ブレードランナー 2049の紹介:2017年アメリカ映画。原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を元にしたリドリー・スコット監督のSF映画の金字塔「ブレードランナー」(1982年)の35年ぶりの続編。前作の30年後の世界を舞台にブレードランナーのKが奮闘する姿が描かれる。前作に続き、ハリソン・フォードがデッカード役で出演。主人公のKを演じるのは「ラ・ラ・ランド」で脚光を浴びたライアン・ゴズリング。監督は前作と変わり「メッセージ」のドゥニ・ビルヌーブ。
監督:ドゥニ・ビルヌーブ 出演:ライアン・ゴズリング(K)、ハリソン・フォード(リック・デッカード)、アナ・デ・アルマス(ジョイ)、シルビア・ホークス(ラヴ)、ロビン・ライト(ジョシ)、カーラー・ジュリ(アナ・ステライン)ほか
映画「ブレードランナー2049」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブレードランナー2049」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブレードランナー2049の予告編 動画
映画「ブレードランナー2049」解説
この解説記事には映画「ブレードランナー2049」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブレードランナー2049のネタバレあらすじ:起
舞台は前作(ブレードランナー)から30年後の2049年。巨大企業タイレル社によって造られた人造人間レプリカントは、人間に代わる労働力として社会に従事していました。しかし、旧型のレプリカントが反乱を起こした事によって引き起こされた「大停電」、これをきっかけにレプリカント製造が禁止となり、タイレル社は崩壊。その10年後である2036年にウォレス社がレプリカントを製造する事を要求します。そしてレプリカントを製造する権利を手に入れて、新たにレプリカントを作り出したのです。
新型レプリカントは社会の中に入り込んで上手く溶け込んでいました。そのレプリカントの中で、残党の旧型レプリカントを処分するブレードランナーという職務が誕生します。人間に従順になるように改良された最新型レプリカント・ネクサス9のK(ライアン・ゴズリング)は、ロス市警(LAPD)でブレードランナーとして働いています。彼は旧型のレプリカントを見つけ出し、「解任(殺害)」する職務を請け負う一方、家ではホログラムの恋人ジョイ(アナ・デ・アルマス)と過ごす孤独な生活を送っています。
ある日、Kがプロテイン農場の旧型レプリカント(ネクサス8型)であるサッパー・モートンをいつものように解任(始末)しに行くと、モートンはKを新型と知ると、死に際に「お前は奇跡を見たことが無いからだ。だから人間の言いなりになっている。」と意味深な言葉を残します。DNA情報のためにモートンの目玉をくり抜いて帰ろうとしたKでしたが、ふと気になった一本の木に目をやると、木の根元に花が落ちているのに気づきます。そこを掘ってみると骨が出てきます。本部に戻ってその骨をスキャンしてみると、骨の正体は出産で命を落とした女性だと判明します。
ブレードランナー2049のネタバレあらすじ:承
しかし、ある問題が起こります。骨を更に拡大してみると、小さく製造ナンバーが刻まれており、亡くなった彼女がレプリカントだったということが発覚したのです。実はレプリカントの出産記録は過去に例がなかった為、Kはこの件について調査するように依頼されます。Kはまず、レプリカントの製造者であるウォレス社代表のネアンデル・ウォレス(ジャレッド・レト)の元を訪れます。
鑑定の結果、骨の女性はレイチェルという名前で、30年前にブレードランナーのデッカード(ハリソン・フォード)と共に逃亡したレプリカントだと判明します。さらにレプリカントであるレイチェルの死因は難産によるものだと分かります。レプリカントが子供を産んだ、その事実がK達を動揺させました。Kの上司ジョシ(ロビン・ライト)は、レイチェルの子供はレプリカントなので人類の危機に関わる、人類と人間の壁を越えてしまう大きな問題と捉え、これらの証拠を隠蔽し、その子供を見つけ出して殺すようにKに命じます。
一方、ウォレスは常にレプリカントを労働力として使っていたのですが、レプリカントの妊娠に興味を示し、生殖能力をレプリカントに与えようと考え、彼の部下のラヴ(シルビア・ホークス)をLAPD本部に侵入させて鑑識を殺し、レイチェルの骨を盗ませ、彼女の子供を探させます。
ブレードランナー2049のネタバレあらすじ:転
そんな中、Kが再びプロテイン農場を訪れると、自身はレプリカントのはずなのに、子供の頃の記憶がある事に気付きます。それは孤児院で遊んでいた木馬の玩具の記憶です。Kが記憶を頼りに孤児院に向かうと、実際に木馬の玩具を見つけます。記憶をたどっていくにつれて、ある疑惑がKに沸き上がってきます。
それは自分がデッカードとレイチェルの子供なのではないか?という疑惑。最新型のレプリカントとして生まれてきたKには、にわかに信じがたい話でしたが、突きつけられた事実から、やがて自分はレイチェルから生まれた子供なのだと確信していくのでした。
Kは木馬の玩具を調べ、デッカードの同僚などをあたり、テロで廃墟となったラスベガスへと向かいます。Kはそこでレイチェルの夫であり、自身の父だと思われるデッカードに出会います。初めはKの事を怪しみ、銃撃したり殴り付けていたデッカードでしたが、Kが危害を加えようとしないことを知り、ようやく信用して酒を勧め、過去の事などを話し始めました。
デッカードはレプリカント解放運動に参加していましたが、妊娠中のレイチェルを守るため、彼女と離れなければならなかった。子供の行方は今となっては分からないと話します。Kもようやく落ち着き、デッカードの古い音楽コレクションを聞いていると、突然、Kの後をつけていたラヴに襲撃されます。Kとデッカードは脱出しようとしますが捕まってしまい、デッカードは連れ去られてしまいます。
ブレードランナー2049の結末
ラヴの一味に重傷を負わされ、置き去りにされてしまったKでしたが、レプリカント解放運動のメンバーに助けられます。リーダーのフレイザはレイチェルの子供のことを「彼女」と呼びます。疑問に思ったKが聞いてみると、Kはレイチェルの本当の子供アナ・ステライン(カーラー・ジュリ)を守る為に作られた、おとりのレプリカントだと判明します。
Kはレイチェルの子供ではなかったのです。本物だと思われたKの記憶は、レイチェルのおとりのために作られたものであり、本物ではありませんでした。衝撃の事実にKもショックを隠せません。
一方、ロサンゼルスのウォレスの元へ連れて行かれたデッカードは、ウォレスに「レイチェルがデッカードを好きになったのは、そうなるように設計されたからかもしれない。デッカード自身の気持ちも人工の可能性がある。」と言われ、情報を聞き出すために拷問されます。
デッカードを護送するラヴ一味の飛行車両を何者かが襲いかかります。それはKでした。Kは飛行車両を不時着させて運転手を殺し、ラヴに戦いを挑みます。激しくぶつかり合うKとラヴ、その間に不時着させた飛行車両は波打ち際で波にのまれ、沈みはじめていきます。このままだと拘束されたままのデッカードが溺れてしまいます。
ラヴはKの隙をつき、深手を負わせます。ラヴはデッカードが溺死しないよう解放に向かいますが、追ってきたKがラブの首を掴んで水面に顔をつけて殺害しました。その後、Kはデッカードを助けて、沈みゆく飛行車両から脱出します。そしてデッカードを実の娘であるアナ・ステラインのいる施設へと連れていくのでした。
デッカードは実の娘であるアナ・ステラインのいる施設へと足を進めていきます。それを見届けた後、瀕死の重傷を負ったKはアナがいる研究所の階段で静かに死を迎えるのでした。横たわったKの上に、降りだした雪が静かに積もっていきます。
以上、映画「ブレードランナー2049」のあらすじと結末でした。
「ブレードランナー2049」感想・レビュー
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『ブレードランナー』(1982年)を先に読んだ・観た状態で映画館に行ったので、独特の世界観を楽しむことができました。でも、この映画ではじめてブレードランナーを知った人には、けっこう不親切な映画だと思います。『ブレードランナー』を先に観た方が、何倍も楽しめる作品です! 時間に余裕のある人は、原作の小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』も読んでおくといいかもしれません。
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自己探求、背景分析、ディテールの深読み議論が尽きることのない「ブレードランナー」、その後の話として見に行きましたが、基本的に前作を踏襲した空気と映像は、期待を裏切(ってくれ)ることなく、世界観に浸ることがきました。衝撃的なブレードランナーの謎解明も期待してただけに、鑑賞後の心は、再び前作「強力わかもと」巨大広告映像の、夜の世界を漂ってたのを思い出します。
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ブレードランナーからの30年間を埋めるPV「ブラックアウト2022」「ノーウェア・トゥ・ラン2048」の2本も事前予習の上で映画を観に行きました。
レプリカントであるKの、記憶まで操作され利用され、それでも最後まで走り続ける人生はまさにブレードランナー。生きる上で本当のものというのは何であろうか?と考えさせられます。
ラ・ラ・ランドのライアンゴズリングが好きで、好きな某映画批評家の方々(ブレードランナーガチ世代)が熱く進めているのを聞いてライアンゴズリング目当てで見てみたけれど、ブレードランナーガチ世代じゃないとイマイチ燃えないよね。ホント、Kが不憫でならない。映像とかはとっても綺麗だったけど、なんかなぁ肩すかしをくらったような気分