逆転のトライアングルの紹介:2022年スウェーデン, ドイツ, フランス, イギリス映画。モデルで人気インフルエンサーのヤヤと、男性モデルのカールのカップルは、招待を受けて豪華客船クルーズの旅に出た。船はリッチでクセモノの客たちが集い、客室乗務員は高額チップのためならどんな望みでも叶えてくれるというゴージャスな世界。しかしある夜、嵐に巻き込まれてしまう。さらに海賊に襲われ難破し、彼らは無人島に流れ着いた。食べものも水もSNSもない極限状態へと追い込まれる一行。そんな中、ヒエラルキーの頂点に立ったのはサバイバル能力抜群な船のトイレ清掃係アビゲイルだった。監督を務めたリューベン・オストルンドは『ザ・スクエア 思いやりの聖域』でカンヌ国際映画祭最高賞であるパルム・ドールを受賞。そして本作で2度目のパルム・ドールを連続で受賞した。
監督:リューベン・オストルンド 出演:ハリス・ディキンソン(カール)、チャールビ・ディーン(ヤヤ)、ウディ・ハレルソン(船長)、ドリー・デ・レオン(アビゲイル)、ヴィッキ・ベルリン(ポーラ)、ヘンリク・ドルシン(ヤルモ)、ズラッコ・ブリッチ(ディミトリ)、ジャン=クリストフ・フォリー(ネルソン)、イリス・ベルベン(テレーズ)、ズニー・メレス(ベラ)、アマンダ・ウォーカー(クレメンティン)、オリヴァー・フォード・デイヴィス(ウィンストン)、キャロライナ・ギニング(リュドミーラ)、アルヴィン・カナニアン(ダリウス)、ラルフ・シーチア(ウリ)ほか
映画「逆転のトライアングル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「逆転のトライアングル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「逆転のトライアングル」解説
この解説記事には映画「逆転のトライアングル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
逆転のトライアングルのネタバレあらすじ:パートⅠ カールとヤヤ
ファッションモデルを生業としているカールは2年前に香水のモデルをやって以来、大きな仕事は特になく小さな仕事のオーディションを受けていました。一方ガールフレンドのヤヤは超売れっ子インフルエンサーで、カールの何倍も稼いでいます。
ある日の高級レストランにて。
「ありがとう。ごちそうさま」と平然と言うヤヤに唖然とするカール。毎回男性が払うことが当たり前という態度のヤヤに、カールが疑問を呈したことで激しい口論になってしまいます。
逆転のトライアングルのネタバレあらすじ:パートⅡ 船
ヤヤはインフルエンサーとして豪華客船のクルーズの旅に招待され、カールがお供することになりました。
乗り合わせた客は桁外れの金持ちばかりでした。
2人が最初に話したのは、ロシアの振興財閥“オリガルヒ”の男ディミトリとその妻ベラでした。有機肥料で富豪になったと語るディミトリは「オレはクソの帝王だ」と豪快に笑います。
デッキに出ると、ヤヤに写真を撮ってもらっただけで「お礼にロレックスを買ってあげる」と言う寂しい男ヤルモと出会いました。
また、脳梗塞でまともに話すことができないテレーズに上品で優しそうな英国人ウィンストンとクレメンティン夫妻が自己紹介をしています。夫妻は武器製造会社を家族経営しており、「国連に地雷を禁止されて売り上げが落ちた時は、夫婦愛で乗り切ったのよ」と見つめ合いました。
そんなスーパーセレブをもてなすのは、客室乗務員の白人スタッフたちでした。旅の終わりに振舞われる高額チップを狙って、乗客のどんな希望でも必ず叶えることをモットーに完璧な仕事をこなすプロフェッショナルです。
そして船の下層階では有色人種の裏方スタッフたちが料理や清掃係として汗水たらして働いていました。
逆転のトライアングルのネタバレあらすじ:パ―トⅢ 島
ある日の夜。船長が乗客をもてなす“キャプテンズ・ディナー”が開かれました。アルコール依存症の船長が出航してからというもの朝から晩まで船長室に閉じこもり、飲んだくれで延びに延びてやっと開催されることになりました。
テーブルに運ばれてきた料理は、キャビアにウニにトリュフなど最高級な食材を使った最高のディナーになるはずでした。
ところが、突然の嵐に遭遇。船は右に左に大きく揺れ、次々と船酔いに倒れる人が続出。たちまち船内はテーブルも床も吐瀉物だらけとなり地獄絵図となっていきます。そんな中でも酒が止まらない船長はとっくに職務を放棄して、ディミトリと賭けを始める始末。さらには通りかかった海賊に手榴弾を投げられ、ついに船は難破してしまいました。
数時間後、ヤヤとカール、客室乗務員のポーラ、機関士のネルソン、そしてディミトリやヤルモなど数人の大富豪たちが無人島に流れつきました。海岸には救命ボートが漂着しています。中には清掃婦でトイレ係のアビゲイルが乗っていました。彼らはボート内にあった水とスナック菓子を無理やり奪うと一旦空腹をしのぎます。
アビゲイルはボートを出ると海に潜りタコを捕獲。サバイバルと一切無縁の大富豪たちが唖然として見ている中で、手際よく火をおこしてタコをさばいて調理を始めました。
できあがったタコ料理をみんなに分配しながらアビゲイルは言いました。「ここでは私がキャプテン」と。認めなければ食料にありつくことができません。こうして彼女は全員を自らの支配下におきました。
逆転のトライアングルの結末
アビゲイルの機嫌を取りながら、狩りなどで少しずつ環境になれてきた乗客たち。ある晩からアビゲイルはカールだけをボートへ呼び出し共に夜を過ごすようになりました。身体と交換に食べ物をもらっていたのです。ヤヤは嫉妬しますが、アビゲイルに従うしかありませんでした。
そんな中、浜辺にひとり残されたテレーズはお土産売りの男を見つけます。男はテレーズが話すことができないと知ると去っていきましたが、無人島だと思っていたこの島に初めて見かける島民でした。
翌朝、ヤヤは島の中心にそびえる山へ登ることにしました。アビゲイルも同行し島の反対側に出たとき、ヤヤは驚きの声をあげました。なんとそこにはホテルの入口に通じるエレベーターがあったのです。この島は無人島ではなく、リゾートホテルの島だったのです。
大喜びでエレベーターに乗り込もうとするヤヤでしたが、アビゲイルは必死に止めました。この島を出たあとの自分の立場を恐れていたからです。アビゲイルは大きな岩を両手でつかむと、ヤヤの背後から近づいていきました。しかし、それに気づかないヤヤはアビゲイルに「あなたを助けたいの。元の生活に戻ったら私が雇ってあげる」と告げました。
カールはこのことを知ってか知らずしてか、猛ダッシュで山の中を駆け上がっていたのでした。
以上、映画「逆転のトライアングル」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する