グッバイ、ドン・グリーズ!の紹介:2022年日本映画。『ノーゲーム・ノーライフ』や『宇宙よりも遠い場所』などを手掛けたアニメーション監督のいしづかあつこが自身初のオリジナル劇場作品として完成させた青春アニメです。主演に『鬼滅の刃』の花江夏樹と『機界戦隊ゼンカイジャー』の梶裕貴を迎え、少年たちの奇跡のような出逢いと、いつもと違う夏休みを描いていきます。
監督:いしづかあつこ 声優:花江夏樹(鴨川朗真(ロウマ))、梶裕貴(御手洗北斗(トト))、村瀬歩(佐久間雫(ドロップ))、花澤香菜(浦安千穂里(チボリ))、田村淳(鴨川太朗)、指原莉乃(鴨川真子)、ほか
映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グッバイ、ドン・グリーズ!の予告編 動画
映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」解説
この解説記事には映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グッバイ、ドン・グリーズ!のネタバレあらすじ:起
ある日の夜。東京から少し離れた田舎町に住む高校生のロウマこと鴨川朗真(花江夏樹)と、トトこと御手洗北斗(梶裕貴)は必死に自転車を漕いで山道をひた走っていました。彼らが向かう先は、山を越えた先にある空港でした―――。
―――これは二人が高校1年生の夏休みの時。ロウマはこの町で父・太朗(田村淳)と母・真子(指原莉乃)の畑仕事を手伝って過ごしていました。そこに東京の進学校に進んでいた親友のトトが帰省してきました。
幼い頃から周囲に溶け込むことのできず、学校でも孤立していたロウマにとってトトは唯一の親友でした。トウマとトトは小学生の頃から自らを“ドン・グリーズ”と呼び、山奥にテントを張って秘密基地を作り、そこで遊ぶのが楽しみでした。
トウマとトトはこの年の夏休みも秘密基地で過ごすつもりでしたが、この年はもう一人一緒に過ごす者がいました。突然この町にやってきた同世代の少年、ドロップこと佐久間雫(村瀬歩)でした。
花火大会の日、トウマとトト、ドロップは隣町に花火大会を見に行く町の同年代の若者たちの群れには加わらず、自分たちで花火を打ち上げることにしました。ロウマは有り金全てをはたいてドローンを買い、隣町の花火大会開始と同時刻に花火を打ち上げて、その様子を空撮しようと計画しました。
ところが、花火は火がつかず、ドローンは制御不能となりどこかに飛び立ったまま消息を絶ってしまいました。そしてこの日の夜、町の近くの山で大規模な山火事が発生しました。
グッバイ、ドン・グリーズ!のネタバレあらすじ:承
花火大会に行かなかったロウマたちはSNSで自分たちが山火事の放火犯として疑われていることを知り、無実を証明するためドローンを回収することにしました。ドローンに自分たちが映っていればアリバイになると考えたのです。
ロウマたちはアプリの情報を基に、ドローンがここから1日以上もかかる深い山奥にあることを突き止めました。ロウマたちは密かに家を抜け出して合流し、山道を進みましたが、途中の道は山火事のせいで通行止めになっていました。
元々ドローン回収に消極的だったトトは別の日にしようと言い出しましたが、今回の冒険を人生最期の旅と決めていたドロップは、別の山道を通ってでもドローン回収を成し遂げようと決意していました。
予定にないルートを通った3人は途中で熊に遭遇し、何とか逃げ延びましたが、携帯が圏外になったことから完全に道に迷ってしまいました。そんな時、トトはロウマが一眼レフカメラを持ち歩いていることに気付きました―――。
―――それはロウマが中学生だった頃。ロウマは課外活動で一眼レフを手にしていたところ、同級生で憧れの存在だったチボリこと浦安千穂里(花澤香菜)に声をかけられました。その日からロウマはチボリに想いを抱いていましたが、チボリは家庭の都合により遠く離れたアイルランドへ引っ越してしまいました。
中学最後の日、チボリのアイルランドでの電話番号を入手したトトはロウマに無理やり電話をさせようとしましたが、ロウマは何も話さぬまま電話を切ってしまい、それ以来チボリと連絡を取ることも、カメラを取り出すこともありませんでした―――。
グッバイ、ドン・グリーズ!のネタバレあらすじ:転
ロウマたちはとある滝に辿り着きました。ドロップはかつて自分はアイスランドに住んでいたことを明かし、現地調査の大渓谷を旅したことを振り返りました。その渓谷には虹がかかって黄金色に輝く滝があり、そこにある電話ボックスからの電話に出ると自分の探している“宝物”がわかるという言い伝えがありました。
ドロップはそこで自分の“宝物”を見つけたことを話しましたが、トトは信じようとはしませんでした。
やがて3人は移動を開始しましたが、夜になっても同じ場所を行き来するだけでした。やがてトトとドロップは喧嘩を始めてしまい、止めに入ったロウマは“ドン・グリーズ”をバカにされたことで傷つけられ、その場を去って行ってしまいました。
やがてトトはドロップに、自分はこの町では優等生だったけれども東京に行ってからはただのちっぽけな存在にすぎないと思い知らされたことを打ち明けました。そしてトトは、こんな自分でも未だに親友でいてくれるロウマを裏切ることはできないと語り、トトとドロップ、戻ってきたロウマは和解を果たしました。夜空には流星群が輝いていました。
翌朝、ロウマたちは気を取り直して再びドローンのある場所へと向かいました。その途中、ロウマとトトはドロップが不治の病を抱えていることに気付きました。しかし、ドロップはそんな素振りは一切見せず、3人は先に目的地に着いた者にはコーラをおごると約束しました。
ドロップは目的地のすぐそばまで到着しましたが、その先は水没しており行き止まりとなっていました。諦めかけたドロップたちでしたが、それでも何とか別の道を見つけ、ようやくドローンを見つけ出しました。
ドローンが撮影した映像にはロウマたちの無実を証明するような映像はありませんでしたが、隣町の花火大会の様子は映っていました。ロウマとトトは一番乗りしたドロップにコーラをおごり、3人はいつかまたこの3人で会うことを夢見てそれぞれの生活に戻っていきました。
やがて夏休みも終わり、町の人々はいつしか山火事のことをすっかり忘れていきました。
グッバイ、ドン・グリーズ!の結末
ひと夏の冒険を終えたロウマはアイルランドにいるチボリとの交流を始めましたが、ドロップとの連絡はすっかり途絶えてしまっていました。やがて冬が近づいたある日、ロウマはトトからドロップが死んだとの知らせを受け、強く打ちのめされてしまいました。
ロウマとトトは秘密基地のテントに火を点けて燃やしましたが、その際にテントの中に2人に向けた手紙と、2人のためにとっておいたコーラがありました。手紙には「ありがとう」と書かれていました。
2本のコーラのペットボトルには絵が書かれており、それらの絵を合わせるとアイスランドにある、かつてドロップが見つけた“宝物”の場所を指し示す地図となりました―――。
―――(物語は冒頭に戻り)
空港に着いたロウマとトトはアイスランドへ向けて飛び立ちました。そして苦労の末にようやく虹のかかる黄金色の滝を探し当てたロウマとトトは、着信音の鳴り響く電話ボックスを発見しました。
ロウマとトトは電話には間に合いませんでしたが、電話ボックスの中にコーラのラベルがあることに気付きました。それには「宝物:15歳の最後の旅を見届けてくれる友人」と書かれており、近くにはこの電話ボックスの電話番号もありました。
電話ボックスの電話番号は、このアイスランドではなくアイルランドに住むチボリの電話番号と1字違いでした。あの中学校生活最後の日、トトがロウマのためにチボリに電話をかけたはずでしたが間違ってこの電話ボックスにかかり、たまたまその場に居合わせたドロップが受話器を取っていたのです。
ロウマとトトはこの勘違いの生んだ“奇跡”に感心し、世界は自分の行動でいつでも見下ろすことのできるものだと雄大な景色に思いを馳せていました。
以上、映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する