シンデレラマンの紹介:2005年アメリカ映画。20世紀前半、才能がありながらも世界恐慌や怪我により貧困生活を強いられた実在のボクサー、ジェームス・J・ブラドックが逆境をはねのけ、遂には世界王者に上り詰めるまでを描いた伝記ドラマです。
監督:ロン・ハワード 出演者:ラッセル・クロウ(ジェームス・J・ブラドック)、レネー・ゼルウィガー(メイ・ブラドック)、ポール・ジアマッティ(ジョー・グールド)、パディ・コンシディン(マイク・ウィルソン)、クレイグ・ビアーコ(マックス・ベア)、ブルース・マッギル(ジミー・ジョンストン)、クリント・ハワード(ハリー/レフェリー)ほか
映画「シンデレラマン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シンデレラマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「シンデレラマン」解説
この解説記事には映画「シンデレラマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シンデレラマンのネタバレあらすじ:起
1928年11月30日、ボクシングのライト・ヘビー級、ジェームス・J・ブラドック(ラッセル・クロウ)はニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンのリングに立っていました。強力な右ストレートを武器にのし上がって来たブラドックはこの日も10試合連続となるKO勝ちを収め、マネージャーのジョー・グールド(ポール・ジアマッティ)を始め周囲の人々は誰もがタイトル奪取も夢ではないと信じていました。そしてブラドッグは最愛の妻メイ(レネー・ゼルウィガー)と娘ローズマリー(アリエル・ウォーラー)、息子ハワード(パトリック・ルイス)ら子供たちに囲まれ、幸せな生活を送っていました。
しかし、世界を襲った大恐慌と利き腕の右手の怪我により、ブラドッグの人生は坂道を転がり落ちるように転落していきました。ファイトマネーの減少で裕福だった暮らしも一転、ブラドッグ一家は極貧のどん底生活を強いられるようになってしまいます。ブラドックはボクサーのみならず日雇いの仕事にも就きましたが暮らしは一向に良くならず、友達が親元を離れて他所にやられることを聞いた息子は不安から肉屋からサラミを万引きしてしまいます。サラミを肉屋に返したブラドックは、絶対に子供たちを他所にはやらないと固く誓いました。
シンデレラマンのネタバレあらすじ:承
家賃や光熱費の支払いに困ったブラドックは、グールドの制止を振り切り、怪我をおして試合に臨みましたが、その最中にとうとう手を骨折してしまい、試合は無効試合となり、ファイトマネーをもらえなくなったブラドックはプロモーターからライセンスを剥奪されてしまいます。
もう二度とリングに立つことができなくなり絶望するブラドックでしたが、メイの励ましもあって波止場の仕事に就くことができました。しかし、それでも生活は一向に楽にはならず、遂には自宅の電気を止められ、子供たちは寒さで熱を出してしまい、病院に行く金もなかったことからメイは独断で子供たちを暖房のある自分の親元に預けてしまいます。それを知ったブラドックは生活保護を申請するために連邦緊急救済局に向かい、その足でボクシング協会に出向いて援助を求めました。ようやく金を工面して子供たちを連れ戻したブラドッグは元マネージャーのグールドから、怪我で出場を断念した選手の代わりに世界ランキング2位のコーン・グリフィン(アート・ビンコースキー)との試合の話を持ち掛けられました。ブラドッグは勝敗に関わらずもらえるファイトマネー250ドルのために話を引き受けました。
シンデレラマンのネタバレあらすじ:転
1934年6月14日、マディソン・スクエア・ガーデンのリングに舞い戻って来たブラドックは下馬評を覆し、長いブランクをも乗り越えてわずか3ラウンドでグリフィンに勝利を収めました。当初はこの一試合限定の復帰のつもりだったブラドックでしたが、この勝利ですっかり自信を取り戻したのとグールドの説得、そしてボクサーのライセンスが再交付されたこともあり、いよいよ本格的にカムバックする決意を固めました。
しかし、夫の現役復帰に戸惑いを隠せないメイは、グールドの元に出向いて真意を問い質そうとしたところ、グールドのマンションは家財道具を全て売り払っており、ブラドック同様にギリギリの生活をしていることを知り、ここで夫とグールドの並々ならぬ覚悟を目の当たりにしました。
グールドはプロモーターに頭を下げて試合の話をもらい、ブラドックも家族の為に猛トレーニングに励み、次々と勝利を積み重ねて遂にはヘビー級世界王者マックス・ベア(クレイグ・ビアーコ)への挑戦権を手にしました。ようやく貧困から脱出したブラドックは救済局に生活保護の金を返し、メイに花束を贈りました。
シンデレラマンの結末
ベアはリングで対戦相手2人を殺したという伝説を持つほど圧倒的な強さを誇っていましたが、ブラドックは家族のため、そして自身の誇りのために戦う決意を示しました。
そして迎えた試合当日の1935年6月13日、会場のマディソン・スクエア・ガーデンに向かうブラドックのもとには多くの労働者たちが駆け付けて声援を送りました。そしてブラドックの勝利を願って教会で祈る人々の姿も。貧困から這い上がり、家族のために戦い続けるブラドックは、いつしか“シンデレラマン”という異名がつけられていました。
リングに立ったブラドックは、挑発的な態度を取るベアの殺人パンチにも決して屈せず、反撃のチャンスを伺いながら耐え続けました。さすがのベアも遂に本気を出して猛攻を仕掛けましたが、ブラドックは不屈の闘志で立ち向かい、とうとう最後の15ラウンドまで闘い抜きました。そして勝敗は判定に持ち込まれ、その結果ブラドックは奇跡の勝利を勝ち取り、念願のチャンピオンの座に辿り着きました。
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