響 HIBIKIの紹介:2018年日本映画。ビックコミックスペリオール連載中の「響〜小説家になる方法〜」。「マンガ大賞2017」を受賞した作品待望の映画化。原作者柳本光晴をして「実写化するなら響役は平手友梨奈しかいない」と言わしめたほど、欅坂46平手友梨奈が響役にハマっている。監督は「君の膵臓をたべたい」(2017)や「センセイ君主」(2018)などの月川翔。撮影中は平手と十分なディスカッションを重ね、響ならこうする、と平手のアドリブも取り入れていったという。また“キミスイ”の北川景子、小栗旬らも迫真の演技を見せている。
監督:月川翔 キャスト: 平手友梨奈(鮎喰響)、北川景子(花井ふみ)、アヤカ・ウィルソン(祖父江凜夏)、高嶋政伸(神田正則)、柳楽優弥(田中康平)、北村有起哉(鬼島仁)、野間口徹(矢野浩明)、小松和重(藤野弘)、黒田大輔(大坪正人)、板垣瑞生(椿涼太郎)、吉田栄作(祖父江秋人)、小栗旬(山本春平)ほか
映画「響 HIBIKI」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「響 HIBIKI」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
響 HIBIKIの予告編 動画
映画「響 HIBIKI」解説
この解説記事には映画「響 HIBIKI」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
響 HIBIKIのネタバレあらすじ:起
小論社の文芸誌『木蓮』編集部に郵送されてきた新人賞の応募原稿。しかしWeb受付のみのため廃棄処分に。それを拾い上げたのは編集部員の花井ふみでした。作品を読んでその才能に驚いた花井は、自ら入力し応募を受け付けることにします。
高校一年生の響は、同級生の涼太郎と文芸部を訪れます。溜まり場を奪われたくない不良隆也に脅された響は、彼の指を折って撃退し文芸部に入部します。部が存続するには部員が1名足りず、響は辞めた隆也を勧誘。屋上から飛び降りることもいとわない響の度胸に免じて隆也は再入部しました。
ある日響は編集部に電話し、自分の作品の感想を求めます。花井は興奮して絶賛するも、肝心の連絡先を聞く前に電話が切れてしまいます。
文芸部の凜夏は響の書いた短編を読みその才能にショックを受けます。実は凜夏は人気作家祖父江秋人の娘。“祖父江凜夏”名義でのデビューを打診されています。祖父江の家を訪れた花井は秋人の書斎で会った女子高生が、探していた鮎喰響だとわかり「新人賞確実だから連絡先を教えて!」と迫ります。それを聞いた凜夏は“祖父江凜夏”でのデビューを承諾します。
響 HIBIKIのネタバレあらすじ:承
賞に興味はなく、感想が聞きたかっただけという響は、凜夏が芥川賞作家鬼島に侮辱されているのを目撃し彼を蹴り倒してしまいます。凜夏に迷惑だと言われ、鬼島のいる店に説明に行った響は「なぜ?」と問われ、「芥川賞を取った5作目以降は全然面白くない。どうして書き続けてるの?」と言ってしまいます。鬼島は「惰性だよ」と答えるしかありませんでした。
響の『お伽の庭』は新人賞を受賞。凜夏のデビューも決まり、二人とも芥川賞の対象になったと凜夏は対抗意識を燃やします。
新人賞授賞式の日、W受賞の田中康平は響が女子高生だとわかり敵意をむき出しに。響も「あなたの小説はひとりよがり」と言い田中に「殴るぞ」と言われます。田中のスピーチが始まると響はパイプいすで田中に殴りかかり会場は騒然。響は怖がる田中に「(批判は)ちゃんと読んでからにして」と言い、殴ったことを謝るのでした。
一方凜夏もマスコミに注目されるように。響は凜夏の本がつまらなかったと言い理由を説明しようとしますが、怒った凜夏に「芥川賞ノミネート作品発表の日まで絶交ね!」と言われてしまいます。
響 HIBIKIのネタバレあらすじ:転
鮎喰響『お伽の庭』芥川賞・直木賞Wノミネートのニュースを自宅のテレビで見ている凜夏。仲直りにやってきた響を追い返した凜夏が思い直して追いかけると、ドアの外で響が待っていました。抱き合って仲直りする二人。しかし凜夏は「書けない。あなたみたいな天才じゃない」と言ってしまいます。
響は授賞式での暴行が報道され記者に追われることに。カメラを奪って破壊した響はその記者の自宅に乗り込み、報道しないよう詰め寄ります。また花井に謝罪会見するしかないと言われると、田中本人には謝罪済み、どうして世の中に謝らなければならないのかと拒否します。
いよいよ発表の日。花井の計らいで動物園を訪れる文芸部4人。執筆意欲を取り戻した凜夏に響は「おかえり」と微笑み、4人は動物園を満喫するのでした。
そして夜、響が芥川賞と直木賞をW受賞したと連絡が入ります。
響 HIBIKIの結末
受賞会見はフードを被り、素顔を隠した響の言葉を花井が代弁するという異例の展開に。記者たちが不満を漏らす中、響にカメラを壊された記者の矢野が質問すると「あなたの質問には私が答える」と響は自分の言葉で話し始めます。世の中がどう、ではなくあなたの意見は?と矢野に問う響。劣勢になった矢野は攻撃の矛先を花井に向け、本当は花井が小説を書いているんだろと言い始めます。困った花井を見かねた響は矢野にマイクを投げつけ飛び蹴りを食らわせてしまいます。会場を脱出した花井と響。顔面蒼白の花井に「あなたが困っていたから」と響は言います。
帰り道、響は踏切で自殺しそうな男に声を掛けます。彼は四年連続で芥川賞を逃している苦労人の作家山本春平。絶望している彼の前で響は自ら線路内に入り、「私も小説家。傑作を書くまでは死ねない。まだ傑作を書いた覚えはないから私は死なない」と言って動きません。狼狽する山本。走ってきた電車は響の体に触れるような位置で緊急停止します。
結局、響の『お伽の庭』は単行本化されることが決まりほっとする花井に響から電話が。印税がいくら入るか聞く響。電話は警察に連行される響がパトカーの中からかけていたのです。鉄道会社から賠償請求されるぞと言う警官に「たぶんそれは大丈夫」と響は答えるのでした。
以上、映画「響 HIBIKI」のあらすじと結末でした。
小説が好きな女子高生である響が天才的な文才を発揮して読者投稿作品から新人賞、直木賞、芥川賞を経てデビューするというありふれていそうな話ながら、響から影響を受ける周りの友人、プロやアマチュアの小説家やマスコミを通じて社会現象のように広がっていく世界観に魅入られました。響を演じる平手友梨奈は映画初主演ながら対比となる山本役の小栗旬にも負けない強烈な個性を発揮していてまさに漫画原作の響が実写に飛び出してきたような感動を覚えました。