ぼくとママの黄色い自転車の紹介:2009年日本映画。新堂冬樹の小説『僕の行く道』を『子ぎつねヘレン』でタッグを組んだ監督・河野圭太と脚本・今井雅子のコンビで映画化したロードムービーです。父と二人暮らしを送る主人公の少年が離れて暮らす母に会うために旅に出、行く先々で様々な人々と交流を深める様が描かれます。主題歌はさだまさしが手掛けています。
監督:河野圭太 出演者:武井証 (沖田大志)、 阿部サダヲ (沖田一志)、鈴木京香 (沖田琴美)、 西田尚美 (鈴間里美)、甲本雅裕 (鈴間誠治)、星田英利(警官)、柄本明 (正太郎)、鈴木砂羽 (浩子)、市毛良枝 (山岡静子)ほか
映画「ぼくとママの黄色い自転車」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ぼくとママの黄色い自転車」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ぼくとママの黄色い自転車の予告編 動画
映画「ぼくとママの黄色い自転車」解説
この解説記事には映画「ぼくとママの黄色い自転車」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ぼくとママの黄色い自転車のネタバレあらすじ:起
小学3年生の沖田大志(武井証)は、横浜で個人の設計事務所を営む父・一志(阿部サダヲ)と二人暮らしです。大志は一志から、母・琴美(鈴木京香)はデザインの勉強でパリに留学していると聞かされていました。大志と琴美の交流は週に一度送られてくる手紙であり、大志の宝物は琴美からもらった黄色い自転車でした。
近所には大志の叔母・鈴間里美(西田尚美)が夫の誠治(甲本雅裕)、娘の美緒(安部美央)と暮らしています。一志が出張の際、大志は里美の家に行った時のことでした。美緒は琴美に会いたいと言い出しましたが、里美は動揺しながら「ダメ」と言いました。
琴美の現在の所在地について疑問を抱いた大志は、山岡静子(市毛良枝 )という人物から琴美宛てに送られた手紙の消印や写真などから、琴美が居るのはパリではなく小豆島ではないかと思うようになりました。
意を決した大志は一志にはそのことを告げず、美緒が参加するボーイスカウトのキャンプに参加するとの口実で家を出、黄色い自転車に愛犬アンを乗せて旅に出発しました。
ぼくとママの黄色い自転車のネタバレあらすじ:承
大志は新横浜駅で美緒に会い、小豆島へ行くには岡山まで新幹線で行きて、新岡山港からフェリーに乗るとアドバンスを受けました。しかし、駅に入った大志は駅員に呼び止められ、慌てて駅を飛び出してしまいました。
大志は近くにあった「岡山運送」のトラックを見つけ、自転車で追いかけると、トラックがコンビニに駐車している間にこっそり荷台に潜り込みました。
トラックの運転手・憲雄(坂口拓)はトラックを走らせていたところ、別れた元恋人・陽子(藤原里奈)が行く手を遮ってきました。陽子は自分を裏切った憲雄からトラックを奪い、やがて荷台に忍び込んでいた大志の存在に気付きました。
大志は陽子の計らいで助手席に乗せてもらいましたが、「岡山運送」の「岡山」とは社長の名前であり、このトラックは岡山に行くわけではありませんでした。大志は西明石駅の近くでトラックを降り、陽子に憲雄の元に戻るよう促しました。
自転車で走っていた大志はたまたま出くわした警官(星田英利)に呼び止められ、保護されそうになりましたが、様子を見ていた地元の女の子・由美(梅原真子)が親戚を装って大志を助けてくれました。由美は明石焼き屋を営む母・浩子(鈴木砂羽)と二人暮らしをしており、大志はこの日は由美の家に泊まらせてもらうことになりました。
その頃、一志は大志がまだ幼かった頃、琴美がアルツハイマーを患っていることを告知された時のことを思い出していました。琴美は大志の前では明るく振る舞ってはいましたが、病状は確実に進行しており、大志を置き去りにして一人で帰ってくることもありました。
そんなある日、琴美は火事を起こして自宅を全焼させてしまい、思い悩んだ末に大志と距離を置くことを決意したのです。
ぼくとママの黄色い自転車のネタバレあらすじ:転
大志は一志に電話をかけ、キャンプに行っていると嘘をついておきました。しかし、里美は大志は琴美がパリにいないことに気付いたのではないかと考えていました。
由美は自分の父が女をつくって蒸発したこと、その際に浩子が父は仕事で遠いところに行っていると嘘をついていたことを大志に打ち明けました。大志は由美から自分は母に捨てられたのではないかと言われ、琴美は絶対に裏切らないと反発しました。
しかし、琴美の手紙のことを知った由美は大志と和解し、大志は由美と浩子に別れを告げて再び旅立ちました。
その頃、里美は美緒から大志がキャンプに参加していないこと、小豆島へ向かったことを聞き出しました。一方、大志は自転車とヒッチハイクで岡山のフェリー乗り場に辿り着きましたが、あいにくの台風接近により船は欠航してしまっていました。
仕方なく雨宿りをしていた大志は体が冷えて倒れかけたその時、愛犬アンが近くで入水自殺を図っていた老人・正太郎(柄本明)を見つけました。正太郎は大志を自宅に連れ帰り、寝かせることにしました。
正太郎は妻に先立たれたばかりで、息子・祐一(高橋努)との関係もうまくいっていませんでした。正太郎が自殺を図ろうとしていたことをしった祐一が駆けつけましたが、正太郎は祐一を追い返してしまいました。大志は祐一は正太郎を心配してやってきたのだと諭し、正太郎に死なないでほしいと懇願しました。
その後、正太郎は大志が寝ている間に一志に電話をかけ、事情を話しました。一志は大志を小豆島へ行かせないでほしいと頼みましたが、正太郎は大志には何があっても受け止める力があるとして一志の頼みを断りました。
ぼくとママの黄色い自転車の結末
翌朝、大志は正太郎に見送られてフェリーに乗り、小豆島に到着しました。大志は写真を手がかりに琴美の居場所を突き止め、静子を通じてようやく琴美との再会を果たしました。
琴美は病状が更に進行しており、車椅子生活を余儀なくされていました。そこに横浜から一志も駆けつけましたが、大志は琴美はママじゃないと叫び、一志がこれまで嘘をついていたことを責めました。
大志はこれまで琴美からもらっていた手紙を撒き散らしました。静子は実は手紙を書いたのは自分であることを告白し、琴美がまだ元気だった頃に録音しておいたメッセージを大志に聴かせました。
事情を知った大志は、旅の途中で摘み取って押し花にした黄色い花を琴美の膝の上に置きました。黄色い花は琴美の大好きな花でした。その時、琴美の指が微かに動き、大志は琴美が自分に気付いてくれたことに気付きました。
横浜に戻った大志は、これまで旅先で出会ってお世話になった人々にお礼の手紙を書きました。そして大志は黄色い自転車の籠に愛犬アンを乗せ、元気よく漕ぎ出していきました。
以上、映画「ぼくとママの黄色い自転車」のあらすじと結末でした。
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