カオスの紹介:2005年カナダ,イギリス,アメリカ映画。ベテランと新米の刑事が張り巡らされた策略に挑むサスペンス・アクション。シアトルで銀行強盗が発生した。犯人グループの要求は、数ヶ月前に犯人もろとも人質を死なせ停職処分中の刑事、コナーズを現場に引きずり出すこと。新人のデッカーとコンビを組んだコナーズは指揮を執るが、犯人グループには逃げられてしまった。捜査を続けるコナーズ達の前に次々現れる謎。やがてそれらは驚愕の真実を暴くのだった。
監督:トニー・ジグリオ 出演者:ジェイソン・ステイサム(クエンティン・コナーズ)、ウェズリー・スナイプス(ローレンツ)、ライアン・フィリップ(シェーン・デッカー)、ジャスティン・ワデル(テディー・ギャロウェー刑事)、ヘンリー・ツェーニー(マーティン・ジェンキンス刑事)ほか
映画「カオス(2005年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カオス(2005年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カオスの予告編 動画
映画「カオス(2005年)」解説
この解説記事には映画「カオス(2005年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カオスのネタバレあらすじ:銀行強盗
舞台は現代アメリカ、ワシントン州シアトル。夜のパール・ストリート橋で車の事故が起こります。運転していたのは強盗容疑で追われているジョン・カーティス。彼は人質を盾に包囲する警察から逃げようとしていました。しかし警察側の発砲で、カーティスも人質も死亡してしまいます。後日担当した2人の刑事が責任を問われました。同僚刑事が検察側の証言に立ったこともあり、クエンティン・コナーズ刑事は停職処分。相棒のヨーク刑事は懲戒免職処分となります。
それから2ヶ月後。シアトルのグローバル銀行に強盗が入りました。犯行グループは人質を取り、保安システムで入口を封鎖します。銀行の外では、刑事のバーニー・カーロが現場の指揮にあたっていました。そこに強盗団のリーダー、ローレンツから電話がかかってきます。彼らの要求はただひとつ、担当刑事をコナーズにすることでした。コナーズの上司マーティン・ジェンキンス刑事は、条件付きで復職を認めます。それは新人のシェーン・デッカーとコンビを組むこと。ジェンキンスは問題があればすぐに連絡しろとデッカーに指示します。
現場に出たコナーズは敵の狙いを探るため、ローレンツに連絡を取ります。慣れているのかローレンツは非常に落ち着いた様子で話し、「混沌(カオス)の中にも秩序はある」と呟きました。コナーズは時間稼ぎが狙いだと判断し、すぐに突入を指示します。電力を切って保安システムを破り、SWATとも協力して一気に解決に持って行くつもりでした。しかし直前になってローレンツの罠だと気付いたコナーズは作戦を中止させます。指示を無視したSWATが突入しようとすると、銀行内で爆発が起こりました。周囲がパニックに陥る中、警察は強盗団を取り逃がしてしまいます。
カオスのネタバレあらすじ:深まる謎
捜査を始めるコナーズ達。FBIからは、ローレンツ達の狙いは中東の大富豪アマー王子の貸金庫ではないかと情報が入ります。しかしどうにも釈然としません。その頃、コナーズとローレンツの会話を聞き直していたデッカーは、ローレンツの指示には暗示があると気付きます。そしてコナーズに、カオス理論を知っているかと尋ねました。ダイナーに移動し、デッカーはカオス理論について説明します。カオス理論とは、関連性がなくバラバラに見えるものでも、最後には全ての断片がはまるという数学上の理論でした。しかしコナーズは真面目に取り合わず、10ドル札を置いて出ていきます。デッカーは苛立ちながら10ドル札を財布にしまいました。
捜査を進めると、マスコミのカメラに強盗団の1人が映っていると判明します。男の名はデーモン・リチャーズ。2年前強盗未遂で逮捕されています。デーモンの恋人ジーナの部屋に向かった警察は、隠れていたデーモンと銃撃戦になりました。窓から逃走したデーモンをデッカーが追い詰め、コナーズが逮捕します。ジーナの部屋からは大量の紙幣が見つかりました。その紙幣には香りがついています。警察は紙幣を押収した際、証拠が消えないように香りを付けるシステムを採用していました。紙幣番号も調べた結果、本来なら警察の証拠保管室にあるはずの金だと判明します。
コナーズとデッカーは保管室に向かい、紙幣が盗まれていることを確認。入室記録をチェックすると、カーロの署名がありました。コナーズ達は、カーロがローレンツと結託していると推測します。しかしカーロは自宅で何者かに殺害されていました。コナーズ達が到着すると、見張っているかのようなタイミングでローレンツから電話がかかってきます。彼は「俺が罰する。復讐してやるからな」と警告しました。そこへFBIから連絡が入り、王子の貸金庫は無事だと判明します。つまり今回の犯行では銀行から何も盗んでいないということになり、警察は困惑しました。
「最初に戻りましょう」と発言したデッカーは、もう1度銀行の警備カメラをチェックしてみます。すると僅かにカメラのアングルが変わった瞬間を目撃しました。わざわざアングルを変えたということは、死角で見られたくない何かが行われていたということ。該当する場所のパソコンを調べると、以前違法コピーで逮捕されたクリス・リーの指紋が検出されました。急いでリーの家に向かいますが、彼は既にローレンツに殺害されていました。
カオスのネタバレあらすじ:敵の正体
コナーズとデッカーは、デーモンを脅して情報を引き出します。デーモンによると、ローレンツの本名はスコット・カーティス。パール・ストリート橋で死亡したジョン・カーティスの兄です。今夜強盗団が隠れ家で落ち合うことになっていると知った警察は、夜の闇に紛れて家を包囲しました。しかしスコットはなかなか現れません。その上隠れ家に到着した強盗団2人に気付かれてしまい、銃撃戦に発展。警察は隠れ家に突入しますが、家には爆弾が仕掛けられていました。デッカー達はすぐに退避しますが、コナーズが逃げ遅れ爆発に巻き込まれてしまいます。
消火活動の後、警察官バッジを付けている黒焦げの遺体が発見されました。デッカーが深い悲しみと怒りの中署に戻ると、捜査官のデックスが「目的を突き止めた」と言い出します。史上最大規模の銀行強盗だと話すデックスに、説明を求めるデッカー。強盗団の目的は、銀行のパソコンにウィルスを入れ、複数の口座から金を架空口座に振り込ませることでした。少額なら保安システムにも引っ掛からず、複数の架空口座を使って移動させ続けているため金の行方は把握されません。この手口では10億ドルもの金が消えています。デッカーが規模の大きさに打ちひしがれていると、携帯電話に着信がありました。相手はなんとスコットです。怒りを滲ませるデッカーですが、スコットは全く怯まず「カーロは価値がない」とまで言い放ちました。しかしデッカーは疑問に思います。警察内部にいるカーロが無価値であるはずがありません。
そこでもう一度証拠保管室のカーロの署名を確認してみると、字がまるで違うと判明しました。偽装したのは保管室の主任ハリーです。彼は裁判で仲間を売ったカーロに腹を立て、陥れようと考えていました。スコットについて、「やつはコナーズを熟知しているから」とこぼすハリーに、デッカーは違和感を覚えます。そしてハリーが、コナーズに詳しい誰かを庇っているのだと気付きました。パール・ストリート橋の事件で仕打ちを受けた人間。それは人質を誤って射殺した、コナーズの元相棒ヨークでした。ローレンツの正体は、スコットではなくヨークだったのです。
カオスのネタバレあらすじ:隠された真実
デックスに頼んでヨークの居所を突き止めたデッカーは、ちょうどダイナーから出て来た彼に銃口を向けます。ヨークは素早く身を翻して逃走。港に追い詰めたデッカーは激しい殴り合いの末、ヨークを射殺しました。長い1日だったとようやく一息ついたデッカーは、ダイナーで会計をしようと財布を開いて、ふとある香りに気付きます。それはジーナの家で嗅いだ、紙幣に着けられていた香りでした。
記憶を探るデッカーが取り出した10ドル札。これは以前、コナーズが置いていったものです。デッカーはある恐ろしい予感に駆り立てられ、急いでコナーズの家へ向かいました。そして彼の本棚に、ジェームズ・グリックの『カオス理論』を発見します。彼はカオス理論について熟知していたのです。デッカーが急いで調べると、ジェームズ・グリックの名前で飛行機の予約を入れている客がいました。
カオスの結末:カオスが示した結論
空港に到着したデッカー。そこに電話がかかってきます。応じると、かけて来たのはコナーズでした。彼こそがこの一連の事件の真の黒幕だったのです。グローバル銀行突入の際、電力を切らせたのもウィルスを隠す時間を稼ぐためでした。隠れ家の爆発もコナーズ自身が計画したもので、彼はスコット・カーティスを殺害し、警察官バッジを付けて自分の遺体かのように偽装したのです。そして地下室に降りて爆発をやり過ごし、消防隊員に紛れて逃走しました。カーロについて言及した電話もコナーズからのものです。「ある行為がほかの行為を引き起こし、ついにはパターンが現れる。それが“カオス理論”だ」とコナーズ。
憤るデッカーに、コナーズは任務には命をかけて取り組んできたと言います。しかし警察はコナーズを見捨てました。そこでコナーズは警察に見切りをつけてしまったのです。デッカーがどんなに探してもコナーズは見つかりません。コナーズは「もう行くよ」という言葉を最後に、電話を切りました。そしてリーのウィルスで儲けた金を使い、富豪としてプライベートジェットに乗り込みます。そのまま離陸し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画カオスのあらすじと結末でした。
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