キャリーの紹介:1976年アメリカ映画。ホラー小説の有名作家、スティーブンキングの小説、キャリーを映画化した作品で、作品が公開されたアメリカでは大ヒットを記録しました。友人からも母親からも嫌われている女子高生キャリー。しかし彼女には怒りを引き金に念動力を発揮する能力があった。
監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:シシー・スペイセク(キャリー)、パイパー・ローリー(マーガレット)、ウィリアム・カット、ジョン・トラヴォルタ、エイミー・アーヴィング、ナンシー・アレン ほか
映画「キャリー(1976年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キャリー(1976年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「キャリー(1976年)」解説
この解説記事には映画「キャリー(1976年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キャリーのネタバレあらすじ:同級生からのいじめ
アメリカのベイツ高校に通う一人の女の子、キャリーは冴えない容姿と内気な性格が災いして、友達がいない状態でした。そして、友達がいないにも関わらず、同級生からいじめを受けていました。そんなある日、学校のシャワー室で血を流したキャリーは、非常に驚きます。理由は初潮を迎えたからでしたが、母からそんなことを教わってきていなかったため、パニックに陥ります。そんなキャリーの姿を見た同級生は、彼女にナプキンを投げつけます。
キャリーのネタバレあらすじ:罪滅ぼし
それを見た先生は事態の収拾を図り、キャリーを揶揄った生徒たちを注意、プロムの参加禁止か、居残りの体育授業をするかの選択を迫ります。しぶしぶ先生に従った生徒たちでしたが、その生徒の一人であるスーはキャリーに行った行為に対する罪滅ぼしとして、彼女の恋人にプロムで彼女を誘うようにお願いします。それを承諾したスーの恋人はキャリーに会いますが、最初はキャリーも恥ずかしくて逃げてしまいます。しかし、何度のアプローチを経て、キャリーも答えはじめ、初めてのプロム参加を母に報告します。母の答えは反対でした。
キャリーのネタバレあらすじ:プロムへの参加
それでもなんとかプロムへ出るためにドレスを着て、スーの恋人と一緒になって出るので、キャリーの心はとてもウキウキしています。そのころ、キャリーの同級生が何やら不穏な計画を練っていました。彼らは豚の飼育場に行くと、豚を殺していきます。プロムが開催され、なんとスーの恋人とキャリーはその年のプロムのベストカップルに選出されました。
キャリーの結末:大混乱と能力の覚醒
嬉しさでたまらないキャリーは壇上に上がりますが、そのとき、頭上から大量の豚の血がキャリーめがけて落ちてきました。同級生がキャリーのプロムを台無しにしようと画策していたのでした。それに怒ったキャリーは秘められていた能力を発揮、超能力で会場の人々を次々に殺していきます。そして町を混乱に陥れると、自分の家へ到着、自分をこのようにした母を殺害、そして石を浮上させ、家の中に閉じこもり、大量の石を家へと降らせるのでした。
「キャリー(1976年)」感想・レビュー
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繊細な美少女でありながらどこか恐怖を感じさせる危うい魅力たっぷりのシシー・スペイセクが主人公キャリーを演じています。本当に彼女の演技は素晴らしいです。何であんなに怖いんだろう・・・。線の細さとか色素の薄さとかなのかな?醸し出される雰囲気がすごい。この作品で彼女を気に入った方は、同じく彼女の危うさと怖さ全開の「三人の女」を観てほしいです。マニアックなのであまり出回っていないかもしれませんが・・・。これはホラーではないんだろうけど、精神的な怖さがひたひたにじり寄ってくる感じです。
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遅すぎる初潮を、学校のシャワールームで迎えたキャリーは、狂信者の母からは、性的な成長を罪悪視されて育ち、クラスでは虐めにあっている超能力者だ。
恒例の学園のダンス・パーティへの出場を、キャリー虐めが原因で禁じられた生徒は、その恨みから、キャリーに豚の血を浴びせ、ここでキャリーの破壊的な超能力が爆発するのだった————-。
このブライアン・デ・パルマ監督の「キャリー」は、公開当時のオカルト映画の流行の波に乗って製作された作品だ。
と言っても、ここにあるのは、青春学園ドラマの瑞々しい輝きだ。薄幸の少女キャリーの超能力が、母や学友に虐めぬかれた末に、思春期特有の繊細で、昂ぶった感情が爆発したものに見えるところにも説得力があり、キャリーを演じるシシー・スペイセクの年齢を超越した”若さ”と”奇妙な味”には、ただ唖然とさせられる。
このシシーの演技は、後のデ・パルマの作品を考えてみると、彼の演出力によるものというよりも、むしろシシー自身の演技力によるものだと思う。
デ・パルマがその本領を発揮するのは、巧みに積み上げられる恐怖シーンや、的確に表現されている思春期の少年少女が持っている残酷さだ。
そして、最後の最後にある衝撃のシーン。
ここには、青春の持つ無知と、残酷さに対する復讐の思いが塗り込められていると思う。
スティーブン・キングのデビュー作にしていきなりの映画化!映画版はヒットしホラーとしてだけではなく青春映画としての側面もあるのだろう。
見どころはやはりプロムパーティーの壇上でキャリーが豚の血を浴びせられ侮辱されたことに対し超能力を発揮するシーンだろう。画面二分割など独特のカメラワークが印象的だった。
監督のブライアン・デ・パルマはその後もカーク・ダクラス主演の「フューリー」というこれまた超能力をテーマにした映画を撮っているのでこの監督のなかで超能力というモティーフに対して思うことがあったのだろう。