アキレスと亀の紹介:2008年日本映画。幼い頃に絵画の魅力に取り付かれ、壮絶な人生を歩んできた売れない画家が、自らの才能に見切りをつけられず暴走、やがて破滅に向かって突き進んでいきます。
監督:北野武 出演者:ビートたけし(倉持真知寿)、樋口可南子(倉持幸子)、柳憂玲(若き日の真知寿)、麻生久美子(若き日の幸子)、中尾彬(倉持利助)ほか
映画「アキレスと亀」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アキレスと亀」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アキレスと亀の予告編 動画
映画「アキレスと亀」解説
この解説記事には映画「アキレスと亀」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アキレスと亀のネタバレあらすじ:起
昔の群馬県。養蚕事業で財を成した資産家・倉持利助(中尾彬)の息子・真知寿(吉岡澪皇)は幼い頃から絵を描くことが大好きな少年でした。恵まれた環境に育った真知寿は、利助の元を訪れた画家から絵の才能を評価され、ベレー帽を贈られます。小学校の授業中でも街中でも所構わず絵を描きまくっていた真知寿でしたが、ある日利助の会社が事業に失敗して倒産、利助は首つり自殺を遂げます。真知寿は叔父の倉持富輔(大杉漣)に預けられますが、その後真知寿の母も自殺、母の死に顔を壁に描いた真知寿を嫌がった富輔は家から追い出してしまいました。
アキレスと亀のネタバレあらすじ:承
時は流れ、青年になった真知寿(柳憂玲)は、東京で新聞配達や工場勤務など職を転々としながら美術学校に通い、相変わらず絵を描く日々を送っていました。真知寿は美術学校の仲間たちと共に、命懸けの危険な創作活動を続けていました。真知寿は絵を画商に見せるも酷評されていましたが、ただ一人だけ真知寿の絵を認めてくれたのは、工場で知り合った幸子(麻生久美子)という女性でした。やがて二人は結婚し、一人娘のマリが誕生します。
アキレスと亀のネタバレあらすじ:転
さらに時は流れ、中年になった真知寿(ビートたけし)と幸子(樋口可南子)は相変わらず売れない画家として活動していました。娘のマリ(徳永えり)は両親の活動が全く理解できません。真知寿は相変わらず画商に自分の作品を持ち込みますが、どの作品も有名画家の物まねだと酷評されてしまいます。真知寿はマリを風俗店に売り、その金で画材道具を買います。
アキレスと亀の結末
己の才能に見切りをつけることができない真知寿は次第に暴走が止まらなくなり、ガレージや商店街のシャッターに勝手に絵を描いては警察沙汰になるなど、日に日に奇行はエスカレートしていきます。そんなある日、真知寿のもとに家を出ていったマリが急死したという知らせが入ります。真知寿はマリの死に顔に口紅を塗り、顔拓を取るなど娘の遺体をもアートの題材にしようとし、さすがの幸子も遂に真知寿に見切りをつけて去って行ってしまいます。真知寿は自殺を図るも失敗に終わり、遂には燃え盛る小屋の中で絵を描き、全身火傷の重傷を負ってしまいます。ボロボロになった真知寿は、拾った空き缶をフリーマーケットで売るなど荒んだ極貧の生活を送っていました。そこに幸子が現れ、二人はまた寄り添い、歩き出すのでした。
以上、映画「アキレスと亀」のあらすじと結末でした。
お金持ちで世間知らずの真知寿の、一般人には(私には)理解不能な創作活動は見れば見るほど意味不明・・・なんだけど、所々クスっと笑える台詞だったりサラリと見せる重大事件だったりと、風刺的なシーンは盛り沢山な作品でした。全く売れず娘には逃げられ、妻にも見捨てられそうになるんだけど、それでも真知寿の創作活動はどんどん暴走していきます。ずっと見ててもやっぱり意味不明なんかな・・・と思ってたけど一番最後で道端に転がってる空き缶に20万という値段をつけるシーンと夫婦で寄り添いながら帰っていく姿を見て、薄らぼんやりだけど北野監督のメッセージが伝わってきたような気がした。劇中にとても鮮やかな作品が沢山出てきますが全て北野監督が描かれたそうです、絵の事はわからないけど素敵な作品が多かったです。