ふがいない僕は空を見たの紹介:2012年日本映画。男子高校生と主婦の不倫関係を中心に、いじめや貧困、姑問題と多くの人々が抱えている苦しみがつまった物語。このような苦しみから人は逃れることがないのだろうかと暗い気持ちになるけど、命の大切さに気付き希望を胸に生きていく主人公たちに救われる気持ちになります。
監督:タナダユキ 出演:永山絢斗(斉藤卓巳)、田畑智子(岡本里美・あんず)、窪田正孝(福田良太)、小篠恵奈(あくつ純子)、田中美晴(松永七菜)、三浦貴大(田岡良文)、ほか
映画「ふがいない僕は空を見た」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ふがいない僕は空を見た」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ふがいない僕は空を見たの予告編 動画
映画「ふがいない僕は空を見た」解説
この解説記事には映画「ふがいない僕は空を見た」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ふがいない僕は空を見たのネタバレあらすじ:起
サラリーマンの夫と暮らす岡本里美(田畑智子)は、夫の母・マチコから早く孫の顔を見せてほしいと催促されていました。子供ができないのは里美のせいだと一方的に決めてかかるマチコは、体外受精を勧めます。
その後里美は、半ば強引に不妊治療を受けさせられることになりました。不妊治療を始めたものの、体力的にも精神的にも辛い里美。日々苦しみを感じる里美ですが、夫の慶一郎はというと、自分たちの子どもをほしいとはあまり思っておらず、しかも不妊治療をしている里美の苦しみに無関心なところがありました。
体外受精にはお金がかかりますが、マチコがその費用を前面工面してくれています。里美の妊娠を希望するマチコですが、なかなか体外受精が上手くいかず、失敗を繰り返します。そして体外受精が失敗したと告げたある日、これまでずっと我慢してきた怒りがこみ上げたマチコは里美をけなし、罵倒するのでした。
そんな里美の唯一の趣味が、昔流行ったアニメのキャラクター・あんずのコスプレをすることでした。ある日イベントで、大好きなキャラクターのムラマサ様に似ている高校生の斉藤卓巳(永山絢斗)と出会った里美は、二人で写真を撮ったのをきっかけに連絡先を交換することにします。
後日、里美は家に卓巳を呼んで、ムラマサ様のコスプレさせました。そしてキスをすると、すぐに二人は男女の関係を持ちます。それからも里美から連絡が入るたびにコスプレをさせられて、お金で性的な関係をもつようになった卓巳。はじめはドギマギしていた卓巳も、徐々にこのような日々が日常化していきます。
ふがいない僕は空を見たのネタバレあらすじ:承
そんなある日、卓巳は同級生の松永七菜(田中美晴)に告白されます。お金で体の関係を続ける里美との関係に疑問を持っていた卓巳は、彼女との関係に終止符を打とうと考えました。
里美から連絡がきた卓巳は家に行き、「もう来ないから…」と言って部屋を出ていこうとします。しかし無理やり抱きつく里美。それをふりほどいて、逃げるように卓巳はその場を去って、七菜とのデートを楽しむのでした。
そんな時、夫とマチコに卓巳との関係がばれてしまいます。最近里美の様子がおかしいと感じた夫が、里美に内緒で部屋にカメラを仕掛けておいたのでした。カメラには、コスプレをして卓巳と愛し合う姿が映っており、夫は泣き出してしまいます。
里美は離婚したいと土下座までしますが、夫は「離婚したくない!」と言い張り、「もし離婚するのであれば、この映像を世間にばらまくぞ!」と脅しました。マチコは「離婚しないのであれば、子供を作るしかない。」などと言い出し、代理母を探すためにアメリカへ行くよう里美にすすめます。
ふがいない僕は空を見たのネタバレあらすじ:転
数日後、母親と買い物に来ていた卓巳は、偶然店で里美を見かけます。子供服を見ている里美に「子どもができたの?」と声を掛ける卓巳。里美は首を横に振り、そのまま去っていきました。
里美の様子が気になった卓巳は翌日、彼女の家を訪れます。そして再び関係を持ってしまい、その日から卓巳の頭の中は里美のことでいっぱいになり、里美もまた卓巳との関係で生まれてくる子供は幸せだと思うのでした。
一方、卓巳と同級生で親友の福田良太(窪田正孝)は、痴呆症の祖母と二人で団地に暮らしていました。母親は男の家で暮らしており、金もろくに送ってきません。生活はもちろん楽なものではなく、朝は新聞配達をして夜はコンビニで働き、ギリギリで切り詰めた生活を毎日送っていました。
コンビニには良太の他に同じ団地に住む同級生のあくつ純子と、実家は病院を経営しているお坊ちゃま育ちの田岡良文(三浦貴大)が働いていました。店の店長からは、「団地に住んでる奴にろくな者はいない…」といつも馬鹿にされる良太。それでも良太は、毎日真面目に学業と仕事を何とかこなしていました。
そんな中、卓巳と里美との関係がネットにあげられ、学校でもその話で持ちきりとなります。実は純子がネットで見つけた二人の姿をプリントアウトして、学校で配っていたのでした。
学校中に写真がばらまかれたことで、卓巳は家に引きこもるようになります。学校にこない卓巳を心配した良太は家に来てくれますが、卓巳は何も話そうとしません。そんな卓巳に腹を立てる良太。
その後コンビニへ行った良太に、田岡が声を掛けました。それまでは大学に行く気などまったくなかった良太ですが、勉強して将来は良い暮らしをするためにも大学を出ておいたほうがいいと言われ、田岡に勉強を教わることにしました。
そして、浮かれる良太に同じ団地に住む純子が「自分たちはどうあがいても、団地から抜け出すことなんてできないよ。」と馬鹿にします。すると純子のカバンから、大量の卓巳と里美との写真のコピーが出てきて驚く良太。翌日から良太と純子は近所のポストにも二人の写真をばらまきます、そして夜、家に帰ると母親が久しぶりに戻っていました。
母親から男と一緒に暮らしているアパートで一緒に暮らそうと言われた良太は、翌日そのアパートを訪れますが、居留守を使う母親。良太はなぜ自分を生んだのかドア越しにたずね、「欲しくないなら産まないでよ…」と声を詰まらせるのでした。
ふがいない僕は空を見たの結末
金が底をつき、食べるものもなく、ついにバイト先の店長の財布から金を盗もうとしたところを見られてしまった良太。家に帰ると団地が水浸しになっています。祖母が水道の蛇口を開けっぱなしにし、部屋中が濡れていました。
純子と共に部屋を掃除していると、そこへ田岡がやってきます。痴呆が進んだ祖母は、田岡の計らいで病院に入院させてもらえることになりました。
後日、無事祖母は入院することが出来たのですが、田岡が児童にわいせつな行為をしたとして警察に捕まってしまいます。バイトも辞めさせられ、家に帰った良太は、団地の前に靴もはかずに殴られた跡のある女の子を見つけました。頭をなでようとすると、「触るな変態!」と言われる良太。持っていたチョコを地面に置き、大切な人が寒い思いをしていないようにと祈る良太でした。
一方、学校に出席しない卓巳の家に担任の野村がやって来ました。卓巳の母・寿美子は、野村の様子を見てすぐに妊娠していることに気付きます。これまで誰にも妊娠を告げずにいた野村は、付き合っている彼にも子どもの話を告げていません。
自宅で助産院を開いている寿美子の助手の長田が、野村の彼を呼び出して説得し、結婚が決まった野村は寿美子の助産院で産むことになりました。
ある日「あんずとお前の子供の骨」と書かれた紙と共に、骨の入った骨壺が卓巳宛に送られてきます。それを見て発狂しながら部屋から飛び出して行く卓巳。里美のマンションを訪れた卓巳ですが、そこに彼女の姿はもうありませんでした。
その後、母親がよく行く神社で一人座り込む卓巳。そこに出産の無事を祈るために、寿美子も神社を訪れます。涙を流す卓巳に、「生きててね、あんたも命のひとつなんだから。生きて、そこにいて。」と呟く寿美子。その言葉がきっかけで、卓巳は翌日からまた学校に通いはじめます。そして担任の野村の出産に立ち会った卓巳は、久しぶりに赤ちゃんの誕生に笑みがこぼれるのでした。
以上、『ふがいない僕は空を見た』のネタバレあらすじと結末でした。
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