聖地には蜘蛛が巣を張るの紹介:2022年デンマーク, ドイツ, スウェーデン, フランス映画。売春婦が連続で殺害される事件が発生、事件を追う女性ジャーナリストのラヒミとシャリフィ、性差別的な風潮があるイランで真相を追っていきます。実際にあった事件を基にして製作され、差別される女性側からの視点がとても良く描かれています。
監督:アリ・アッバシ 出演:メフディ・バジェスタニ(サイード)、ザール・アミール=エブラヒミ(ラヒミ)、アラシュ・アシュティアニ(シャリフィ)、フォルザン・ジャムシドネジャド(ファティメ)、ほか
映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」解説
この解説記事には映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
聖地には蜘蛛が巣を張るのネタバレあらすじ:起
イランの聖地マシュハド。この国では男尊女卑が根付いていて、とりわけ売春婦に対する男の対応が酷いものでした。欲を満たすために乱暴にし、少ない金を握らせる、そんな扱いでした。
ジャーナリストのアレズー・ラヒミ(ザール・アミール=エブラヒミ)は、近辺で起きている売春婦連続殺人事件を調査していました。首都に着いた彼女は聖地の習わしに従いスカーフを巻いて調査に向かいます。
男たちの「女のくせに」という悪意ある目線や態度に耐えながらも、ラヒミは、犯人は売春婦をバイクに乗せて人気のない所に連れ出し、被害者のつけているスカーフで首を絞めて殺害、その後ゴミ捨て場に捨てるというパターンがあることを知ります。
ラヒミは調査しながら何者かにつけられ、身の危険を感じます。
聖地には蜘蛛が巣を張るのネタバレあらすじ:承
殺人事件の犯人であるアジヒの日常が映し出されます。低賃金労働者であるアジヒ、美しい妻に3人の子供がいる家族想いの男です。イラク戦争から帰還した影響で次第に精神を蝕んでしまったアジヒは、家族思いの男の反面、突然情緒がおかしくなったり、自宅で売春婦を殺して死体を絨毯の中に隠し、妻とのセックスの最中に絨毯から死体の足が出たことに興奮を感じる一面を見せたりします。
アジヒが捨てた売春婦の死体の調査に、ラヒミとジャーナリスト仲間のシャリフィ(アラシュ・アシュティアニ)が調査にやってきます。死体を見て、前の調査で話をした売春婦だったのでラヒミはショックを受けてしまいました。
ラヒミのもとに警察官のロスタミがやってきます。愛想よく話すロスタミでしたが徐々に本性を現し、遠回しに自分と寝るよう交渉してきました。ラヒミがきっぱり断ると態度を一変し、ラヒミを脅した後、帰っていきます。
聖地には蜘蛛が巣を張るのネタバレあらすじ:転
その後もアジヒの犯行は続きます。売春婦に上から目線をされたとキレてしまい、首を絞めて殺害。その後、顔や首を踏みつけて自らを誇示すると、いつものように死体を捨ててしまいます。
ラヒミとシャリフィはこれまでの犯罪パターンを解析し、次の犯行場所を予測します。ラヒミが囮となり調査を開始すると、予測通りアジヒが現れ、ラヒミを車に乗せて連れ去りました。
ラヒミはボイスレコーダーを用意して待ち構えました。するとアジヒはスカーフで首を締めようと襲いかかります。ラヒミは精一杯の抵抗を見せ、スカーフが緩んだ隙を見て逃げ出しました。アジヒはついにバレてしまったことを嘆きましたが、翌朝やってきた警察に逮捕されました。
聖地には蜘蛛が巣を張るの結末
ボイスレコーダーの証拠を元にラヒミは証言台に立ち、アジヒに殺された被害者の遺族と共に裁判に挑みます。どう考えてもアジヒの敗訴は間違いないように見えましたが、売春婦撲滅を訴える団体がアジヒの釈放を求め始めたのです。すると、アジヒは8代目イマームと神のために行った犯行だと、あくまで宗教的な理由を述べ始めたのです。
その後、検察側と退役軍人の会の支援者たちがアジヒを訪ね、死刑執行の日に車で連れ去ることを約束するから罪を認めるよう言いました。同士が言うならとアジヒは罪を認め、アジヒに死刑執行が言い渡されます。
しかし、死刑執行当日、約束していた者は誰一人現れず、狼狽するアジヒに死刑は執行されました。
ラヒミとシャリフィは互いを労い別れていきました。その後、父を亡くしたアジヒの息子アリと妹。アリは妹に、自分の父親がいかに汚らわしい売春婦を圧倒的な力で排除してきたかを誇らしげに妹に話しています。
以上、映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」のあらすじと結末でした。
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