フリーダの紹介:2002年アメリカ映画。フリーダ・カーロのセンセーショナルな半生を、彼女の絵画へのオマージュと共に描く。内なる絵画に秘められたフリーダの感情とは?
監督:ジュリー・テイモア 出演:サルマ・ハエック(フリーダ・カーロ)、アルフレッド・モリナ(ディエゴ・リベラ)、ジェフリー・ラッシュ(レオン・トロツキー)、アシュレイ・ジャッド(ティナ・モドッティ)、アントニオ・バンデラス(ダヴィド・シケイロス)、エドワード・ノートン(ネルスン・ロックフェラー)、ヴァレリア・ゴリノ(ルペ・マリン)ほか
映画「フリーダ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フリーダ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「フリーダ」解説
この解説記事には映画「フリーダ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フリーダのネタバレあらすじ:不運な事故と画家の誕生
近代的な女性観を持っている奔放な女学生のフリーダは、通学途中にあった事故で奇跡的に助かるものの、長期間ほぼ全身ギプスの生活を余儀なくされてしまう。その間、彼女は自分のギプスに絵を描き、描く場所がなくなると両親ベッドにイーゼルを取り付けて寝たまま描けるようにしてくれた。彼女が父親に語る理想の未来像は、いつか身障者として自立することだった。時が経ち、杖を使って歩けるようになった彼女は、壁画を手がけていたディエゴ・リベラのもとを訪ねた。フリーダが画家として仕事が欲しいのだというと、彼は自信作を置いていけ言った。彼女の絵に才能を見出したディエゴは、後日フリーダの家を訪れ、彼女の質問に、絵を続けるべきと答えた。ディエゴはフリーダを画家仲間として、他の芸術家や思想家が集まるパーティーへ連れて行った。その席でフリーダは飲み比べで勝ちタンゴを踊った。ディエゴと一緒に仕事、デモをするようなるが友人の一線は越えなかった。しかし、友人であり同士であろうと約束した後二人は二人は結ばれ、恋人同士になった。彼女の絵を、ディエゴは心の世界を書いていると誉め、結婚を申し込んだ。彼の放蕩ぶりは知っていたので、フリーダは貞節を求めない代わりに忠実さだけを求めた。 二回も離婚しているうえに無神論者で共産主義者のディエゴが気に入らない両親は最後まで結婚に反対し、周りも結婚式の場で何ヶ月で別れるか賭けをされる始末だった。
フリーダのネタバレあらすじ:破綻していた結婚生活とNYへの進出
彼の元妻ルペが二階に住んでいると言う時点で結婚生活は破綻していた。ディエゴは誰のものにもならない、彼は彼自身のものでそれが彼の魅力だった。最高の友人だが夫としては最低で、昼食に帰ってくる時でさえ他の女の匂いをさせていた。最近はファシストたちからも共産党員からもつまはじきにされていた彼は、NYでの個展を計画していた。そして開かれた彼の個展に人々は殺到した。アメリカは彼の野心を良しとし、ディエゴは浮名を流し、彼の浮気相手にフリーダも言い寄っていた。そして、彼の名声と共にフリーダも取材されることがあった。 そんな折、フリーダの妊娠が発覚。彼女の身体の心配と同時にアメリカでの仕事を心配するディエゴだったが、子供は早くに死産してしまった。フリーダはホルマリン漬けの胎児を描いた。そして母が危篤という知らせにメキシコに戻ると、妹は離婚していた。 ロックフェラーがディエコの壁画に支払いをすると言うことが新聞に載った。そこに描かれたレーニンの肖像が問題で、書き直しを依頼されるが、断固拒否をするディエゴ。フリーダも理想に駆り立てるのはディエゴの絵だけで、絵を壊されても勝ちだと言った。そして、ロックフェラーは書き直しに応じないディエゴに報酬を払い解雇、壁は壊された。 メキシコに帰ってきた二人は、橋で繋がれた別棟にそれぞれ住むと言う形を取った。欝気味のディエゴのアトリエの片づけを、仕事をしたいと言っていた妹に頼むと、彼は妹に手つけていた。彼はただの浮気だと言うが今までのモデルや社交場で会った女性ではなく実の妹だと言うことに、彼女は傷つき、家を出た。新しい部屋で髪を短くし、当面の生活費を今までの絵を売って工面しようとするものの、ルペはフリーダの絵は難解でお金になるかわからないと言った。
フリーダのネタバレあらすじ:トロツキーとの関係
墓地で行われる祭りで、母の墓にいたフリーダに会いに来たディエゴはトロツキーの亡命も助けるために協力が欲しいと頼んだ。そして彼女は家を改造しトロツキー夫妻を迎えた。
彼らに絵を誉められるも、フリーダは私の絵は個人的なものだというだけだった。アステカの遺跡へ行き、トロツキーとピラミッドの登った彼女は自分は体中つぎはぎで人間は意外と苦痛に耐えられると話し。娘と息子と一人殺されたトロツキーは、命の喜びを味わうのは何年ぶりだろうと遺跡みて話した。二人の間は急接近したものの、トロツキー夫人が気付き、近くへ引っ越すことになった。ディエゴはトロツキーとの関係を責めるがフリーダは、結婚の約束をしたがディエゴは夫ではなかったと言った。パリで個展を開いたフリーダだったが、盛り上がりはイマイチ。メキシコがものめずらしいだけだと愚痴を零すも、そんな事はおくびにも出さない手紙をディエゴに当てたフリーダ。その頃、トロツキー夫妻は寝ている所を暗殺者に襲撃され、ディエゴは帰国した彼女に離婚してくれるよう頼んだ。政治亡命者をこの国で殺されたら困るメキシコ政府は、フリーダを拘束し夫はどこだと問うが離婚済みなので夫はいないと答えるしかなかった。拘置所に迎えに来た妹がディエゴが怒って大統領に電話し保釈に至ったと話した。
足を切りオ落とさないと、壊疽。脚は無事。再び車椅子の生活へ。
フリーダの結末:ディエゴとの二度目の結婚生活
定期的検診で、足の指を壊疽のため切断しなければいけなく無くなり、再び車椅子生活に戻ったフリーダの元に、再び結婚を申し込みに来たディエゴ。結婚しない理由として自分の欠点をあげつらった彼女にもディエゴはめげずに昔の二人に戻ろうと言った。妹がほぼ寝たきりのフリーダの介護をした。彼女は死んだら焼いて、もう寝るのはたくさんだと枕もとのディエゴに言った。夢だった国内の個展が開かれ顔を出したいフリーダは、こじらすと肺炎になるからベッドで安静にるすよう医者に言われていた。個展で彼女について話すディエゴ。そこへベッドに寝たまま運ばせ、登場したフリーダは音楽鳴らしテキーラを飲んだ。寝床で絵を描いているフリーダは枕元にディエゴを呼び、銀婚式のお祝いをした。「出口が喜びに満ちているといい。私は戻りたくない。」という、彼女のかたりと共に、描かれた彼女のベッドが燃える。次第に青くなっていく絵と共にエンドロールとなる。
映画フリーダのあらすじと結末でした。
フリーダのレビュー・感想:感情の出口としての絵画
全編を通して、それが全身ギプスであってもフリーダは快活な女性として描かれている。ギプスの上からやがてカンバスに筆が伸びていく様はあふれ出すフリーダの感情を絵にすることで表しているように思える。彼女の絵は難解と評されることもあるが、この作品の中ではストーリーの進行と絵をうまくかけ合わせていて、フリーダの心情描写のひとつとして、フリーダの絵を見せてくれる。それは劇中で言われている、フリーダの絵は外ではなく内側を描いているという台詞や、自分の絵は個人的なものという台詞ともまた呼応している。
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