特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTERの紹介:2015年日本映画。2004年から2005年にかけて放送された「スーパー戦隊シリーズ」第28作『特捜戦隊デカレンジャー』。本作はテレビ本編から10年後を舞台にした10周年記念作として製作され、オリジナルキャストが再集結、宇宙警察地球署を揺るがす陰謀にデカレンジャーが立ち向かう様を描きます。なお、2024年には20周年記念作『特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター』の公開が決定しています。
監督:竹本昇 脚本:荒川稔久 原作:八手三郎 出演&声優:さいねい龍二(赤座伴番(バン))、林剛史(戸増宝児(ホージー))、伊藤陽佑(江成仙一(センちゃん))、木下あゆ美(日渡茉莉花(ジャスミン))、菊地美香(胡堂小梅(ウメコ))、吉田友一(姶良鉄幹(テツ))、稲田徹(ドギー・クルーガー)、石野真子(白鳥スワン)、小林里乃(キャリー)、栩原楽人(アサム・アシモフ)、秦瑞穂(ムギ・グラフトン)、筒井巧(キャリーの父)、上村祐翔(日渡氷狩)、中尾隆聖(クローンアブレラ)、中井和哉(イーガロイド)、小山力也(カイト・レイドリッヒ/アリエナイザーX)、ささきいさお(マイケル・マイクソン)、古川登志夫(ナレーション)ほか
映画「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」解説
この解説記事には映画「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTERのネタバレあらすじ:起
宇宙で多発する惑星間犯罪組織を取り締まるために設立された宇宙警察地球署。選ばれし刑事たちによって編成された「S.P.D.(Special Police Dekaranger)」、通称「特捜戦隊デカレンジャー」の6人と宇宙犯罪者・通称“アリエナイザー”たちに武器を供給していた死の商人エージェント・アブレラとの最終決戦から10年。デカレンジャーの6人はそれぞれ別の道を歩んでいました。
引き続き地球署で勤務する“ホージー”こと戸増宝児(デカブルー)、“センちゃん”こと江成仙一(デカグリーン)、“ウメコ”こと胡堂小梅(デカピンク)、そして署長代理となった“テツ”こと姶良鉄幹(デカブレイク)は2名の新人警官アサム・アシモフ(ネオデカレッド)、ムギ・グラフトン(ネオデカイエロー)を加え、新生デカレンジャーとして活動していました。しかし、すっかりやる気を失ったホージーは職務怠慢に陥っていました。
ある日、パトロール中のセンちゃんとウメコは人型戦闘ロボット・パーツロイドに追われていた宇宙人を保護しました。しかし、この宇宙人の体内には他人の体に潜り込む能力を持つクレメント星人の少女・キャリーが潜んでいました。キャリーは自らの身柄を地球署で保護してくれるよう頼みました。
地球署の新庁舎「ネオデカベース」は10年前に前庁舎デカベースがアブレラに乗っ取られた事件を教訓に、最新鋭の技術で地下に建造されました。キャリーはテツなら事情を明かせると告げ、テツは今や宇宙警察の特殊精鋭部隊「ファイヤースクワッド」の一員となっている“バン”こと赤座伴番(デカレッド)を地球署に呼び寄せました。
キャリーは2年前に起こった地球署前署長ドギー・クルーガーの事件について有力な情報を握っていました。事件の概要は、ドギーが宇宙マフィアに捜査情報を横流しして莫大な利益を得、その様子を目撃した民間人1名を殺害したというものでした。ドギーはこの際、マフィアの1人に銃で撃たれて意識不明の重体となり、今なおリヴァフル星の宇宙警察病院で昏睡状態のまま証言すらできない状態でした。
特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTERのネタバレあらすじ:承
デカレンジャーの今回の任務は、ドギー事件の重要参考人であるキャリーを無事に宇宙検察庁に護送することでした。キャリーは宇宙検察庁に到着するまでは一切証言しないと言い出しました。キャリーの証言次第ではドギーの有罪が確定してしまう状況ですが、バンはキャリーが証言しないのは地球署内に内通者がいるのではないかと睨み、あえてキャリーの意志を尊重する決断を下すと、ドギーの無実を信じるウメコにあえて「私情を挟むな」と諭しました。
納得がいかないウメコは育児休暇中の“ジャスミン”こと日渡(旧姓:礼紋)茉莉花(デカイエロー)のもとを訪れました。ジャスミンは10年前に(テレビ本編で)助けた少年で、成人後に地球署員となった日渡氷狩と超能力者同士で結婚していました。ウメコはジャスミンの能力でキャリーの心の中を読んでほしいと頼みましたが、そこにバンが訪れるとジャスミンは協力できないと断ってしまいました。
その夜、バンはホージーに密かに頼みごとをしました。バンはホージーは実は職務怠慢をしていないことを見破っていました。一方、ウメコは風呂場でロボット犬・マーフィーK9に愚痴をこぼしました。その様子を外で聞いていたセンちゃんはウメコを励まし、ウメコもようやく持ち前の明るさとやる気を取り戻しました。
一方、テツは銀河系管区警察局のカイト・レイドリッヒ局長から連絡を受け、ただちにバンを帰還させるよう命じられました。レイドリッヒはキャリーの護送はドギーと直接関わりのあるデカレンジャーおよびバンだけには任せられないと判断し、アサムとムギも同行することとなりました。
アサムとムギは護送用の宇宙艇の操縦を、センちゃんとウメコはキャリーの身辺警護を、ホージーは全体の指揮を担うことになりました。宇宙検察庁ならびにデカレンジャーに犯罪者をその場で処刑する“デリート”の指令を出している宇宙最高裁判所のあるゴワシチョル星系は“シオン・モウ・ロス現象”という現象により時間の流れの速さが地球の200万分の1となっており、宇宙最高裁判所がデリートの可否を判断するジャッジメントタイムの地球での10秒間はゴワシチョル星系では約8ヶ月に相当するのです。
ウメコは元気のないキャリーを励まそうと「手のひらを太陽に」を歌い始めたその時、宇宙艇は何者かの攻撃を受け、急遽近くの惑星リーヨに不時着することにしました。ホージーとセンちゃんはトップシークレットのはずの護送ルートの情報が何者かに流出したことを懸念しました。
その頃、地球署のテツのもとをジャスミンが、そして地球署の元メカニック担当で現在は科学捜査の独立部門で研究をしている白鳥スワンが訪れていました。テツはジャスミンとスワンに、危険な駆けだが二人にしかできない任務を頼みました。
特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTERのネタバレあらすじ:転
キャリーの宇宙艇を襲撃したのは、かつてアブレラが販売していた戦闘員イーガロイドの集団でした。デカレンジャーは変身してイーガロイド集団と交戦、デカピンクはキャリーに自分の体の中に潜り込むよう告げましたが、キャリーは他人の体には週に1回しか出入りできないと拒否、さらにはデカブルーが職務放棄して勝手にその場を離れてしまいました。
デカグリーンはシンギングポーズである逆立ちを始め、あることを推理するとデカブルーの後を追っていきました。ネオデカレッドとネオデカイエローはデカピンクにイーガロイドとの交戦を任せ、キャリーを連れていきました。デカブルーは宇宙艇に戻り、デカピンクは何とかイーガロイドを倒すと宇宙艇に飛び乗りました。
その頃、地球署ではテツがレイドリッヒからキャリーたちが襲撃されたことを知らされていました。一方の宇宙艇では、ウメコはキャリーがアサムとムギに拘束されているのを目撃していました。実はアサムとムギこそが地球署に送り込まれた内通者であり、キャリーの証言を阻止しようと暗躍していたのです。
その頃、ドギーが入院する宇宙警察病院に別個体のイーガロイドが潜入、ドギーを暗殺しようとしましたが、待ち構えていたジャスミンによって阻止されました。スワンはドギーの点滴の中に毒薬が混入されていることを突き止め、ドギーに解毒剤を注射しました。
センちゃんが推理したのは、バンが密かに作戦を練っているということでした。ホージーもバンの作戦に気づいていましたが、ウメコには知らされていませんでした。
宇宙艇は惑星ハイゴルドに向かっていました。ウメコはキャリーの手錠を外そうとしましたが、宇宙警察製ではないため開錠できません。ウメコはキャリーにデカレンジャーの絆の強さ、個々人の持ち前の長所などを熱く語りました。しかし、キャリーはなぜかデカレンジャーのことを知っているようでした。
キャリーはアサムとムギにハイゴルドの廃工場へと連れていかれ、そこでアサムとムギの親玉である宇宙犯罪者アリエナイザーXと対面しました。アリエナイザーXは宇宙警察の制服を着ていました。アリエナイザーXはキャリーにここで死ぬか証言を取りやめて自分の手下となるかの選択を迫りました。
そこにウメコが乱入、キャリーを助けましたが、キャリーは「あちゃ~」と舌打ちをしました。
アリエナイザーXはアサムやムギと共にウメコを殺そうとしましたが、突然武器を手にしたキャリーがウメコの危機を救いました。実はこのキャリーは“ミラージュディメンション”で変装していたバンだったのです。本物のキャリーはあらかじめホージーの体内に潜んでおり、ホージーとセンちゃんによって無事に宇宙検察庁に送り届けられていました。そしてジャスミンとスワンの尽力によってドギーもようやく意識を取り戻していました。ジャスミンは育児を通じて夫・氷狩の持つテレポート能力を得ており、宇宙警察病院や宇宙検察庁への移動は全てジャスミンの能力で瞬時に行ったものでした。
ジャスミンもホージーとセンちゃんを連れてハイゴルドに到着しました。バンの作戦を知らされていなかったウメコは、ホージーが職務怠慢を装って密かにドギーの情報を集め続けていたこと、ジャスミンはバンが息子に触れた際に彼の作戦を読み取ったことを初めて知りました。ウメコとセンちゃんは敵を欺くための「何も知らされていない役」だったのです。
ドギーの犯行を記録した防犯カメラの映像は偽造されたものでした。ドギーに変装していたのはミラージュディメンションを使ったレイドリッヒであり、レイドリッヒの正体こそがアリエナイザーXだったのです。ドギーは宇宙警察に潜り込んでいたアリエナイザーXが宇宙マフィアと取引しているところを突き止め、その様子をたまたまキャリーとその父が目撃していたのです。ドギーはマフィアに捕まったキャリーの父を助けようとして撃たれ、アリエナイザーXは全ての罪をドギーに擦り付けるためにドギーに変装すると口封じのためマフィアもろともキャリーの父を斬殺したのです。アリエナイザーXが去った後、満身創痍のドギーはキャリーに逃げるよう促し、父が守ってくれたこの命を大切にするよう諭すと、「警察も信じるな。信じていいのはバン、ホージー、センちゃん、ジャスミン、ウメコ、テツだけだ」と告げたのです。
特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTERの結末
バンは己の私腹を肥やすために何の罪もない一般人をも巻き添えにしたアリエナイザーXに対して怒りを燃やしましたが、アリエナイザーXは切り札としてクローン技術で再生・巨大化させた“クローンアブレラ”を投入しました。
そこにデカブレイクが巨大ロボ・ライディングデカレンジャーロボを操縦して駆け付け、クローンアブレラと戦い始めました。クローンアブレラは自分を倒しても銀河から犯罪はなくならないといきり立ちましたが、デカレンジャーロボは必殺技“ジャッジメントクラッシュ”と“ジャスティスフラッシャー”でクローンアブレラを倒しました。
アリエナイザーXはネオハイパーマッスルギアを装着してパワーアップし、アサムとムギもネオデカレッド、ネオデカイエローに変身しました。バン・ホージー・センちゃん・ジャスミン・ウメコ・テツもデカレンジャーに変身しました。
「ひとつ!非道な悪事を憎み!」「ふたつ!不思議な事件を追って!」「みっつ!未来の科学で捜査!」「よっつ!よからぬ宇宙の悪を!」「いつつ!一気にスピード退治!」「むっつ!無敵がなんかイイ!」
デカレッドとデカブレイクはアリエナイザーXと、デカブルーとデカグリーンはネオデカレッドと、デカイエローとデカピンクはネオデカイエローと交戦しました。ネオデカレッドは「老兵は去り行くのみ」と挑発しましたが、デカレンジャーは「俺たちは老兵じゃない!」とネオデカレッドとネオデカイエローを追い詰めました。
アリエナイザーXは奥の手として、ネオデカレッドとネオデカイエローを体内に取り込んでパワーアップしました。圧倒的な強さの前に追い詰められたデカレンジャーでしたが、悪を憎む心や諦めない気持ち、守りたい思い出のために立ち上がりました。
そこに“地獄の番犬”デカマスターに変身したドギーがスワンとマーフィーK9と共に駆け付け、デカレッドに愛用の剣ディーソードベガを託しました。デカレッドは“赤座剣法・雷神剣”でアリエナイザーXにダメージを与え、「正義は勝つ!」と宣言すると宇宙最高裁判所に連絡を取ってジャッジメントタイムに入りました。アリエナイザーXは「宇宙マフィアと結託して犯した機密漏洩及び数多の殺人の罪」により「デリート許可(その場で死刑執行)」の判決が下されました。
マーフィーK9はディーバズーカに変形しました。デカブルー・デカグリーン・デカイエロー・デカピンクは必殺技“ストライクアウト”を、デカブレイクは必殺拳“ライトニングフィスト”を、デカレッドは新必殺技“インパルス・ベガフラッシュ”を繰り出し、アリエナイザーXを(体内のネオデカレッド・ネオデカイエローもろとも)デリートしました。「これにて一件コンプリート!」
キャリーの証言によりドギーの無実は証明され、回復したドギーは地球署長に復帰しました。バンは父の分まで幸せになれとキャリーの背中を押しました。キャリーは故郷に戻り、ドギーはデカレンジャーの面々が見守るなかスワンにプロポーズし、スワンも受け入れました。そしてバンはファイヤースクワッドに戻ることになり、離れ離れになっても俺たちの心はひとつだと告げると、仲間たち(とデカレンジャーを応援してくれているファン)にいつかの再会を誓って地球を飛び立っていきました。
(『スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー』および『特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター』へ続く)
以上、映画「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」のあらすじと結末でした。
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