半分の月がのぼる空の紹介:2009年日本映画。肝炎で入院中の祐一は、夜に病院を抜け出し、友達と遊んで帰って来るとナースの亜希子に見つかりました。罰として新しい入院患者の友達になれと言われた裕一が会いに行くと、それは里香という女子でした。なんでも命令する里香は心臓病を患い死を覚悟していました。やがてお互いを意識し始め…という内容の切ないラブストーリーです。別の時間軸が同時進行し、後半、想定外の展開になるという、ひねりを加えた作品です。
監督:深川栄洋 出演:池松壮亮(裕一)、忽那汐里(里香)、大泉洋(夏目先生)、濱田マリ(亜希子先生)、加藤康起(保)、川村亮介(司)、緑友利恵(みゆき)、森田直幸(夏目先生に訴える少年)、螢雪次朗(現・青葉病院院長)、中村久美(里香の母親)、西岡徳馬(青葉病院院長)、ほか
映画「半分の月がのぼる空」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「半分の月がのぼる空」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
半分の月がのぼる空の予告編 動画
映画「半分の月がのぼる空」解説
この解説記事には映画「半分の月がのぼる空」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
半分の月がのぼる空のネタバレあらすじ:起
若葉病院に肝炎で入院中の高校生の裕一(池松壮亮)は、夜に病院を抜け出して親友の保(加藤康起)、司(川村亮介)と遊んで帰って来ました。すると怖いナースの亜希子(濱田マリ)に見つかり、ほっぺたを掴まれながら罰を与えられました。それは屋上でいつも一人で本を読んでいる新しい入院患者の友達になれというものでした。
翌日、裕一が屋上に行くと、本を読んでいたその患者は自分と同じくらいの歳の女の子でした。女の子は里香(忽那汐里)という名前で、裕一が話しかけると無視するように立ち去ろうとしました。裕一が呼び止めて理由を話すと、里香は裕一の持っている双眼鏡を貸して?と言いました。双眼鏡を手にとると、これで覗きをしていたんだろうと言い、亜希子に告げ口されたくなかったら私のいう事を聞け!と言われました。それは小説を読むのが好きな里香が、小説を屋上までもって来いというものでした。
1回目、2回目と、この本じゃないと言われて嫌になった裕一は病室に帰り、休んでいると屋上で里香がずっと待っているのを見かけました。裕一は急いで屋上へ上がり、本を渡しました。その時、裕一は『銀河鉄道の夜』という本を里香から渡されました。
その後、裕一は保、司、司の彼女みゆき(緑友利恵)のいる部屋に集まりました。保から彼女ができた話を聞かされた裕一は、里香の事が気になりだしました。心臓病の名医と言われた夏目医師(大泉洋)は、妻に先立たれて今は幼い娘と二人暮らしでした。そして自身も内科に移り、心臓の手術はもうしないと言っていました。
半分の月がのぼる空のネタバレあらすじ:承
裕一は亜希子から里香の病状を聞きました。里香は生まれつき心臓が悪く、病院を転々としながら、手術をするために若葉病院にきました。里香は窓から見える砲台山に登りたいと裕一に言いました。その時は裕一は、あんな何にもにも無い山に登っても仕方ないと言っていました。夜になり、裕一が里香の病室に行き、砲台山に行こうと言い出しました。二人で病院を抜け出そうとしますが、亜希子に見つかりました。警備員も加わり、諦めかけた時、里香が行こう!と言って走り出しました。
病院の外では司がバイクで待っていました。司のバイクに二人乗りした裕一と里香は砲台山に向かいました。山道で転倒し、里香は足を怪我しました。それでも行こうと言う里香を後ろに乗せ、頂上を目指しました。到着すると里香は、ここじゃないと言いました。裕一が塔があったところ?と聞くと、里香はそうだと言い、山道を裕一は里香をおぶって塔を目指しました。
幼い頃、父におぶってもらって登ってきた記憶が蘇りました。息を切らして到着すると、里香はここだと言い、これで死ぬ覚悟が出来たと言いました。自分の父親は同じ心臓病で、手術中に亡くなった事を話しました。そして自分も生まれつき心臓が悪く、手術してくれる医師を探して転々としていると言いました。聞いた裕一は死ぬな!もっと一緒に居たいんだと叫んで倒れました。
半分の月がのぼる空のネタバレあらすじ:転
今回の一件で裕一の肝炎は悪化、里香も病状が悪化し、二人は病院内で会う事が出来なくなりました。若葉病院の院長は、手術をしてくれる他の病院への転院を勧めました。里香に母親が転院の話をしましたが、里香はここに残りたいと言いました。回復した裕一は、保と司とみゆきを連れ、里香の病室を見舞いました。それは裕一らの高校の学園祭への誘いでした。
学園祭当日、里香はみゆきのセーラー服を着て母親と一緒にやって来ました。そして保が主役を演じる劇の会場にきました。保は彼女をヒロインにして、最後にキスをする設定にしていましたが、前日のケンカで来ないと困っていました。すると里香が代役をやりたいと言い出しました。幕が開くと、里香は見事にヒロインを演じました。ラストのキスシーンは裕一が王子になって登場しました。すると里香は裕一の頬を叩き、アドリブで劇を終わらせました。
すべてうまくいった劇に大喜びの中、里香は倒れました。裕一は里香の母親に今回の件を謝りましたが、母親はあんな楽しそうな顔を見たのは久しぶりだと逆に礼を言いました。すると裕一は、手術して里香を長生きさせてくださいと頼みました。里香を避けるようになった裕一でしたが、会いたい里香は、夜、裕一の病室に忍び込みました。間もなく退院する裕一に、手術をする決心がついたので、私と一緒に戦ってと頼みました。
半分の月がのぼる空の結末
裕一の退院の日、ロビーで里香は裕一に別れを告げました。
夏目医師が、女子高生に手術できない事を謝っています。すると女子高生の彼氏が診察室に入って来て、夏目に真意を聞きました。すると夏目は、愛する人を失うのが嫌なら別れた方がいいと言いました。それを聞いた彼氏は、何があろうと一緒にいたいんだ!と大声で怒鳴りました。
自宅に帰った夏目は昔の写真を見ていました。それは里香と一緒だった頃のものでした。そうです、夏目は裕一だったのです。手術に成功した里香を助ける為、医師を目指した裕一は、見事医科大に合格しました。そして医師になり、里香と結婚して娘も生まれました。そして里香に執刀したのも裕一だったのでした。しかし手術中に里香は死んでしまい、それ以来ずっと里香を死なせたことが頭の中にありました。
夜、砲台山に登った夏目は、塔の前で里香の姿が見えました。昔を思い出し、思いっきり泣いた夏目でした。夏目は娘の未来に『銀河鉄道の夜』を読み聞かせていました。そしてあの夜の事を思い出しました。里香が病室に忍び込んできた夜のことです。それは、夜空に浮かぶ半月を見ながらふたりがキスをした夜でした。
以上、映画「半分の月がのぼる空」のあらすじと結末でした。
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