グリズリーの紹介:1976年アメリカ映画。世界的に大ヒットした1975年の「ジョーズ」以降、数え切れないほど作られることとなったアニマルパニック映画のある意味では先駆けとなった作品。「上役の妨害に遭いながらも男達が協力し合い奮闘して巨大な敵を倒す」というプロットは「ジョーズ」そのものだが、この型をいち速く取り入れたウィリアム・ガードラー監督はこの他の作品も概ねヒット映画の類似作と言われ、「エピゴーネン監督」「二番煎じ監督」として、B級映画マニアの間では知られた存在となっている。
監督:ウィリアム・ガードラー 出演:クリストファー・ジョージ(マイケル・ケリー)、アンドリュー・プライアン(ドン・ストーパー)、リチャード・ジャッケル(アーサー・スコット)、ジョー・ドーシー(チャールズ・キトリッジ)
映画「グリズリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グリズリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グリズリーの予告編 動画
映画「グリズリー」解説
この解説記事には映画「グリズリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グリズリーのネタバレあらすじ:起
とある国立公園での山開き。天候にも恵まれた公園には多くの人々がハイキングやキャンプに訪れています。森林警備隊が巡回し、公園のレストランは客を迎える準備で忙しい日を迎えていました。
もうじき日暮れとなる頃、警備隊のトムは二人連れの女性ハイカーに出会います。日が暮れないうちに帰るつもりだという二人に「気をつけて」と声をかけ、トムが立ち去った直後に彼女らを黒い影が襲います。
その後、レストランのオーナーの娘で写真家のアリスンと、彼女の警護をしていた森林警備隊隊長のケリーは、山小屋で無惨な姿になった女性達を発見しました。彼女達を殺したのはクマだという解剖の結果を受けて、ケリーは直ちに公園内の客に退避するするよう呼び掛けます。
人食いグマの存在を知った多くの人々が公園から慌てて逃げ出しましたが、これに異を唱える人物がいました。公園の管理責任者のキトリッジです。公園の入場者数を増やしたいキトリッジと「我々の仕事は客から公園の自然を守ること」と公言してはばからないケリーは、日頃から反目しあっていたのです。
グリズリーのネタバレあらすじ:承
ケリーは広大な公園内のどこかにいるはずの野生動物のスペシャリストであるスコットに協力を仰ぐことを決めます。その間、警備隊のトムとゲイルの若いカップルは、クマを警戒してパトロールをしていましたが、二人が別行動をになった時を狙い済ましたかのようにクマが現れて、水浴び中のゲイルを襲いました。部下を死なせてしまい落ち込むケリーをアリスンが慰めます。
ベテランパイロットのドンが操縦するヘリで、ようやくスコットを見つけ出したケリー。スコットの見立ては、今回の事件では体長6メートルほどの、すでに絶滅したはずのグリズリーが人を襲っているというものでした。にわかには信じがたい話ではあるものの、本当ならば大変なことになります。
ケリー達の心配をよそに公園には夜が訪れました。子供達や若者がキャンプファイヤーを囲み賑やかに騒いでいるキャンプサイトに現れたグリズリーはカップルに襲いかかり、またしても女性がクマの犠牲になってしまいました。
グリズリーのネタバレあらすじ:転
グリズリーへの対策を巡ってケリーとキトリッジはますます対立を深めていました。「既に四人も死者が出ているのだから、プロに応援を頼むべき」というケリーとスコットの意見に対して「グリズリーは人を襲わない。大ごとにする必要はない」という主張を変えないキトリッジ。激しく罵り合うキトリッジとケリー。
キトリッジはケリーの指揮の下で、地元の猟友会にパトロールさせる決定を下します。しかし早々にケリー達の心配は的中し、ハンターの一人がグリズリーに襲われ大怪我を負いました。一緒に行くというアリスンを振り切り夜の山に行くケリー達とハンター。
その時、数人のハンターのチームが子熊を捕まえます。子熊を囮にして母親を捕まえる作戦に出たハンターチームでしたが、彼らの前に現れたのは想像を遥かに越えた巨体の獰猛な雄グマでした。
子熊を貪りあっという間に姿を消した巨大なグリズリーを、ただ見ていることしか出来なかったハンター達。ケリー達とハンター達は協力してグリズリーを仕留める作戦を立てました。しかし行動を開始した彼らの裏をかくように監視塔が襲われ、グリズリーによって破壊された監視塔から投げ出されたトムが死亡。
これほどの事態になってもなお、公園は安全で管理者側は適切な対応をとっているとマスコミの前で言い張るキトリッジと、公園を閉鎖し一刻も早く人の味を覚えたグリズリーを仕留めなければ、と焦るケリーの対立は一層強まります。更にグリズリーを貴重な研究対象として殺さずに生け捕りにするべきだと主張するスコットもケリーと仲違いしてしまいました。
その矢先、小さな男の子とその母親が襲われ、手足を失う大怪我をしたことをうけて、キトリッジもさすがに公園の閉鎖を承諾しました。
グリズリーの結末
ドンの操縦するヘリで上空からグリズリーを探すケリー。本当ならばどんな生き物も殺したくはないのだと語るドンは、ベトナム戦争を生き抜いてきた過去を持っていました。本来の棲み処へ帰ろうとしているようにも見えるグリズリーの行動に思いを巡らせ、ドンとケリーはグリズリーへの複雑な思いを抱くようになっていました。
一方、馬に乗って単独行動を始めたスコットに、ケリーは無線で一人で森に入らないよう再三呼び掛けますが、「自然こそ我が家だ」と言い張るスコットは耳を貸しません。やがてスコットは無残な鹿の死体を見つけます。それはケリー達が罠として吊るしておいた鹿で、隙をついてグリズリーに持ち去られたものでした。
馬で鹿を引きずってグリズリーを誘き寄せると無線で連絡してきたスコットを必死で止めるケリーでしたが、最悪の予想通りスコットはグリズリーの餌食になりました。冷たくなったスコットを前に愕然とするケリーとドン。グリズリーへの復讐を誓う二人はヘリで見つけ出したグリズリーを、上空から追い回し、疲れさせたところを仕留める作戦を立てます。
グリズリーを追い詰め、いざヘリを着陸させようとした時、ヘリに向かって反撃してきたグリズリーにドンが命を落としました。ケリーめがけて猛然と突進してくるグリズリーにケリーはバズーカ砲を打ち込みます。グリズリーの身体は爆発四散してケリーがただ一人、森の中に立ち尽くすのでした。
以上、映画「グリズリー」のあらすじと結末でした。
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