たち。フランクはマティアスを小突き、蹴りを入れます。「帰れ」と言われ外にでるマティアス。一度は帰ろうとしますが立ち止まり、そして戻ってきました。リサと入れ違いに再び家に入り、フランクに謝ってふたりは和解します。しかし、マキシムはひとりソファでポツンとテレビを見ていてマティアスはうまく話しかけられません。そのうちマキシムはどこかへ行ってしまいます。
マティアスは家の中を探し回り、改装中のアトリエのような部屋でマキシムを見つけます。ドアの鍵をかけマキシムに近づくと、その手を握り、傷ついた拳に口づけします。そしてふたりはお互いを求めて深くキスをし、抱き合い、やがてふたりとも下半身に手を伸ばします。
マティアス&マキシムの結末
「待ってくれ」
マティアスが離れます。マキシムは、オーストラリアへ出発する日を遅らせるので週末をいっしょに過ごそう、話し合いたい、と言いますがマティアスは無言で出ていってしまいます。
道を歩くマティアスの携帯電話にマカフィから電話がかかってきます。ストリップバーに呼び出されたマティアスに酔っているマカフィは議論を吹っかけてきます。そんなマカフィにマティアスは唐突に名前をたずね、マカフィは「ケヴィン、ケヴだ」と答えます。指輪をはずして楽しむマカフィでしたが、気づくとマティアスの姿は消えていました。
マキシムはリサの働くバーでハメを外し、トイレで吐いています。鏡にうつった顔のアザを手で押さえ、手を離すと鏡の中のそれは消えていました。
マティアスは夜の街を走っています。
マキシムは母の家にやってきましたが、外から楽しそうにはしゃぐ母と弟の姿を見て泣きました。
出発の前日。マキシムはキャリーケースを借りにマティアスの家にやってきます。マキシムはフランシーヌに別れた夫、つまりマティアスの父の連絡先をたずねます。オーストラリアで仕事を探すために弁護士であるマティアスの父の推薦状が必要で、ずっとマティアスに頼んでいたのに中々届かないので直接連絡しようと考えたからです。
フランシーヌが席をはずしたとき、開きっぱなしの引き出しからマティアスが子どもの頃に描いた絵をそっと取り出すと、そこにはトラクターに乗って笑うふたりの少年の姿がありました。裏を見るとそこには『マティアスとマキシムの農場 マティアス7歳』と記されており、それを見たマキシムは涙ぐんでしまうのでした。
自分の部屋に戻ったマキシムは、フランクとリサに荷造りと片付けを手伝ってもらっています。楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、リサは名残惜しそうにしつつも去っていきます。すると、ひとりになったマキシムの携帯電話が鳴りました。それはマティアスの父の秘書からでした。推薦状は三週間前にマティアスにメールで送ったとのこと。なぜマティアスはそれを渡してくれないのか。マキシムは困惑しながらも、自分のメールアドレスに送り直してもらうよう頼むのでした。
空港へはフランクが送ってくれることになっています。部屋のドアを開けると、車の横にフランクが立っています。そして車から離れた道の真ん中には、マティアスが手を振って微笑んでいました。
以上、映画「マティアス&マキシム」のあらすじと結末でした。
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