マルホランド・ドライブの紹介:2001年アメリカ映画。第54回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した、巨匠デヴィッド・リンチの監督・脚本によるミステリー仕立ての作品です。物語はハリウッドに実在するマルホランド・ドライブ道路から始まり、ハリウッドへやってきた二人の女性が不可解な出来事に巻き込まれていく姿を通じてハリウッドの光と影を映し出していきます。
監督:デヴィッド・リンチ 出演者:ナオミ・ワッツ(ベティ・エルムス/ダイアン・セルウィン)、ローラ・エレナ・ハリング(リタ/カミーラ・ローズ)、アン・ミラー(ココ(ミセス・ルノワ)/ココ(アダムの母親))、ジャスティン・セロー(アダム・ケシャー)、マーク・ペルグリノ(ジョー)、ダン・ヘダヤ(ヴィンチェンゾ・カスティリアーニ)、アンジェロ・バダラメンティ(ルイージ・カスティリアーニ)、ロバート・フォスター(ハリー・マックナイト刑事)、ブレント・ブリスコー(ダンガード刑事)、モンティ・モンゴメリー(カウボーイ)、レベッカ・デル・リオ(レベッカ・デル・リオ)、ミシェル・ヒックス(ニッキー)、メリッサ・クライダー(ウィンキーズのウェイトレス)、リー・グラント(ルイーズ・ボナー)、メリッサ・ジョージ(カミーラ・ローズ)、チャド・エヴェレット(ウディ・カッツ)、パトリック・フィッシュラー(ダン)ほか
映画「マルホランド・ドライブ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マルホランド・ドライブ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マルホランド・ドライブの予告編 動画
映画「マルホランド・ドライブ」解説
この解説記事には映画「マルホランド・ドライブ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マルホランド・ドライブのネタバレあらすじ:起
ここはハリウッドを一望できる道路、マルホランド・ドライブ。ある夜、この道路を1台の車が走っていました。車の後部座席には何やらミステリアスな雰囲気を漂わせる黒髪の美しい女性(ローラ・エレナ・ハリング)が眠り込んでいました。女性は自分が沢山の人々と共にダンスを踊る夢、そしてショートの金髪の女の幻影を見ていました。
黒髪の女性が目を覚ますと、車を運転している男は突然車を停め、女性に銃を向けて車から降りるよう命じました。女性が困惑していたところ、暴走した2台の車が激突、女性の乗った車は大破して炎上しました。
命からがら車から抜け出した黒髪の女性は奇跡的に無傷のようでしたが、心に強いショックを受けてしまったようでした。黒髪の女性は夜の闇をふらふらと歩いてサンセット大通りに辿り着き、人目を避けるかのように通り沿いの植え込みに入って眠り込んでしまいました。
その頃、事故現場ではハリー・マックナイト刑事(ロバート・フォスター)と相棒のダンガード刑事(ブレント・ブリスコー)ら警察の現場検証が始まり、刑事二人は車の後部座席から黒髪の女性のものと思われる真珠のイヤリングを発見、ここを離れた者がいるのではないかと推測しました。
翌朝、目を覚ました女性は、植え込みのすぐそばのアパートの住人らしき男女二人組が車に荷物を運び込んでいるのを目撃しました。黒髪の女性はそのアパートに無断で侵入し、男女二人が立ち去ったのを確認してから再び眠り込みました。
時を同じくして、レストラン「ウィンキーズ」では二人の男が食事を採りながら会話をしていました。男の一人はこの店を夢で見たらしく、夢の中で店の裏に潜んでいた恐ろしい男と出くわしたようでした。男二人は夢の男がいるかどうか確かるべく店の裏側に行ってみることにしましたが、裏側には全身黒ずくめの不気味な男がおり、男の一人はその男を見るなり気絶してしまいました。
黒髪の女性が眠っている頃、ロサンゼルスの空港には金髪ショートヘアーの女性ベティ・エルムス(ナオミ・ワッツ)が降り立っていました。ベティは機内で仲良くなった老夫婦と別れ、タクシーで叔母ルースのアパートに向かいました。ルースは有名な女優であり、女優志望のベティはルースを頼って故郷のオンタリオからハリウッドを目指してきたのです。
ベティが辿り着いたルースのアパートは、あの黒髪の女性が忍び込んでいるところでした。ベティは管理人のココ(アン・ミラー)に挨拶し、ルースの部屋に案内されましたが、寝室には脱ぎ捨てられた黒いドレスとバッグがあり、バスルームではあの黒髪の女性シャワーを浴びていたところでした。
ベティは驚きましたが、ルースの知り合いなんだろうと思い込み不審に思いませんでした。シャワーから出た黒髪の女性は、たまたま部屋に貼ってあった往年の大女優リタ・ヘイワーズのポスターを見て、咄嗟に自分のことを“リタ”と名乗りました。ベティはリタが頭に傷を負っていることに気付き、医者に診てもらおうとしましたが、リタは眠れば大丈夫だと言ってまたもや眠り込んでしまいました。
マルホランド・ドライブのネタバレあらすじ:承
ハリウッドの大手映画製作会社の会議室では、売れっ子映画監督のアダム・ケシャー(ジャスティン・セロー)が、マフィアのルイージ(アンジェロ・バダラメンティ)とヴィンチェンゾ(ダン・ヘダヤ)のカスティリアーニ兄弟と話し合っていました。
カスティリアーニ兄弟はカミーラ・ローズ(メリッサ・ジョージ)という女優を次回作の主演に据えるよう要求してきましたが、アダムは乗り気ではありませんでした。会議室を出たアダムはゴルフのクラブでカスティリアーニ兄弟の車のフロントガラスを叩き割り、愛車ポルシェに乗って走り去りました。
トアル古いビルでは、ジョー(マーク・ペルグリノ)という男が知人のエド(ビンセント・カステラノス)と談笑していました。ジョーは突然エドを射殺し、拳銃を男に握らせて自殺を装ってから“エドのブラックリスト”と書かれた秘密のノートを奪おうとしました。ところが、ジョーは誤射で隣の部屋の女の尻を撃ってしまっており、やむなくその女と現場を目撃した清掃員をも殺害しました。警報が鳴ったため、ジョーはノートを奪うと窓から逃走していきました。
その頃、ルースのアパートでは、ベティはルースと電話をしていました。ベティはリタがルースの知り合いではないと聞かされ、彼女を警察に突き出すよう言われましたが、ベティはそこまでする必要はないとしてリタから事情を聞くことにしました。リタは自分が事故の影響で記憶喪失になっていることを打ち明け、“マルホランド・ドライブ”という言葉だけは覚えていると証言しました。リタのバッグには大金の札束と共に謎の青い鍵が入っていました。
アダムは追っ手を振り切り、ハリウッドを見下ろす高台にある自宅に戻りました。ところが、自宅の寝室ではアダムの妻(ロリ・ヒューリング)が見知らぬ男と浮気をしており、激怒したアダムは妻の宝石箱にピンクのペンキを流し込んで滅茶苦茶に汚してやりました。アダムは妻と妻の愛人に殴られ、家を追い出されてしまいました。その直後、カスティリアーニ兄弟の部下がアダムを追って自宅にやってきました。部下は自分を追い払おうとしたアダムの妻とその愛人をぶちのめしました。
ベティはリタの失った記憶を取り戻す手伝いをすることにしました。二人はリタのバッグをクローゼットの中の小箱に隠すと、「ウィンキーズ」のすぐそばの公衆電話から警察に匿名でマルホランド・ドライブの件を問い合わせてみました。警察は昨晩にマルホランド・ドライブで交通事故があったことは教えてくれたものの。それ以上の詳しいことは教えてくれませんでした。
ベティとリタは「ウィンキーズ」で新聞を読みながら食事をすることにしました。リタはここで働くダイアン(メリッサ・クライダー)というウェイトレスの名札を見て、“ダイアン・セルウィン”という名前を思い出しました。ベティはリタの本名は“ダイアン”ではないかと思い込み、帰宅して電話帳でその名前を調べてみたところ、ひとつだけダイアン・セルウィンと記された電話番号を見つけました。
ベディはその電話番号にかけてみましたが、応答したのは留守番電話の音声であり、その音声はリタの声ではありませんでした。ベティはココからトラブルに巻き込まれないよう忠告されましたが、どうしてもリタを見捨てることはできませんでした。ベティはとある映画のオーディションを受けることにし、帰ったら一緒にダイアンの家に行こうとリタに告げて留守を任せました。
アダムはとあるホテルに身を隠しましたが、カスティリアーニ兄弟の圧力で製作中だった最新作は撮影が中断され、銀行口座まで凍結されてしまいました。窮地に陥ったアダムはカウボーイ(モンティ・モンゴメリー)という男に夜の牧場に呼び出されました。カウボーイは「うまくやればもう一度私に会い、間違えたら二度会うことになる」とアダムに告げ、最新作のヒロインオーディションでカミーラを選ぶよう要求してきました。カウボーイは「人の態度はその人間の人生を決める」と不穏な警告をし、これにはさすがのアダムも神妙な面持ちにならざるを得ませんでした。
マルホランド・ドライブのネタバレあらすじ:転
とある映画のオーディションに参加したベティは監督やプロデューサーらを前に体当たりの迫真の演技を見せつけ、絶賛されました。キャスティング担当のスタッフはベティはもっといい映画に出演するべきだと考え、ベティを最新作のオーディション中のアダムと引き合わせました。
アダムはカスティリアーニ兄弟やカウボーイの圧力に負けて、嫌々ながらもカミーラを主演に選ぼうとしていました。そんなアダムはベティの演技を見て、彼女こそがこの映画の主演に相応しいと考えました。ベティもアダムのことが気になりましたが、リタとの約束を思い出してスタジオから急いで帰宅しました。
ベティとリタはタクシーで電話帳にあったダイアン・セルウィンの住所に向かいました。そこは古いアパートであり、12号室の表札には確かにダイアンの名が記されていました。しかし、12号室にはダイアンはおらず、ダイアンと部屋を交換したという別の女性が住んでいました。
その女性からダイアンは17号室にいると教えてもらったベティとリタは早速17号室に行ってみましたが、部屋からは何の応答もありませんでした。不審に感じた二人は部屋に侵入してみると室内は異様な腐敗臭が漂っており、寝室には女性の腐敗した死体が横たわっていました。
帰宅したリタは激しく取り乱し、自分で髪を切ろうとしました。ベティはリタを慰め、自分と同じ金髪ショートヘアのウィッグをリタに被せました。リタはようやく落ち着きを取り戻し、全裸になるとベティのベッドに入りました。ベティとリタは濃厚なキスを交わし、激しく愛し合いました。
夜も深まった頃、リタは突然うわごとのように「お静かに、楽団はいません」と呟きだしました。リタはベティに一緒に来て欲しいところがあると言い出し、タクシーでハリウッドの外れにある小さな劇場「クラブ・シレンシオ」に連れて行きました。ステージでは芸人が録音テープに合わせてトランペットを当て振りで演奏しており、司会者は客席に「お静かに、楽団はいません」と告げると青い光とスモークの中に消えていきました。
ステージ後方の2階席には青い髪のマダムが座っていました。次に登場したのは“泣き女”という歌手でした。ベティとリタは亡き女が歌う悲しい歌を聴いて涙を流しましたが、現れた別の司会者はその歌声も全てまやかしだと告げました。ベティのバッグの中にはいつの間にか青い小箱が入っていることに気づきました。
帰宅した二人は、青い小箱の鍵穴にリタが持っていた青い鍵を差し込もうとしました。しかし、ベティはなぜか忽然と姿を消していました。リタは仕方なく一人で青い小箱を開けてみましたが、次の瞬間、リタは小箱の中にあった“暗闇”に吸い込まれるかのように忽然と姿を消してしまいました。部屋に残されたのは二つの青い小箱だけでした。それから程なくして、ルースがアパートに戻ってきました。部屋にはベティとリタの姿はなく、青い小箱も消えていました―――。
マルホランド・ドライブの結末
―――どうやらこれまでの出来事は、売れない女優のダイアン・セルウィン(ナオミ・ワッツ)の夢の中のようでした。あのアパートの12号室で寝ていたダイアンは外にいるカウボーイから「起きる時間だ」と声をかけられました。
それでも眠っていたダイアンでしたが、夢の中で12号室に住んでいた女性がダイアンの部屋のドアをしつこくノックしてきたので、目覚めたダイアンは仕方なく彼女を部屋に入れました。女性は部屋にあった自分の荷物を持ち出すと、去り際に「二人の刑事があなたを捜していたわ」と告げました。テーブルの上には青い鍵が置いてありました。
ダイアンが動揺していると、部屋に売れっ子女優のカミーラ・ローズ(ローラ・エレナ・ハリング)が入ってきました。カミーラはダイアンの夢の中に出てきた“リタ”と瓜二つでした。ダイアンとカミーラは服を脱いで愛し合いました。
女優志望だったダイアンは田舎からハリウッドに出てきて、売れっ子映画監督のアダムの映画のオーディション現場でカミーラと知り合いました。ダイアンと同じく女優志望だったカミーラはこのオーディションで主役の座を射止め、カミーラは脇役として出演しました。
カミーラはこの映画をきっかけにスターダムにのし上がり、この頃からダイアンとカミーラは同性愛関係を結ぶようになっていましたが、カミーラはアダムとも付き合い始めており、次第にダイアンのことを疎ましがるようになっていきました。カミーラにとってはアダムが本命であり、ダイアンはただの遊び相手に過ぎませんでした。
ある夜、ダイアンは部屋で一人妄想に耽っていました。そこにカミーラから電話があり、ダイアンはアダム主催のパーティーに誘われました。ダイアンはカミーラが手配した車に乗ってパーティー会場であるアダムの豪邸に向かっていると、車はマルホランド・ドライブの途中で停車し、茂みの中からカミーラが現れました。カミーラはダイアンの手を取ってアダムの豪邸に連れていきました。
パーティーにはアダムの母のココも来ていました。ココはダイアンが“ベティ”として見た夢の中ではルースのアパートの管理人でした。カミーラはまざまざとダイアンに見せつけるかのようにアダムといちゃつき始め、別の女優とキスをしました。ダイアンは自分が弄ばれていたことに気付きました。
カミーラへの復讐を誓ったダイアンは「ウィンキーズ」で殺し屋のジョーと会い、カミーラの殺害を依頼しました。ここのウェイトレスの名札は“ベティ”でした。ジョーは仕事が済んだら渡すと言って青い鍵を見せてきました。ダイアンはその鍵は何の鍵なのかと尋ねてもジョーは答えてくれませんでした。
「ウィンキーズ」の裏では黒ずくめの不気味な男がいました。不気味な男は青い小箱を持っており、それを紙袋の中に入れました。すると紙袋の中から、ダイアンの夢の中でベティが空港で別れた老夫婦そっくりの小人が出てきました。
ジョーはどうやらカミーラ殺害に成功したようで、ダイアンはジョーから青い鍵を受け取っていました。その夜、部屋に戻ったダイアンは何かに怯えた表情で青い鍵を見つめていると、ドアの隙間から老夫婦の小人が入ってきました。老夫婦はたちまち等身大に大きくなり、ダイアンに襲い掛かってきました。ダイアンは絶叫しながら寝室に逃げ込み、引き出しに隠してあった拳銃で自らの頭を撃ち抜きました。
次の瞬間、部屋は青い光と煙に包まれ、黒い不気味な男が現れたかと思えばすっと消えていきました。ダイアンは幸せそうなベティとリタの幻を見ながら息を引き取りました。その頃、「クラブ・シレンシオ」では、青い髪のマダムが「お静かに」と悲しげに呟いていました。
以上、映画「マルホランド・ドライブ」のあらすじと結末でした。
「マルホランド・ドライブ」感想・レビュー
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夢にまで見たハリウッドにやって来た、女優志願のベティ。
留守をする叔母の邸宅をしばらく借りて、オーディションを受ける事になっていた彼女だが、その家に事故で記憶を失くした美女が、助けを求めてやって来る。自分の名前すら判らない、その女性が覚えているのは、マルホランド・ドライブという言葉だけ。
さらに、彼女のバックの中には、大金と不思議な形の鍵が入っていた。リタと名付けられた女性は、ベティと共に、失った記憶を辿るが、やがて、不可解な事件に巻き込まれるのだった——–。
不条理の帝王デヴィッド・リンチ監督の「マルホランド・ドライブ」は、悩ましくも魅力的な作品だ。
敢えて、観る者を惑わす世界観で、自分のスタンスを保つ、この毅然とした姿勢には、映画好きならずとも拍手喝采ものだ。
物語は、複雑に絡みあい、時間は錯綜する。
これぞ、まさしくリンチ・ワールドだ。不可思議でスリリング、それでいて、ユーモラスで官能的なのだ。
全く先が読めない展開に、ワクワクしながら魅了されてしまうのだ。夢の工場ハリウッドの暗黒面の象徴とも言えるのが、実在するハイウェイ、マルホランド・ドライブ。
物語は、この道路からスタートする。映画界の内幕暴露のようなオーディションあり、リンチお得意のヘンテコな登場人物あり、おまけに、女同士でなんという事を——というような展開で、気が付いたら、リンチの世界に首までつかっている自分がいるのだ。
なにやら物語が、解決の糸口を見出したような気配で、気を緩めた途端、全く予測不可能な方向に話が進んでいくのだ。
シンボリックな青い鍵を差し込むのを境に、映画の中盤で激しく方向転換するストーリーは、説明などむろん無い。美術アカデミー出身のリンチの映像は、どこを切り取っても絵になる、計算された構図で、屈折した美しさで、ハリウッドの光と闇を描き出す。
そして、リンチ作品の特徴である、一癖も二癖もあるキャラクターたちが、次から次へと登場し、映画全体に不気味さを漂わせ、我々リンチファンを陶酔のマジカルワールドへと導いてくれるのだ。
いったい、リタの正体は? 女二人の関係の行き着く先は、どこなのか?
劇中で繰り返し登場するマルホランド・ドライブ。
その名が出てくる度に、事件は謎に包まれ、現実はねじれていくのだ。1950年代を思わせる、懐かしくてセンチメンタルな音楽。
能天気なフィフティーズの歌声が流れてくるかと思えば、スペイン語専門の奇妙な劇場で、”泣き女”が歌う、胸に染みいるメロディで攻めてくる。映画「プリティ・ウーマン」の主題歌で知られる、故ロイ・オービソン。
彼の名曲「クライング」のスペイン語バージョンなのだ。
相変わらず、リンチの音楽センスは、ピカイチだ。デヴィッド・リンチの映画を観るのは、不思議な体験とも言える。
ハリウッドを舞台に、現実と虚構が交錯する不条理な物語。
頭で考えずに、感性の波長を合わせて観れば、とことん陶酔できる映画なのだ。
デヴィッド・リンチの監督作品だけあり、彼独特のカット割りやセリフ回し、意味のあるような無いようなシーンなどが淡々と描かれていきます。一見難解で解釈が難しいかもしれませんが、そんなこと気にせず、全体に漂う不穏な雰囲気やサスペンスフルな展開を楽しむのもアリだと思います。個人的にナオミ・ワッツの大ファンなので大好きな映画です。