がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻の紹介:2020年日本映画。『仮面ライダー』『サイボーグ009』などの生みの親、石ノ森章太郎の代表作のひとつである特撮ロボットドラマ『ロボコン』。第1作『がんばれ!!ロボコン』(1974年~1975年)、第2作『燃えろ!!ロボコン』(1999年~2000年)に続くシリーズ第3作であり、劇場版作品としては『ロボコンの大冒険』(1976年)以来約44年ぶりとなる本作は『燃えろ~』を手掛けた監督・石田秀範(『仮面ライダーシリーズ』『メタルヒーローシリーズ』)と脚本・浦沢義雄(『東映不思議コメディーシリーズ』『激走戦隊カーレンジャー』など)が約20年ぶりにタッグを組み、ドジでおっちょこちょいなロボット・3代目ロボコンが意思を持ってしまった“汁なしタンタンメン”と共に繰り広げる大騒動をコミカルにシュールに描きます。主人公の3代目ロボコンは『ケロロ軍曹』などの斎藤千和が、物語の鍵を握る汁なしタンタンメンは『仮面ライダー電王』『魔進戦隊キラメイジャー』などの鈴村健一が演じます。
監督:石田秀範 脚本:浦沢義雄 原作:石ノ森章太郎 出演:斎藤千和(ロボコンの声)、神尾直子(ロボコン)、土屋希乃(ロビン)、屋鋪琥三郎(伊東ヒロシ)、小浦一優(芋洗坂係長)(伊東カズオ)、高橋ユウ(伊東ヨーコ)、清水ミチコ(トルネード婆々/トルネード博士)、江原正士(ガンツ先生の声)、鈴村健一(汁なしタンタンメンの声)ほか
映画「がんばれいわ!!ロボコン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「がんばれいわ!!ロボコン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻の予告編 動画
映画「がんばれいわ!!ロボコン」解説
この解説記事には映画「がんばれいわ!!ロボコン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」のネタバレあらすじ:起
太陽系第3惑星・地球。東京のどこかにある中華料理店「全中華」では、迷彩服姿の“ママ”こと伊東ヨーコ(高橋ユウ)がヘヴィメタルを爆音で流し、ヘッドバンキングをしながらチャーハンを炒めていました。ヨーコの夫で「全中華」店主の“パパ”ことカズオ(小浦一優(芋洗坂係長))や一家の一人息子・ヒロシ(屋鋪琥三郎)が気前よく接客にあたっていました。
そんな時、トルネード婆々(清水ミチコ)という人物からタンタンメンの注文がカズオのスマホに入ってきました。「僕が出前に行く!」と言うヒロシに、カズオは「ヒロシにはまだ無理無理」と自ら出向こうとしました。その時、空の彼方から1体の赤いロボットが飛来、「全中華」の屋根を突き破って落下してきました。
伊東一家やその場のお客さんたちが唖然とするなか、ロボットは「ジャーン! おいらロボコン(声:斎藤千和/演:神尾直子)! ロボットスクールから派遣されてきたロボコン!」と誰に頼まれるでもなく自己紹介してきました。
自らを“お手伝いロボット”と称するロボコンはヨーコに向けてコショウをばら撒いたり、カズオを無理やりオカモチに詰め込もうとしたり、勝手に客の料理を奪って食べたりとやりたい放題。ヨーコとカズオが頭を悩ませるなか、ヒロシはロボコンに「僕と一緒に出前に行こう!」と誘いました。ヨーコは文句を言いながらもタンタンメンを作り、ロボコンとヒロシはトルネード婆々の元に出前に行くことになりました。ところが、すっかり浮かれてしまったロボコンは嬉しさのあまりオカモチを振り回してしまいました。
「がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」のネタバレあらすじ:承
ロボコンとヒロシはトルネード婆々の屋敷にやってきました。華やかな外観とは裏腹に「拳」と書かれた掛け軸が掲げられる戦慄めいた空間の中、車椅子に乗ったトルネード婆々は女性型介護ロボットのロビン(土屋希乃)と共に姿を現しました。
トルネード婆々は自分のことを“トルネード夫人”と呼んだヒロシに「トルネード婆々とお呼び!」と説教しました。かねてからロビンに想いを寄せているロボコンは「ロビンはおいらの恋人、いや恋ロボット!」と一方的に言いますが、ロビンは可憐な表情から一変して「ちゃうわ!」とロボコンをボコボコにして破壊してしまいました。「(ロボコンは)ただのクラスメートでーす!」
いつの間にか修復していたロボコンは、オカモチからタンタンメンを取り出そうとしましたが、タンタンメンはロボコンがオカモチを振り回したおかげで遠心力で汁が全て飛んでしまい、汁なしタンタンメンになってしまっていました。呆れるヒロシや容赦なくツッコミを入れるロビンをよそに、ロボコンは「汁がないから、汁なしタンタンメン!」と得意げに披露しました。ロビンが「あんた、私をなめてんの?」とキレると、ロボコンはふざけ半分で舌を出してロビンを舐めまわし、ロビンにしばき倒されてまたもや破壊されてしまいました。
ところが、この汁なしタンタンメンを食べたトルネード婆々は「うめー!」とまさかの大絶賛。まさかの事態に驚くロボコンでしたが、激怒したヨーコはロボコンを段ボール箱に積めてロボットスクールに送り返すことにしました。ヒロシも「ロボコンは僕の教育上良くないロボット」と全くフォローしてくれません。そんな時、突如として汁なしタンタンメンの注文依頼が「全中華」に殺到、伊東家の面々はロボコンも交えて汁なしタンタンメン作りに追われました。実は幅広い人脈を持つトルネード婆々があちこちに勧めてくれたおかげでした。
その夜、ロボコンはロボットスクールのガンツ先生(声:江原正士)に褒められる夢を見ました。ガンツ先生はロボコンが「全中華」を繁盛させてくれたことを高く評価し、100点満点の評価を与えてくれたのです。もちろんこれは夢なのですが、次の瞬間、ロボコンはヒロシに店が大変なことになっていると叩き起こされました。
「がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」のネタバレあらすじ:転
何と、汁なしタンタンメンの人気に嫉妬した他の中華料理たちが突如として意思を持ち始め、“全中華”(声:綾瀬有、内田修一、穴井勇輝、前川綾香)として団結したのです。ロボコンが目を覚ました時には、汁なしタンタンメン(声:鈴村健一)も意思を持ち、「今日からこの店を汁なしタンタンメン専門店にしまーす!」と勝手に宣言しました。
汁なしタンタンメンはロボコンのことを“パパ”と呼び、チンゲンサイを伸ばしてロボコンの乳を吸おうとしてきました。ロボコンはロボットに乳などないと拒絶すると、汁なしタンタンメンは「ボクはパパに愛されていない」とすねてしまいました。
どうしてこの店を汁なしタンタンメン専門店にしたいのかというヒロシの問いに、汁なしタンタンメンはロビンに恋してしまったことを打ち明け、「愛するロビンに地球をプレゼントしたい! 地球をプレゼントするには地球を征服するしかない!」とまで言い出してしまいました。
「地球を征服するには汁なしタンタンメンの専門店を作って地球を征服するしかな~い!」と宣言した汁なしタンタンメンは一気に豹変、「オヤジ(ロボコン)! ロビンに恋した汁なしタンタンメンは成長してるんだぜ」と言い出しました。他の中華料理たちがブチ切れたため、ロボコンは仕方なく汁なしタンタンメンを連れて店から逃げ出し、とある倉庫に身を隠しましたが、この倉庫にまでも他の中華料理が大挙してきていました。
そこにヒロシがロビンを連れて現れ、汁なしタンタンメンに地球征服を止めさせるよう説得してとロビンに頼みました。ところが、ロビンは「汁なしタンタンメン、ロビンのために地球を征服して!」と言い出し、あっけに取られるロボコンと汁なしタンタンメンに対して自らの顔を巨大化させ炎を吐き出して攻撃してきました。
「いつものロボンと違うロボコン…」そんな時、ロボコンはガンツ先生の言葉を思い出しました。ガンツ先生を作ったある博士が「ロボットは美しく愛することはできるが、美しく愛されることはできない」と言っていたのです。
すっかり豹変して暴走してしまったロビンはなおも汁なしタンタンメンに攻撃してきましたが、ロボコンは4輪走行形態の“カーモード”に変形して汁なしタンタンメンを救い出しました。倉庫から逃げ出したロボコンは“ホバーモード”に変形して川を逃げ回りましたが、すぐさまロビンもサーフボードに乗って追いかけてきました。ロボコンは飛行形態の“ドローンモード”に変形、汁なしタンタンメンを連れて宇宙へと逃げましたが、汁なしタンタンメンが「息ができない…」と苦しみだしている間にロビンが巨大化して追いかけてきました。
「がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」の結末
ロボコンと汁なしタンタンメンはロビンの攻撃をくらい、地球のトルネード婆々の屋敷の庭に落下しました。ヒロシはロボコンを助けに駆け付けましたが、ロビンは不気味な笑みを浮かべながら汁なしタンタンメンに迫ってきました。「さあ、私の靴をお舐め!」
その時、トルネード婆々が現れ、「ロビン、私の夢を盗んだね!」と啖呵を切ってきました。トルネード婆々の夢は世界を一周して世界中の街を見て歩くことだったのですが、トルネード婆々の頭に手を触れたロビンがその夢を盗んでしまったのです。トルネード婆々は車椅子から立ち上がり、「私の夢を返してもらうよ!」と宣戦布告、空中に浮かび上がって回転するとトルネードを巻き起こし、ロビンの頭に手を触れて夢を取り戻しました。
ロビンは我に返り、ロボコンは一体何が起こったのか理解できませんでした。トルネード婆々はロビンを呼び寄せ、ロボコンに美味しい汁なしタンタンメンを食べさせてくれたお礼にと“あるもの”を渡してほしいと頼みました。
トルネード婆々がロビンと共に屋敷に引き上げて行った直後、庭に“全中華”の中華料理たちが大挙して集結してきました。ロボコンは「汁なしタンタンメンはオイラが守るロボコン!」と気合いを見せますが、汁なしタンタンメンは「父上(ロボコン)、ロビンとの恋に破れた汁なしタンタンメンは大~きく成長しました。自分の責任はじぶ~んで取る覚悟です!」と突然刀を抜き、中華料理の大群に向かっていきました。
ところが、中華料理たちは声を揃えて「全中華は大人になる汁なしタンタンメンを待っていた! 今日から汁なしタンタンメンは全中華の一員だ!」と迎え入れる姿勢を見せました。さすがに拍子抜けした汁なしタンタンメンも中華料理たちと和解を果たしました。ロボコンは「全中華は大人だった!」と感心しました。
ロボコンはガンツ先生の採点を待っていました。ガンツ先生は「汁なしタンタンメンの心を救ったまでは良かったが、汁ありタンタンメンの汁をこぼしたので0点!」と厳しい評価を下しました。またかとガックリするロボコンに、ガンツ先生は「まだまだ修行が足りない! A級ロボットへの道は遠い!」とダメ出しを与えました。
すっかり落ち込んだロボコンは荷物をまとめて「全中華」を後にしようとしました。そこにヒロシが「ロボコン! なんで黙って行っちゃうの!」と引き留め、中華料理たちも別れを惜しみました。ロボコンは「ロボットは美しく愛することはできるが、美しく愛されることはできない」と嘆きましたが、大嫌いなゴキブリに遭遇して壊れてしまいました。
その時、ロボコンはトルネード婆々からもらった“あるもの”が巻き貝のペンダントであることに気付き、ガンツ先生を作った博士こそが若き日のトルネード婆々であることに気付きました。貝のペンダントを身につけたロボコンはヒロシや中華料理たちに別れを告げ、新たな夢に向かって旅立っていきました。「がんばれいわ!」
以上、映画「がんばれいわ!!ロボコン ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」のあらすじと結末でした。
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