ボーンズ アンド オールの紹介:2022年イタリア, アメリカ映画。 生まれつき、人を喰べてしまう衝動を持った18歳のマレンは父親に見捨てられ、出征証明書に書かれた母親の出生地ミネソタへ向かう。旅の途中で初めて同じ秘密を抱えるリーという青年と出会い惹かれ合っていく。しかし謎の男サリーが現れ、ふたりは危険な逃避行に身を投じていく。カミール・デアンジェリスの同名小説が原作。ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞とマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した作品。
監督:ルカ・グァダニーノ 出演:テイラー・ラッセル(マレン)、ティモシー・シャラメ(リー)、マーク・ライランス(サリー)、マイケル・スタールバーグ(ジェイク)、アンドレ・ホランド(マレンの父親)、クロエ・セビニー(ジャネル)、デビッド・ゴードン・グリーン(ブラッド)、アンナ・コブ(ケイラ)、ジェシカ・ハーバー(バーバラ・カーンズ)ほか
映画「ボーンズ アンド オール」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ボーンズ アンド オール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ボーンズ アンド オール」解説
この解説記事には映画「ボーンズ アンド オール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ボーンズ アンド オールのネタバレあらすじ:起
アメリカ、バージニア州。18歳のマレンは生まれながらに人を喰べる衝動を抑えることができない少女でした。父親はそのことを世間にひた隠しし、目立たないようひっそりとふたりで暮らしていました。
しかしマレンは友達とのお泊り会で友人の指を食いちぎってしまい、父は身を隠すために彼女を連れてメリーランド州へ逃げてきました。
その翌日。「もう助けてやれない。赦してくれ」とメッセージを吹き込んだテープと、マレンの出生証明書を残して父はマレンを置いて去ってしまいました。
ひとりぼっちになったマレンは、自らのルーツを知るために顔も知らない母親を探す旅に出ることにしました。手がかりは出征証明書に記された母の出生地ミネソタの住所です。マレンはバスに乗り込むと、父が残したテープを再生しました。
ボーンズ アンド オールのネタバレあらすじ:承
バスの乗り換えで翌朝まで野宿しようとしていたマレンは奇妙な男から声をかけられました。サリーと名乗る男はマレンの同族<イーター>でした。「匂いで同族は分かる」と語るサリーは、病気などで余命わずかとなった人間を見つけては、死を待ち喰べるという彼のルールを持って生きていました。
「決して同族は喰べない」と言うサリーは、一緒にいていいとマレンを家に誘います。家主の老女が息絶えるとサリーとマレンはむさぼるように喰いつくしました。しかし、マレンは食事が済むと不穏な気配を感じ取り、逃げるようにバスへ乗り込みました。
インディアナ州に入ったマレンは、リーという青年と出会います。互いに同族だとすぐ気付きました。自由に生きるリーを見て、マレンは思わず「助けてほしい」と頼みます。リーは17歳でケンタッキーの家を出て4年、時々妹に会うために帰郷する以外はずっと1人で放浪して生きていました。
これまでに誰にも自らの秘密を打ち明けたことがなかったリーでしたが、マレンに少しずつ心を開いていきました。ふたりは互いに惹かれ合い、リーがマレンの母親がいるミネソタまでトラックで連れていくと約束したとき、はじめてキスを交わしました。
ボーンズ アンド オールのネタバレあらすじ:転
アイオワ州に着いたふたりは移動遊園地に行きました。空腹のマレンのために、リーはターゲットを見つけます。彼は家族のいないひとり者を狙うことをルールとしていました。ところが、全てが終わってから、被害者の男には妻と幼い子供がいたことが分かり、マレンは激しく動揺してしまいます。仕方がなかったというリーに納得できないまま、母の家にたどり着いたマレン。
しかし家には母の養母だというバーバラ・カーンズしかいませんでした。母は精神病院に入院しているとのこと。さっそくマレンは病院を訪ねました。そしてついに母ジャネルと再会を果たしましたが、彼女もまた人食いだったことを知ります。両腕は自ら喰い失っており、同族である娘マレンの死を望んでいました。
そしてショックを受けるマレンに母は襲い掛かろうとしました。振り切って逃げ出したマレンは怒り任せにリーに当たります。宿命を受け入れるしかないと訴えるリーの言葉は彼女に届かず、リーが眠っている間にひとり立ち去ってしまいました。
そんな彼女の前に、サリーが現れました。彼はずっと彼女を付けていたのです。付きまとうサリーにマレンは断固として拒否しました。
一方、マレンがいなくなったことに気づいたリーはショックを受け、ケンタッキーへ戻っていきました。
ボーンズ アンド オールの結末
しかし、マレンとリーの愛は離れている間にも育っていました。行く当てを失ったマレンはリーを追いかけケンタッキーへとやってきました。
再会したふたりは再び旅に出ました。道中でリーは父親の話を聞かせました。父に襲われたリーは、そのときはじめて父が人喰いであることに気付いたとのこと。父を殺して死体を隠して、あとで食べたときに楽しんだ自分がいたことを涙ながらに告白しました。
ミシガン州に着くと部屋を借りて仕事を探すことにしました。ふたりは生まれて初めての平穏な幸せに満ちた日々を送ることができました。
ところがある日、帰宅したマレンは何者かに襲われてしまいます。サリーが彼らのアパートに侵入していたのでした。マレンにナイフを突き立てるサリーの目は憎悪に満ちていて、なぜ自分を捨てたか問いました。そこへリーが帰宅します。乱闘の末サリーの息の根を止めることができましたが、リーも致命傷を負ってしまいます。
胸からあふれ出る血液は止まることがありませんでした。死を悟ったリーはマレンに言いました。
「骨まで食べてほしい」
最初は拒否していたマレンでしたが、リーが助からないことを知ると、彼の願いを叶えたのでした。
以上、映画「ボーンズ アンド オール」のあらすじと結末でした。
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