映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~の紹介:2015年公開イギリス・フランス作品。田舎暮らしに飽きてきたイタズラ好きのひつじのショーン。仕掛けたイタズラのせいでみんなで大都会を奔走、今、ひつじたちの大作戦が始まる。 『ウォレスとグルミット、危機一髪』に登場するひつじのショーンを主演に据えた劇場版。
監督:マーク・バートン、リチャード・スターザック 声優:ジョン・スパークス、ジャスティン・フレッチャー、ジョー・アレンほか
映画「ひつじのショーン バックトゥザホーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ひつじのショーン バックトゥザホーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ひつじのショーン バックトゥザホームの予告編 動画
映画「ひつじのショーン バックトゥザホーム」解説
この解説記事には映画「ひつじのショーン バックトゥザホーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画ひつじのショーン バックトゥザホームのネタバレあらすじ:退屈な日常から離れるつもりのイタズラが…
いつも変わらないスケジュールをこなす牧場主とひつじと犬のビッツァー、退屈になっひつじのショーンはちょっとしたイタズラを試みる。いつものように自分たちを牧場に放しに来た牧場主をキャンピングトレーラーに入れて、自分たちは牧場主の家で優雅な一日を過ごすというもの。ところが、牧羊犬ビッツァーが気づきトレーラーの中で熟睡している牧場主を起こそうとしていると、止めていたトレーラーがのタイヤが転がり出しでそのまま坂を下っていってしまう。追いかけるショーンとビッツァーだが、ショーンは牧場の中で待つようにされ、ビッツァーだけがトレーラーを追って大都会へ。危ないところを抜けながらトレーラーは大通りの街灯にぶつかり停止。いつもの家で寝ているとしか思っていない牧場主が扉を開けるとちょうど落ちてきた電球が頭にヒット、そのまま倒れ、病院に運ばれてしまう。ビッツァーは病院までたどり着くものの、犬の立ち入り禁止のため中に入れない。
映画ひつじのショーン バックトゥザホームのネタバレあらすじ:天敵は動物捕獲員。牧場主はカリスマ美容師に転職?
帰ってこない牧場主とビッツァーにおなかをすかすひつじたち、ショーンは自分が都会まで探しに行くと鞄にめぼしいものをつめ、通りかかったバスにこっそり乗り込む。到着したのは都会の中心にあるバスターミナル。そこで野良犬が動物捕獲員によって捕獲されてしまうのを目撃、見つからないように隠れて去るのを待っていると、次に入ってきたバスに牧場においてきたはずの他のひつじたちも乗り込んでいた。ショーンとひつじたちは、動物捕獲員の目をかいくぐって動物愛護をうたう洋服店に忍び込むと、人間のように変装する。ちょうどおなかが空いてきたので、レストランにはいるがひつじなので隣のテーブルの人の作法を真似ているうちに、一番小さなひつじのティミーがケーキのカートのところに行ってしまう。連れ戻そうとするショーンだが、店員に見つかってしまいすったもんだの末、捕獲されてしまう。一方病院では牧場主が頭を撃った衝撃で記憶喪失になっていた。ビッツァーはリネンを運んできたカートに乗り、医者の恰好をして忍び込むものの、手術室に紛れ込んでしまい、そこにおいてあった人体模型の骨に飛びついてしまう。あえなく捕獲。状況が把握できないまま病院を抜け出した牧場主は、何とか思い出そうとするものの思い出せない、ところがとおりかかった美容室でバリカンを目にすると、ひつじたちの毛を刈っていた記憶がかすかに過ぎり、レストランでヘアスタイルをショーンたちに台無しにされてしまったスターの髪を勝手にバリカンでショーンのヘアスタイルにしてしまう。思いのほか気に入ったスター。新しい髪形はあっという間にシェアされ、いいね!をされ、流行のスタイルに。牧場主はいつの間にかカリスマ美容師、ミスターXになっていた。
映画ひつじのショーン バックトゥザホームのネタバレあらすじ:くじけそうになったら懐かしい歌をうたおう
動物収集センターに入れられたビッツァーとショーンを他のひつじたちが何とか助けようとするが逆に他のひつじの存在を捕獲員に知られてしまう。機転を利かせたショーンのおかげでショーン、ビッツァー、ターミナルで会った野良犬は一緒に逃げ出す。すると、いつの間にかカリスマ美容師になった牧場主のポスターが道に大きく貼ってあった。都会に詳しい野良犬のおかげで、牧場主のいる美容院に行ってみるものの、記憶をなくしている彼はショーンを拒絶、仕方なく野良犬スリップのねぐらで過ごす事にする一同。ティミーがぐずっているのあやそうと、いつも牧場主がかけているカセットをかけるとすぐに泣き止んだけれど、カセットテープがこわれてしまう。そこでショーンが口笛を吹き出すとみんなで大合唱になりティミーは眠りに就く。その歌は通りを越えて、牧場主の所まで聞こえ、彼の記憶を刺激したようだけれど、まだ記憶喪失が治った訳ではない。医師に「記憶喪失」とかかれたカルテを丸めて窓から投げてしまう。ドラム缶で温まっている面々は燃やしていた紙くずの中に牧場主のカルテを見つけ、彼が自分たちを拒絶した理由が記憶喪失だと知る。そこで作戦会議、みんなで家に帰るために計画が始まる。一方、ショーンたちに逃げられた動物捕獲員は、今度こそは逃がさないと、電気ショック付きの捕獲機で彼らを追う。
映画ひつじのショーン バックトゥザホームの結末:みんなの家へ帰ろう
まずは美容室の前に設けた柵をみんなで飛び越えながら、牧場主と回りの人たちを眠らせ、馬を模した被り物に彼を座らせ、中に乗り込んだひつじたちは、さも彼が馬に乗っているかのようにして、都会の道を行く。途中、動物捕獲員に遭遇、一度はごまかしたけれど、ばれてしまい追われるはめに。都会まで降りてきたキャンピングトレーラーに乗り込むと、田舎行きのバスにくくりつけ牽引させる。ようやく田舎に帰って一安心と思っていたところに、動物捕獲員がついてきていた事に気がつきひつじ小屋に非難。すると捕獲員は作業用のクレーンで家ごと採掘場に落とそう転がす。牧場主を必死で起こそうとするショーンたち、もはやこれまでと言うところでショーンがクレーンの運転席に乗り込み危機一髪。目を覚ました牧場主は、ひつじと犬に埋もれて自分を思い出したようで、捕獲員をとっちめて一件落着。みんなは元のそれぞれの場所へ戻っていく。ここまで同行した野良犬スリップは置手紙をして去る。それに気がついたショーンが追いかけていくと、バスの運転手が野良犬を手懐けようとしているのを発見。野良犬だったスリップは飼い主を見つけたようだ。そしてまた、いつもの一日が始まる。牧場での暮らしの大切さが身に沁みたショーンは寝起きもばっちり。そしてひつじ小屋にやって来た牧場主が今日のスケジュール表を見て辟易しているのを見ると、そのスケジュールを丸めて捨ててしまう。牧場でピクニックをするカットなどが入り、エンドロールへ。
以上、映画ひつじのショーン バックトゥザホームのあらすじと結末でした。
「ひつじのショーン バックトゥザホーム」感想・レビュー
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この作品「ひつじのショーン バックトゥザホーム」には台詞がない。喋っているシーンがあるけれどそれは言語ではない。設定はざっくりと牧場のある田舎とビルの乱立する都会。イギリスの映画だが舞台がイギリスだとは明示されていない。時々表示されているのがシンプルな英語であるだけ。それでも不思議と分かってしまう。表情や仕草(ボディーランゲージほど大げさなものはない)で分かる。物語はいたってシンプルだけれど、詳細まで丁寧に作りこまれているので、物語や画面にスキがない印象。ショーンやビッツァーは人間よりだけれど動物である事を忘れていない。この作品に出てくる動物(虫を含む)たちはみんなどこか人間くさいやり取りをしながら、動物である事を忘れていない、この匙加減が絶妙だと思う。
日常から離れる事で、元た日常がどんなに良いものであったか気づくというのは、良くあるテーマだと思うけれど、言葉がないのでおそらくそんなテーマなのだろうと思わせてくれるあたりも、おもしろい。
退屈な毎日の繰り返しに、あきあきとしていたショーンと仲間の羊たち。
でもショーンのイタズラのせいで牧場主がいなくなってしまうと、牧場主のことが恋しくてたまりません。エサがもらえなくてお腹が空くのもあるけど、本当に牧場主のことが好きだったのです。牧場主のブリーフにすりすりしてしまうシーンには、笑いつつも、しんみりしてしまいました。
大騒動の末、みんなで牧場に帰った後のショーンたちの幸せそうなこと!
何でもない日常って、案外悪くないのかもと思わせてくれる映画です。