グッバイ・クリストファー・ロビンの紹介:2017年イギリス映画。ディズニーアニメの金字塔ともなった「くまのプーさん」の原作者A・A・ミルン、そしてプーさんの登場人物“クリストファー・ロビン”のモデルとなったミルンの息子によるプーさん誕生秘話と確執を描いた伝記ドラマです。日本では劇場未公開となり、2018年の『プーと大人になった僕』公開に合わせてDVDとブルーレイが販売されました。
監督:サイモン・カーティス 出演者:ドーナル・グリーソン(アラン・アレクサンダー・ミルン)、マーゴット・ロビー(ダフネ・ド・セリンコート)、ケリー・マクドナルド(オリーヴ(ノウ))、アレックス・ロウザー(クリストファー・ロビン・ミルン)、ウィル・ティルストン(少年時代のクリストファー・ロビン・ミルン)ほか
映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グッバイ・クリストファー・ロビンの予告編 動画
映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」解説
この解説記事には映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グッバイ・クリストファー・ロビンのネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦中の1941年、イギリスの作家アラン・アレクサンダー・ミルン(ドーナル・グリーソン)と妻のダフネ(マーゴット・ロビー)の元に1本の電通が届きました。それは、夫妻にとっては悲痛に耐え難い内容のものでした。
1916年、第一次世界大戦に従軍していたミルンは辛くも戦地から生還しましたが、戦場で味わった悲惨な経験はPTSDとなってミルンの心に深く突き刺さりました。やがてダフネはミルンとの間の子を身籠り、彼女は女の子ならば戦地に行く必要はないとして女の子を望んでいました。ところが生まれてきたのは男の子であり、残念がるダフネをミルンは優しく励まし、男の子に“クリストファー・ロビン”という名をつけました。多忙な日々を送るミルン夫妻は家政婦のオリーヴ(ケリー・マクドナルド)を雇い、クリストファー・ロビン(ウィル・ティルストン)はいつしかオリーヴを“ノウ”と呼んで懐くようになりました。
グッバイ・クリストファー・ロビンのネタバレあらすじ:承
ミルンは騒がしいロンドンから離れ、家族と共に静かな田舎の広大な森の中にある一軒家に引っ越しました。しかし、一行に創作意欲が湧かないミルンにしびれを切らしたダフネは一時的にロンドンへと去り、オリーヴも親が病に倒れたことから休暇を取り、家はミルンとクリストファー・ロビンの二人きりとなりました。クリストファー・ロビンは元々動物のぬいぐるみに名前を付けて遊ぶのが大好きであり、ミルンは息子を連れて森に散歩に出かけるうちに創作意欲が湧きあがってきました。
そこでミルンは知人で挿絵画家のアーネスト・H・シェパード(スティーヴン・キャンベル・ムーア)に依頼、クリストファー・ロビンやぬいぐるみたちをモデルとした絵本の挿絵を描かせ、登場人物のひとりに息子と同じ“クリストファー・ロビン”と名付けました。こうして誕生した『くまのプーさん』は瞬く間にベストセラーとなりました。やがてミルンと寄りを戻したダフネも戻り、オリーヴも休暇から復帰してきました。
グッバイ・クリストファー・ロビンのネタバレあらすじ:転
本はもちろんのことプーさんのぬいぐるみも飛ぶように売れ、ミルン家は一気に金持ちとなりましたが、それと同時に物語のモデルとなっクリストファー・ロビンの元には取材のオファーや山のようなファンレターがひっきりなしに届き、やがて彼は学校でも好奇の目で見られるようになり、いじめやからかいの的となってしまいます。
そんな時、クリストファー・ロビンの心の支えであったオリーヴは恋人ができたことを機に家政婦を辞める決意を固め、ダフネは子守りよりも自分の幸せを優先するのかと問い詰めて引き留めようとしますが、オリーヴは「クリストファーのことを考えてあげていますか」と夫妻に苦言を呈して去っていきました。ここで初めて我に返ったミルンはもうプーさんの話は二度と書かないと決心しました。
やがて寄宿学校を卒業したクリストファー・ロビン(アレックス・ロウザー)は久しぶりに我が家へ戻りますが、一度できた親との溝は一向に埋まりませんでした。やがてクリストファー・ロビンは戦場に行きたいと志願、自分の人生はプーさんのせいで踏みにじられたとの思いを吐露して戦場へと向かっていきました。
グッバイ・クリストファー・ロビンの結末
時は冒頭に戻って1941年。ミルン夫妻の元に届いた電報の中身とは、クリストファー・ロビンは戦場で行方不明となっており、生存は絶望的という信じがたいものでした。ミルンはただちにオリーヴに知らせに行ったところ彼女は絶望して泣き崩れてしまい、夫妻もそれからというものの死んだかのように深く落ち込んでしまっていました。
そんなある夜、ミルン夫妻の家に、戦場を生き延びていたクリストファー・ロビンがふらりと帰ってきました。夫婦は息子の生還を心から喜び、ミルンは久しぶりにクリストファー・ロビンと共に森へ散歩に出かけました。これまで息子の人生を踏みにじってしまったことを謝罪するミルンに、クリストファー・ロビンは戦場で兵士たちがプーさんの歌を口ずさんでいたエピソードを明かし、父の書いた本は戦場で傷ついた人たちの心を癒して暖かく包み込んでくれた大切な本だという率直な気持ちを伝えました。既に親と子のわだかまりは消え去っていました。
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