SHINOBI(しのび)の紹介:2005年日本映画。松竹映画が若手俳優を多く集めて作ったファンタジー時代劇。原作は小説の甲賀忍法帖ですが、設定やストーリーを変えているため、原作ファンにはあまり好評ではありません。原作が奥が深い分、限られた時間でストーリーを表現するのは難しいと感じます。全体的にエンターテイメント作品としては成り立っています。若くて初々しい、オダギリジョーと仲間由紀恵を見ることができます。最後にとったヒロインの行動に驚かされます。
監督:下山天 出演者:仲間由紀恵(朧)、オダギリジョー(甲賀弦之介)、黒谷友香(陽炎)、椎名桔平(薬師寺天膳)、沢尻エリカ(蛍火)、りりィ(お幻)、寺田稔(甲賀弾正)、坂口拓(夜叉丸)、升毅(室賀豹馬)、虎牙光揮(筑摩小四郎)、木下ほうか(如月左衛門)、伊藤俊(蓑念鬼)、ほか
映画「SHINOBI」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「SHINOBI」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
SHINOBIの予告編 動画
映画「SHINOBI」解説
この解説記事には映画「SHINOBI」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
SHINOBIのネタバレあらすじ:天下泰平の忍びの者
徳川家康により天下泰平の世になり、特殊なり能力を持つ忍びの者を警戒すべきであると、天海は徳川家康に助言します。戦国の世に暗躍して活躍していた忍びの者も、天下泰平の世になれば、警戒すべき邪魔な存在となっていました。忍びの者たちは伊賀と甲賀という2大派閥に分かれ、それぞれの集落で暮らしていました。伊賀と甲賀は何の因果か、300年もの間、互いを憎しみ合って暮らしていました。ある日、川のほとりで伊賀と甲賀のそれぞれの頭領の後継ぎが出会います。伊賀の頭領お幻(りりィ)の孫娘である朧(仲間由紀恵)と、甲賀の頭領である弾正(寺田稔)の孫息子である弦之介(オダギリジョー)でした。最初は警戒する二人でしたが、やがて二人は恋に落ち、互いに憎しみ合っている自分たちの里のため、内緒にしておかなければならない恋路に悩んでおりました。それでも弦之介は朧と一緒になりたいと言い、二人で秘密の結婚式を川のほとりで行います。そのときに朧は弦之介から櫛(くし)をもらいます。
SHINOBIのネタバレあらすじ:二大勢力の合戦
徳川家康と天海は、伊賀と甲賀を潰すための策略を立てます。互いの頭領であるお幻と弾正を城に呼んで互いの技量を披露させた後、忍びの者をこれから一つに束ね、どちらかをその頭領に据えるため、互いに戦い、勝ったものをその頭領に据え置くと言い渡します。それぞれの精鋭5人は城を目指して戦い、勝ち残った者が来城するようにと言います。でもこの戦いの狙いは、それぞれの里から力のあるものを外へ出し、その間にそれぞれの里を幕府の力で潰してしまおうというものでした。そして力のあるもの10人に殺し合いをさせれば良いと考えていました。その幕府の狙いを知ってか知らずか、お幻と弾正はそれぞれに精鋭5人を選び、戦うよう指示します。そしてそれぞれのリーダーに朧と弦之介を据え置きます。2人は愛し合っているのにも関わらず、殺し合わなければならなくなり、ショックを受け、戦いを最初は拒否します。ところが合戦の前にお幻と弾正が対決をし、お互い相討ちとなってしまいます。お互いの里は互いの憎しみを募らせ、合戦は始まってしまいます。
SHINOBIのネタバレあらすじ:壮絶な殺し合い
弦之介はこのような戦いは止めさせてほしいと家康に直訴するために城を目指します。陽炎(黒谷友香)の想いとは違って他の甲賀の4人は戦意のない弦之介を非難します。自分たちは戦わなければ価値がないと、甲賀の者を襲います。甲賀の者もやられたらやり返すという精神で、両者の殺し合いはエスカレートします。戦意のなかった朧ですが、幼少期から妹のように可愛がっていた蛍火(沢尻エリカ)を伊賀の者に殺され、怒りに奮えます。朧は戦いの技量は無い忍びの者でしたが、彼女の瞳には特殊能力があり、その瞳で相手を即死させることができる能力を持っていました。蛍火を殺した伊賀の者にその特殊能力を使ってしまいます。伊賀の陽炎は弦之介と朧が恋仲であることを知ってしまいます。弦之介が好きだった陽炎は、彼の裏切りが許せず彼を殺そうとしますが、殺しきれず苦悩します。そんな想いを甲賀の天膳(椎名桔平)は利用し、弦之介を殺そうと謀略します。戦意のなかった弦之介ですが、天膳に殺されそうな陽炎を助けるために、彼もまた瞳の色を変えて、特殊能力を使ってしまいます。隙ができた弦之介を天膳は殺そうとしますが、陽炎は最後の力を振り絞り天膳を殺します。結局、朧と弦之介以外は死んでしまいます。
SHINOBIのネタバレあらすじ:朧と弦之介
朧と弦之介は仲間の死を背負い、結局戦わなければいけなくなります。2人は愛も秘密の結婚式も幻だったと言います。しかし朧は心に決めていました。愛する人を殺すことなどできないと。彼女は自分の瞳を封印するため、目をつぶって刀を握り、弦之介に駆け寄ります。実は弦之介の方も同じように思っており、目は開けていましたが、特殊能力を発動せず刀も動かしていなかったのでした。そのため朧の刀が弦之介の心臓に当たってしまいます。弦之介の自分への想いに涙し、息絶えようとする彼を見て、朧は悲痛に顔をゆがめます。そんな朧に弦之介はある願いを彼女に託します。
SHINOBIの結末:家康との面会
最後に生き残った朧は、城に入り家康と面会します。実はそのころ、伊賀と甲賀の里はそれぞれに幕府の攻撃に逢っていました。最後に生き残った朧は、家康に言いたいことがあると叫びます。家康の家来は元々生き残った忍びの者を殺すつもりだったので、彼女をたくさんの兵で囲みます。朧をだまらせようとする家来を家康は止めます。そして朧は術の構えを見せます。攻撃をしてくると思った幕府の役人は戦いの姿勢を取りますが、朧はその手で自分の両目をつぶしてしまいます。「これで私は特殊な能力を持つ者ではなくなりました。伊賀、甲賀ともこれから先、人の命を脅かすような能力は持ちません。皆、家族がいたり、大切な人が個々にいる普通の民です。私たちをお救いください。」と言い、家康に頭を下げます。家康は御簾から出て、血だらけになった朧の顔を見て、彼女の強い覚悟を読み取ります。そして里を攻撃することを辞めるように指示します。弦之介の願いを叶えた朧は里に帰ります。伊賀も甲賀も平和な里へと戻りました。両目を失った朧は弦之介との出会いの川のほとりに出かけます。そしてあのとき貰った櫛を撫でて、弦之介を感じるのでした。
以上、SHINOBI のあらすじと結末でした。
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