コンペティションの紹介:2021年スペイン, アルゼンチン映画。大富豪の起業家ウンベルトは80歳を迎え世間に対してのイメージアップのために一流の映画監督と俳優を起用した傑作映画を製作することにした。変わり者だが天才女性監督のローラ、世界的大スターのフェリックス、そしてベテランの一流舞台俳優のイバンの3人が集結しベストセラー小説の映画化に挑む。しかし、個性の強い3人はまったく気が合わず、リハーサルは予想外の展開を迎えることとなる。
監督:ガストン・ドゥプラット、マリアノ・コーン 出演:ペネロペ・クルス(ローラ・クエバス)、アントニオ・バンデラス(フェリックス・リベロ)、オスカル・マルティネス(イバン・トレス)、ホセ・ルイス・ゴメス(ウンベルト・スアレス)、マノロ・ソロ(マティアス)、ナゴレ・アランブル(フリア)、イレーネ・エスコラル(ディアナ・スアレス)、ピラール・カストロ(ビオレタ)、コルド・オラバリ(ダリオ)、フアン・グランディネッティ(アリエル)ほか
映画「コンペティション」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「コンペティション」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「コンペティション」解説
この解説記事には映画「コンペティション」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
コンペティションのネタバレあらすじ:起
製薬業界のトップに君臨する男ウンベルトは80歳の誕生日を迎え、部下に虚しさを吐露していました。「富と名声だけでは意味がない…」と、自分の名前を後世に残したいと考えていました。
「自分の名前を冠した橋を建設するか…いや、映画だ!それもただの映画じゃない。傑作を作る!」
そんな気まぐれにのっとって、監督はローラ・クエバスに依頼されました。彼女は今最も注目されている監督で映画賞を総なめした天才でしたが、変わり者としても知られていました。原作にはノーベル賞を受賞した小説『ライバル』が選ばれ、ウンベルトは多額の資金を払って権利を取得しました。
ローラのキャスティングで主人公の兄弟役には、老練な超一流俳優イバン・トレスと、人気と実力を兼ね備えた世界的大スターのフェリックス・リベロが決まりました。2人はキャリアから演技メソッド、さらには私生活まで全く真逆のタイプでした。ローラはそれを十分理解した上で起用したのでした。
コンペティションのネタバレあらすじ:承
リハーサル初日、役柄の分析においてイバンとフェリックスは早速対立してしまいます。脚本の読み合わせにおいては、今度はローラが「こんばんは」のセリフを何度もイバンに言わせ、高圧的にダメ出しをしてきました。
2日目には、ローラから泣く演技を強要されたイバンが腹を立てて椅子を叩き壊すと、破片で顔を切ったフェリックスまでブチ切れ…と波風が吹き荒れました。
しかし最後には2人の素晴らしい演技が引き出され、フェリックスは「オスカーが見えてきた」とすっかりご機嫌になりました。そんなフェリックスにイバンは「あんなバカげた賞、死んでも関わらない」と毒づくのでした。
リハーサル3日目は、フェリックスが大遅刻をしてきました。彼を待つ間、こっそり鏡の前で授賞式のスピーチの練習をしていたイバン。「受賞を辞退する」とスピーチするイバンのねじれた姿を覗き見たローラは、2人へエクササイズを命じました。それは物語の重みを感じるために、クレーンで吊るしあげられた5トンの岩の下で演技をするというものでした。
また別のエクササイズでは2人にこれまでに獲得したトロフィーを持ってこさせ、身動きできないようビニールテープでぐるぐる巻きにされた2人の前で、粉砕機に投げ込むという暴挙でした。怒り狂う2人を前にローラは平然とした態度でした。
コンペティションのネタバレあらすじ:転
リハーサルを重ねるごとに深まる3人の溝。それを決定的なものにしたのは、ある日のフェリックスの告白でした。
「すい臓がんが見つかり余命わずかと宣告された」
言葉を失うローラとイバン。2人はフェリックスに寄り添い、肩を抱いて涙しました。
その翌日、時間になってもフェリックスは現場に現れませんでした。イバンはローラに「彼に万が一のことがあったら自分が1人2役で兄弟を演じるのはどうか?髭でも蓄えれば成立しそうだ」と提案します。
そんな矢先、フェリックスが到着しました。思ったよりも元気そうな彼の姿にホッするローラとイバンでしたが、フェリックスの病気は真っ赤な嘘だったことが判明。すっかり騙された2人にフェリックスは「自分の名演のなせる業だ」と開き直って見せるのでした。
コンペティションの結末
なんとか9回のリハーサルをやり遂げクランクインを2日後に控えた日の夜、盛大なパーティが開かれました。
しかし、イバンは荒れていました。ローラからフェリックスのギャラを聞いてしまったからです。
自分の悪口を言っているイバンを見つけたフェリックスは激しい口論になってしまいます。そしてフェリックスはつい勢い余って屋上からイバンを突き落としてしまいました。はじめは動揺したフェリックスでしたが、自分がやったことがバレないと確信すると開き直り、昏睡状態に陥ってしまったイバンに悲しみの意を表する演技を披露しました。そんな彼の姿をじっと見つめていたローラは何かを察しその場から去りました。
こうして映画は完成し、お披露目が行われました。レッドカーペットにはローラと髭を蓄えたフェリックスの姿がありました。皮肉にもイバンが提案した1人2役をフェリックスがこなしたのでした。
ちょうどその頃、病室では昏睡していたイバンが奇跡的にも意識を回復させました。
「フェリックス!!」イバンは叫びました。
そして完成したばかりの橋の上では、出資したウンベルトがテープカットを行っていたのでした。
以上、映画「コンペティション」のあらすじと結末でした。
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