アナザー Anotherの紹介:2011年日本映画。あるクラスに降りかかる不可解な現象を描くミステリーホラー。榊原恒一が転入した学校には、クラスメイトから存在を無視されている不思議な女生徒がいた。彼女を気にかける恒一だったが、それがきっかけで次々と人が死亡するようになる。恒一が所属する3年3組には、決して破ってはならないルールがあったのだ。
監督:古澤健 出演者:山﨑賢人(榊原恒一)、橋本愛(見崎鳴)、袴田吉彦(千曳辰治)、加藤あい(三神怜子)ほか
映画「アナザー Another」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アナザー Another」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アナザー Anotherの予告編 動画
映画「アナザー Another」解説
この解説記事には映画「アナザー Another」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アナザー Anotherのネタバレあらすじ:眼帯の少女
舞台は1998年4月19日、架空の地方都市夜見山市。中学3年生の榊原恒一は、持病の気胸の発作で救急搬送されそのまま入院することになりました。恒一は父の仕事の都合で夜見山市に越して来たばかりです。ある夜、恒一は病院内で、人形を抱き眼帯をしたミステリアスな少女見崎鳴と出会います。5月6日にやっと夜見山北中学に初登校した恒一。所属クラスは3年3組です。恒一は教室内で、窓際の一番後ろの席に座る鳴を発見しました。しかしクラスメイト達はその席は空席だと言い、まるで鳴が存在しないかのように振る舞います。叔母で副担任の三神怜子からも、クラスの決め事は守ること、と念を押されます。疑問を覚えつつも話しかける恒一に、鳴は「気をつけて。もう始まってるかもしれない」と謎の警告を発しました。
アナザー Anotherのネタバレあらすじ:クラスのルール
ある日、恒一はクラスメイトから3組の秘密を説明されます。今から26年前の1972年。当時の夜見北中学3年3組で、1人の生徒が死亡しました。夜見山岬というその生徒は誰からも好かれる人気者でした。クラスメイトは岬の死を受け入れられず、卒業まで彼女が生きているかのように振る舞い続けたそうです。そこで突然恒一は発作に襲われ、詳細を聞くことは出来ませんでした。その後も鳴を気にする恒一に、クラスメイト達は<いないもの>の相手をするなと不可解な忠告を与えます。満足に事情を説明して貰えない恒一は構わず鳴に近づきました。そしてついに恐れていた事態が発生します。3組の女生徒が、校内で無残な事故死を遂げてしまったのです。集まった3組の生徒は「ルールを破ったからだ」と呟きます。更にクラスメイトの姉がエレベーターの事故に巻き込まれて死亡します。そして6月8日の朝。恒一が登校すると、教室では何か話し合いが行われていました。恒一が話しかけても、誰も反応すらしてくれません。恒一の机の中には名簿が入っており、恒一と鳴の席に大きなバツ印がついていました。そして「あとは見崎に聞け」とメッセージが残されています。
アナザー Anotherのネタバレあらすじ:<死者>と<いないもの>
鳴の元へ向かった恒一は、彼女と司書教諭の千曳辰治からやっと詳しい説明を受けます。3年3組では、死にまつわる異常な<現象>が起きていました。クラスの中の1人を存在しない人間、<いないもの>として扱うこと。それを破ると3組に関わる人間やその身内に次々死が訪れるというのです。鳴は今年度の<いないもの>でした。しかし恒一が鳴に接触したことで死の<現象>が始まってしまいました。そこで3組の生徒達は、恒一も<いないもの>にすることで、ルール破りも無かったことにしようとしているのです。千曳は26年前の3年3組の担任教師でした。岬を生者として扱い続けた3年3組には、翌年からいるはずの無い何者かがクラスに混じるようになりました。彼らは過去<現象>によって死亡した<死者>達。記憶や記録は改竄され、<死者>自身にも自覚が無いことから<死者>は違和感なくクラスに紛れ込んでいます。そして<現象>が終わると秩序が戻り、皆<死者>についての記憶を失います。歴代の3年3組は増えた<死者>の代わりに生者を1人<いないもの>とすることでバランスを取り、<現象>の発生を防いできたのです。自分が<死者>かもしれないと疑う恒一でしたが、鳴ははっきりと否定します。鳴は4歳の時病気で左目を失い、現在は義眼を使っています。その義眼には死の色が映るらしいのです。恒一には死の色が見えない、だから大丈夫だと保証する鳴。鳴はこの不思議な能力を嫌っていつも眼帯をしていましたが、能力を拒絶しない恒一に嬉しそうな顔を見せます。
アナザー Anotherのネタバレあらすじ:<現象>を止める方法
鳴と恒一を<いないもの>にした3年3組でしたが、<現象>は止まらず、担任教師や夜見山市の外へ逃げようとした生徒の死亡事故が相次ぎます。恐怖にかられた教室内では諍いが表面化し始めました。<現象>について調べる恒一達は、ある日旧校舎でカセットテープを発見します。再生してみると、ある生徒の告白が録音されていました。彼は1983年の3年3組に所属していました。そして夏のクラス合宿中に、1人のクラスメイトを殺害してしまったというのです。しかし他の生徒は被害者を覚えておらず、遺体も見つかりません。彼が殺害した人間こそ、1983年の3組に紛れ込んだ<死者>だったのです。<現象>を止めるには<死者>を死に還せばいいと突き止めた恒一達。そこへ怜子が現れ、2人を3組の教室に招き入れました。騒然とする生徒達。怜子は止まらない<現象>に対し、<いないもの>以外の対策を取るべきだと提案します。そのためのクラス合宿を計画していました。怜子もまた、合宿以降<現象>が止まった1983年のことを突き止めていたのです。反発する生徒に対し、怜子は死を待つより行動すべきだと訴えるのでした。
アナザー Anotherの結末:<死者>の正体
8月8日。怜子と千曳の引率で3年3組は合宿所へ向かいます。恒一は念のため、旧校舎で見つけたカセットテープを持参していました。<現象>への恐怖や怒りに満ちたクラスは最悪の雰囲気です。恒一を怪しんだクラスメイトの1人が荷物を漁り、テープを発見します。そして<死者>を殺害すれば<現象>は止まるということがクラス中に広まってしまいました。生徒達は疑心暗鬼に陥り、ついに殺し合いが始まります。混乱の中ガス漏れによる爆発が起こり、炎にのまれる合宿所。生き残った生徒は駐車場に集まりますが、鳴の姿がありません。燃え盛る合宿所に引き返した恒一と千曳は、そこで<死者>に鎌を振り上げる鳴を発見します。鳴が左目で見つけた死の色を纏う<死者>。その正体は怜子でした。千曳が怜子を問い詰めると、柵が外れ千曳は火の海に落下してしまいます。一緒に落ちかけた怜子の腕を掴む恒一。恒一は怜子が<死者>だと信じたくありませんでした。しかし鳴の左目には真実が映っています。全てを悟った怜子は恒一達を守るため、腕を振り払い自ら死を選びました。後日、恒一と鳴以外の人間は、やはり<死者>である怜子のことを忘れていました。今年度の<現象>は終わりました。しかし結局<死者>が紛れ込む理由を解明出来なかった恒一達は、カセットテープに自分達の声を録音します。2人は未来の3年3組に向けて<現象>を説明し、封じる方法を見つけて欲しいと頼みました。――そして時は流れ、2012年4月。2012年度の3年3組の少女に、成長した恒一はカセットテープを渡します。生徒達が着席した教室で担任として教壇に立ったのは、死亡したはずの千曳でした。<現象>の幕が開き、この物語は終わりを迎えます。
以上、映画アナザー Anotherのあらすじと結末でした。
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