映画「DAU. ナターシャ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
DAU. ナターシャの紹介：2020年ドイツ,ウクライナ,イギリス,ロシア映画。ソ連某所の秘密研究所。その施設では科学者たちが軍事的な秘密の研究を行っていた。施設内にある食堂で働くナターシャはある日、研究所に招かれていたフランス人研究者と関係を持ってしまう。自由恋愛が禁じられていた施設内で情事をおこなったナターシャは当局よりスパイの容疑をかけられ厳しい尋問を受けることになる。オーディション人数39.2万人、衣装4万着、欧州最大1万2千平米のセット、主要キャスト400人、エキストラ1万人、制作年数15年をかけ、「ソ連全体主義」の社会を完全再現。700時間にも及ぶ収録から編成された壮大なシリーズの第1弾。
監督：イリヤ・フルジャノフスキー、エカテリーナ・エルテリ 出演：ナターリヤ・ベレジナヤ（ナターシャ）、ウラジーミル・アジッポ（本人／尋問官）、オリガ・シカバルニャ（オーリャ）、リュック・ビジェ（リュック）、アレクセイ・ブリノフ（ブリノフ教授）、ほか
この解説記事には映画「DAU. ナターシャ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
1952年、ソヴィエト連邦秘密研究所。
ここに併設されている食堂では、秘密実験にかかわる研究者や科学者が多く利用し、いつもにぎわっていました。
その食堂でウェイトレスとして働く40代のナターシャ（ナターリヤ・ベレジナヤ）と20代の同僚オーリャ（オリガ・シカバルニャ）は、閉店作業をしながら、客が残したシャンパンを飲み、おしゃべりをすることが日課となっていました。
ナターシャは以前付き合っていた既婚男性ブリノフ教授（アレクセイ・ブリノフ）を忘れることができません。
一方、医者の娘であるオーリャは本当の恋愛を経験したことがありません。ナターシャはそんなオーリャを妬ましく思い、食堂でこき使うことで憂さ晴らしをしていました。
言い合いや取っ組み合いも頻繁にやり合いますが、2人には不思議な絆がありました。
そんなある日、店を頻繁に利用する科学者たちが人体を使って行っていた重大な研究が苦労の末、成功しました。オーリャは科学者たちのために自宅でパーティを開いて盛大に祝うことにしました。ナターシャが遅れて到着した頃には皆浴びるように酒を飲んでいました。
心地よく上機嫌な雰囲気の中で、ナターシャとフランス人科学者リュック（リュック・ビジェ）はいいムードになっていきます。自国の言葉しか話すことができないナターシャは、片言の英語が分かるオーリャを通訳に、甘い言葉をリュックへ向け、リュックもまたナターシャに魅了されていきました。
そしてその夜、ナターシャとリュックは熱い一夜を共にしました。
この後、ナターシャは孤独感を埋めるようにオーリャにウォッカを飲ませ続けました。吐いても吐いても次々注がれていくウォッカに、まともに歩けなくなったオーリャは、またいつものごとくナターシャに突っかかり、口論になります。怒ったオーリャが出て行ってしまったあとは、さらに寂しさを募らせ、ナターシャはひとり暴れまくります。
この騒ぎはやがてソヴィエト国家保安委員会へ知られることとなり、ナターシャは連行されてしまいました。
取り調べに犯罪捜査の上級役員ウラジーミル・アジッポが現れ、リュックとの肉体関係を問われます。最初は優しい口調だったアジッポでしたが、ナターシャを隣の部屋へ連れていくと豹変、リュックと寝たことを責め立てたり、「店の売上金を盗んでいるのを知っている」と濡れ衣まで着せされる始末。
拷問用の部屋を出ると、今度は優しくコニャックを勧めるアジッポ。
この薄気味悪い緩急をつけた尋問がナターシャを追い詰めていきました。
再び拷問部屋に連れていかれたナターシャは、さらなる恥辱を受けます。
全裸にさせられたあとに、コニャックの瓶を膣に挿入するよう命令をするアジッポ。ナターシャは心理的にも肉体的にも激しい尋問を受けて、打ちのめされてしまいます。
つぎにアジッポが命じたのは、ナターシャにリュックをスパイとして告発することでした。すでに抵抗する気力のないナターシャはこれを受け入れ、書類に嘘の供述を書きました。
今後、科学者たちについても逐一密告することを約束させられ尋問は終わりました。
帰路についたナターシャの表情には、強い覚悟が現れていたのでした。
以上、映画「DAU. ナターシャ」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する