窓ぎわのトットちゃんの紹介:2023年日本映画。女優・タレントの黒柳徹子が1981年に書き下ろし、大ベストセラーとなった同名ノンフィクション自伝作品を、黒柳徹子生誕90周年・テレビ朝日開局65周年作品として映像化した長編アニメーション作品です。黒柳徹子自ら製作とナレーションを務め、第二次世界大戦時代に東京に実在した「トモエ学園」を舞台に黒柳徹子の小学生時代を描いていきます。
監督:八鍬新之介 原作・製作:黒柳徹子 主題歌:あいみょん『あのね』 声優:大野りりあな(黒柳徹子(トットちゃん))、役所広司(小林宗作(小林先生))、小栗旬(黒柳守綱(トットちゃんの父))、杏(黒柳朝(トットちゃんの母))、滝沢カレン(大石先生)、松野晃士(山本泰明(泰明ちゃん))、石川浩司(自由が丘の駅員)、ダニエル・ケルン(ローゼンシュトック)、駒田航(齋藤秀雄)、園崎未恵(赤松小学校の先生)、加納千秋(泰明ちゃんの母)、黒柳徹子(ナレーション)ほか
映画「窓ぎわのトットちゃん」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「窓ぎわのトットちゃん」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「窓ぎわのトットちゃん」解説
この解説記事には映画「窓ぎわのトットちゃん」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
窓ぎわのトットちゃんのネタバレあらすじ:起
1940年(昭和15年)。小学1年生だった“トットちゃん”こと黒柳徹子は母・朝に連れられ、転校先となる自由が丘の「トモエ学園」へと向かいました。トットちゃんは前の学校ではとにかくやかましく、授業中にそばを通りがかったチンドン屋を呼び寄せて演奏させ、授業を滅茶苦茶にしたことなどから学校を追い出されたのです。
トモエ学園の教室は廃車となった電車を利用していました。トットちゃんはこの教室をとても気に入り、入学のために校長の小林宗作先生との面接に臨みました。トットちゃんは家族構成など思いついたことを全て話し、面談は約4時間にも及びました。小林先生はトットちゃんは本当は良い子だと素質を認め、彼女の入学を許可しました。
翌日からトットちゃんはトモエ学園に通い始めました。同級生たちに自己紹介したトットちゃんは好きなところに座ってもいいと言われ、窓ぎわに座りました。担任の大石先生はこの日は好きなことをやっていいと言い、児童たちはピアノ、そろばん、作文、理科の実験、習字、絵描きなどそれぞれ思い思いの勉強をしました。
トットちゃんは小児麻痺で手足が自由に動かない少年・山本泰明と知り合いました。泰明ちゃんは他の児童たちが午後の散歩に出かけるなか一人だけ教室に残り、本を読んでいました。トットちゃんはそんな泰明ちゃんを木登りに誘い、登れないという泰明ちゃんにやってみなければわからないと助言しました。
窓ぎわのトットちゃんのネタバレあらすじ:承
ある時、トモエ学園に新たな電車が搬入されてきました。電車は本が沢山置かれている図書室となりました。
水泳の授業の時、トットちゃんはためらう泰明ちゃんを誘ってプールに入れました。最初は溺れそうになった泰明ちゃんも次第に泳げるようになりました。やがて夏休みになり、トットちゃんは脚立を使って泰明ちゃんを木に登らせてあげました。泰明ちゃんはトットちゃんに、アメリカには“テレビジョン”という世界を平和にする箱があることを教えました。泰明ちゃんはトットちゃんにテレビに出るよう勧めましたが、箱の中に入ると勘違いしたトットちゃんは嫌がりました。泰明ちゃんの母は息子の成長に嬉し泣きしました。
トットちゃんは父でバイオリン奏者の守綱や朝と共に夏祭りに繰り出しました。守綱はトットちゃんに何でも買ってあげると言い、トットちゃんはヒヨコを飼いたいと願い出ました。朝はヒヨコは体が弱くて死にやすいと反対しましたが、トットちゃんの熱意に折れた守綱は買ってあげることにしました。
小林先生は音楽を駆使して人間形成を図る音楽教育法・リトミックの日本における先駆者でした。小林先生は自らピアノを弾いて児童たちを躍らせ、泰明ちゃんもその輪に加わりました。
やがてトットちゃんの飼っていたヒヨコが死にました。朝はトットちゃんを慰め、お墓を作ってあげようと呼びかけました。泰明ちゃんはヒヨコはトットちゃんに出会えたから幸せだと語り、ヒヨコは天国にいったのだろうと慰めました。
ある時、トットちゃんは泰明ちゃんを連れて、守綱が所属する交響楽団の練習場に連れて行きました。しかし、指揮者のローゼンシュトック先生は第二次世界大戦真っ只中の祖国・ドイツが日本と同盟を組んだことに失望していました。
運動会の日。トットちゃんは泰明ちゃんとペアを組んで二人三脚に挑みました。トットちゃんは懸命に泰明ちゃんを支え、最下位に終わるものの走り切りました。朝は泰明ちゃんを褒め、泰明ちゃんの母はトットちゃんのお陰だと感謝しました。
窓ぎわのトットちゃんのネタバレあらすじ:転
1941年(昭和16年)12月8日、日本は太平洋戦争に突入しました。ラジオのニュースを聞いた守綱は顔色が険しくなり、これからは敵国(アメリカ・イギリス)の言葉を使わないようトットちゃんに命じました。
翌1942年(昭和17年)。トットちゃんは3年生になりましたが、駅で出征兵を見かけるなど戦争の影は少しずつ周囲にも忍び寄っていました。ある時、トットちゃんは同級生の男の子たちと相撲を取り、全員を打ち負かしました。行司をしていた泰明ちゃんもトットちゃんと相撲したいと言い出し、危険だという小林先生の提案で腕相撲をすることにしました。トットちゃんはわざと負けましたが、泰明ちゃんはずるいと怒りました。
そんなある日、他の学校の児童たちがトモエ学園の近くに現れ、トモエ学園をボロ学園だとバカにしてきました。他校の児童たちは泰明ちゃんを兵隊にもなれない穀つぶしだとバカにし、トモエ学校の児童たちは他校と一触即発となりましたが、トットちゃんはケンカはよくないと止め、児童たちみんなでトモエ学園は良い学園だと歌いだしました。押された他校の児童たちは逃げ出していきました。
ある日、トットちゃんは両親に連れられて銀座に買い物に出かけましたが、そこに警官が現れ、朝の服装は華美だから遠慮してもらいたいと言い出してきました。トットちゃんは機転を効かせ、警官と揉めそうになった両親を連れて逃げ出しました。戦況は刻一刻と悪化するばかりでした。
窓ぎわのトットちゃんの結末
1943年(昭和18年)。トットちゃんたちの弁当も極めて質素なものになっていました。冬休みのある日、泰明ちゃんは「アンクルトムズ・キャビン」という本を読んでいました。泰明ちゃんはトットちゃんに、この本はどんな差別を受けても諦めない黒人奴隷の話だと教えました。泰明ちゃんはトットちゃんにこの本を貸すことにし、トットちゃんはきちんと読むこと、休みが開けたら本を返すことを約束しました。
トットちゃんの家に軍需工場から電話があり、守綱に食糧と引き換えにバイオリンで軍歌を弾いてほしいとの依頼がありました。しかし、トットちゃんが借りてきた「アンクルトムズ・キャビン」を読んだ守綱は深く感銘を受け、魂を買うことはできないとして依頼を断りました。
トットちゃんは夢を見ていました。それはトットちゃんと泰明ちゃんが「アンクルトムズ・キャビン」の世界に入り込み、アンクルトムが働く綿花畑の中を逃げ、川の上に張った氷の上を渡ったところ、泰明ちゃんの真下の氷が割れるというものでした・・・。
・・・小林先生は児童たちに泰明ちゃんが亡くなったことを伝えました。トットちゃんは児童や先生たちと共に泰明ちゃんの葬式に参列し、「アンクルトムズ・キャビン」を返せなかったことを謝ると泰明ちゃんのことは決して忘れないと誓いました。
1944年(昭和19年)。戦況はより一層悪化し、トモエ学園の児童たちは次々と疎開していきました。小林校長は壁に貼られていた軍艦のポスターを破り、トットちゃんは大きくなったらトモエ学園の先生になりたいと言い出しました。小林先生はトットちゃんは本当にいい子だと抱きしめました。
1945年(昭和20年)。トモエ学園は空襲で全焼しました。小林先生は燃えさかる学園を見つめながら、今度はどんな学校を作ろうかと必死に前を向いていました。
トットちゃんは一家と共に青森へ疎開することになりました。目的地が近づき、列車の窓の外のリンゴ園ではチンドン屋が行進していました。泣き続けていた幼いきょうだいはいつしか泣き止んでおり、トットちゃんはきょうだいに「あなたは本当にいい子」と声を掛けました。
以上、映画「窓ぎわのトットちゃん」のあらすじと結末でした。
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