カーライル ニューヨークが恋したホテルの紹介:2018年アメリカ映画。訪れる人は必ず恋に落ちる。ニューヨークに佇む伝説の5つ星ホテル、ザ・カーライルを描いたドキュメンタリー。ザ・カーライルこと「ザ・カーライル・ア・ローズウッド・ホテル」は1930年からニューヨーク、マンハッタンの優雅なアッパー・イースト・サイドでランドマークとなっている。ニューヨークシティに住まう有名人たちのお気に入りの場所として崇められ、スイートルームは1泊200万円もする正真正銘の高級ホテルだ。世界的な映画監督、俳優、モデルなどの著名人たちがカーライルにまつわる秘話を語る。監督はニューヨークが誇るアイコンを撮り続けてきたマシュー・ミーレー。彼は本作を制作するために4年間カーライルに通い詰め、決して明かされることのなかった秘話を紐解き長編ドキュメンタリーとして綴る。世界で唯一無二のホテル、カーライルへと観る者を誘う作品。
監督:マシュー・ミーレー 出演:ジョージ・クルーニー、ウェス・アンダーソン、ソフィア・コッポラ、アンジェリカ・ヒューストン、トミー・リー・ジョーンズ、ハリソン・フォード、ジェフ・ゴールドブラム、ウディ・アレン、ヴェラ・ウォン、アンソニー・ボーデイン、ロジャー・フェデラー、ジョン・ハム、レニー・クラヴィッツ、ナオミ・キャンベル、エレイン・ストリッチほか
映画「カーライル ニューヨークが恋したホテル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カーライル ニューヨークが恋したホテル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カーライル ニューヨークが恋したホテルの予告編 動画
映画「カーライル ニューヨークが恋したホテル」解説
この解説記事には映画「カーライル ニューヨークが恋したホテル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カーライル ニューヨークが恋したホテルのネタバレあらすじ:起
ニューヨークのセントラルパークを眼下に望み、富裕層が最も多く住むエリア、アッパー・イースト・サイドに佇む5つ星の名門ホテル、ザ・カーライル・ア・ローズウッド・ホテル。
かつてはジョン・F・ケネディ元大統領が最上階の部屋を所有し、マリリン・モンローと逢引を重ねていたという伝説を持ち、今でもニューヨークのトップアイコンとして多くのセレブたちから愛されています。
ザ・カーライルが建てられたのは1930年。
35階建て188室からなるアパートメントホテルと、それに隣接する14階建て60室のコープ・レジデンスの2棟で構成されています。装飾はアールデコ調で施され、富豪たちが暮らすマンション群の中、ひときわ高くそびえるニューヨークの顔となりました。
脈々と受け継がれる格式をしっかり守るスタッフたちが笑顔交じりにカメラに向かって言います。「我々はお客様のどんな情報も漏らしません」宿泊客の秘密は必ず守ると語るスタッフたちはひとりの例外なく全員がこのホテルを愛し誇りを持っている様子がうかがえます。
カーライル ニューヨークが恋したホテルのネタバレあらすじ:承
2014年12月。ニューヨーク中がロイヤルフィーバーに沸いていました。ウィリアム王子とキャサリン妃という新しい時代の担い手として期待された特別な2人がニューヨークを初めて訪れたのです。カーライルは古くから英国王室との縁が深く、チャールズ皇太子やアン王女、ヨーク公、ウェセックス伯爵も宿泊しました。特にダイアナ妃が愛したホテルとして知られており、いつも利用していたダイアナ妃専用スイートルームからはセントラルパークを一望することができます。ウィリアム王子がこのホテルを選んだのも母ダイアナ妃の影響があり自然なことだったのでした。
「カーライルのスタッフたちは家族のようだ」そう語るのは俳優ジョージ・クルーニー。世界中の一流ホテルを知る彼が最後に選んだのがこのカーライルでした。最近も夫人と3カ月ほど滞在したとのこと。まるで友達のようにふるまうジョージをスタッフたちも笑顔で受け入れます。
カーライル ニューヨークが恋したホテルのネタバレあらすじ:転
宿泊客の秘密を決してもらさないスタッフに代わって、豪華なセレブたち自らが次々とカーライルとのエピソードを語ります。
アンジェリカ・ヒューストンは70年代当時に恋人だったジャック・ニコルソンとのカーライルにまつわる恋物語を語り、ソフィア・コッポラは父親フランシス・F・コッポラとのカーライルの思い出を語りました。
ホテル内に併設されたカフェ・カーライルでは、ボビー・ショートら名だたる演者たちがショーを開催してきました。幼少期に近所で育ったミュージシャン、レニー・クラヴィッツは8歳のころから両親に連れて来られて本物の演奏に耳を傾けていたとのこと。映画監督ウディ・アレンや俳優ジェフ・ゴールドブラムは現在もここで演奏を楽しんでいます。時の流れと流行の移り変わりが早いニューヨークの中で、洗練されたジャズとシャンパン片手に聴き入る常連客の雰囲気は古き良き時代を感じさせてくれます。
カーライルでは宿泊客のイニシャルが入った枕カバーを用意します。決して使いまわしはせず、究極のおもてなしの心意気で常連客を生み出しているのです。
カーライル ニューヨークが恋したホテルの結末
同じくホテル内にあるベーベルマンス・バーは訪れた人すべてを魅了します。絵本「マドレーヌ」で名高いアメリカを代表する絵本作家、ルドウィッヒ・ベーメルマンスが1年半もかかって描き上げたバーの壁画は訪れる者の心をとらえます。
絵の中では動物たちがお茶会を開いたり、セントラルパークの羊の様子だったり、大人が忘れかけていた遊び心を引き出してくれます。映画監督ウェス・アンダーソンもこのバーに惚れ込んだ1人。映画『グランド・ブタペスト・ホテル』はベーメルマンス・バーから生まれたとのことでした。
カーライルの物語は働くスタッフたちにもスポットが当てられます。
名物コンシェルジュのドワイトは36年間カーライルを支え続けてきました。常連客は口を揃えて「ドワイトがいなければ今のカーライルはなかった」と言います。極上の笑顔と洗練された振る舞いは、吃音症の独特な話し方と相まって愛くるしさとなり、予約困難なレストランも彼にかかればすぐ席をとることができます。そんなドワイトが今日でコンシェルジュを引退することになりました。引退する理由を聞かれた彼は答えます。「時代とともにニューヨークから気品が失われてしまったからね…」多くを語らないドワイトでしたが、社会にとって大切なものは何かを伝えます。
カーライル・ホテルは今の時代に誰もが泊まってみたいと憧れる絶対的存在として、優美さや品格という人間の本当の豊かさを私たちに教えてくれるのです。
以上、映画「カーライル ニューヨークが恋したホテル」のあらすじと結末でした。
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