悪夢のファミリーの紹介:1979年アメリカ映画。内気な青年とその家族が繰り広げる、悪い夢のような日々を綴ったブラック・コメディ。高校生デニスの家族はとにかく変人揃いだった。浮気性の父にヒステリックな母、禁欲主義の兄ジェームス。家族の中で目立たないデニスも次第に覗き趣味をこじらせていく。デニスはジェームスの婚約者クリスティナに惹かれ始めるが、彼女は禁欲生活に苦しんでいた。ある日デニスの前に現れたマエストロなる男は、彼を主役にすべく映画の撮影を勧める。監督を務めるのは「キャリー(1976年)」「殺しのドレス(1980年)」等で知られるブライアン・デ・パルマ。
監督:ブライアン・デ・パルマ 出演者:ナンシー・アレン(クリスティナ)、カーク・ダグラス(ザ・マエストロ)、キース・ゴードン(デニス・バード)、ヴィンセント・ガーディニア(ドクター・バード)、ゲリット・グレアム(ジェームス・バード)ほか
映画「悪夢のファミリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悪夢のファミリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「悪夢のファミリー」解説
この解説記事には映画「悪夢のファミリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悪夢のファミリーのネタバレあらすじ:バード家の人々
舞台はアメリカ、ナウ大学。学生を前に教鞭を執っているのは、「スター療法の探究」を行っているザ・マエストロなる男です。彼はスター療法の要は演技だと学生達に説きました。マエストロはかつて自分の教え子だった1人の青年をスライドで紹介します。彼の名前はデニス・バード。人生で主演することを拒んだ、永久のエキストラです。彼にとっての事件は去年の夏に起こりました。
デニスの家族はとにかく変わり者が揃っています。医者である父は浮気性で、隙あらば若い看護師に手を出していました。母は夫の裏切りを悲嘆し、大体いつも情緒不安定です。兄のジェームスは過激な禁欲主義者で、自然食に強いこだわりを持っていました。男性優位を美徳とするジェームスには可憐な恋人クリスティナがいます。
彼らに比べるとデニスは非常に地味で内気な存在で、まるで透明人間のようだと自覚していました。ジェームスは正式にクリスティナを家族に紹介すべく、彼女を夕食に招待しました。今夜はテストだと前置きしたジェームスは、絶対に何も食べるなと言い含めます。
悪夢のファミリーのネタバレあらすじ:婚約による変化
夕食の席でジェームスがクリスティナとの結婚を発表すると、両親は大喜びします。父は祝うついでにクリスティナにちょっかいを出し、肉を食べさせてしまいました。うっかり口にしたクリスティナはジェームスの厳しい視線を感じて慌てます。キスをして肉を取り出したジェームスは、食べ物は毒だとクリスティナを叱りました。
実はクリスティナは元娼婦で、酒も煙草も男も大好きだったのです。ジェームスに惚れてから彼の言う通りに禁欲生活を貫いてきましたが、正直息苦しさも感じていました。一方デニスは泣き暮らす母を不憫に思い、離婚の手伝いをしようと思いつきます。それには決定的な浮気現場の写真が必要だと考え、夜を待って父の病院を覗き見る生活が始まりました。
3週間経過しても成果を上げられませんでしたが、いつの間にかデニスは覗き行為にすっかり夢中になっています。そこに突然マエストロが現れました。彼は更生の道を教えると言い、強引にデニスに名刺を渡します。後日、クリスティナとデニスはバスケットケースに自然食品をたくさん入れ、ジェームスが受け持つ授業のハイキングに同行しました。しかしジェームスは堕落すると激怒して暴れ、昼食を台無しにしてしまいます。
デニスは落ち込むクリスティナをファーストフード店に連れて行きました。はじめは躊躇していたクリスティナもどんどん食べ進めます。男は皆好きだと言うクリスティナに、デニスは「キレイな人だ」と呟きました。
悪夢のファミリーのネタバレあらすじ:数々の誘惑
夜、帰宅したクリスティナを待ち構えていたのはジェームスです。彼は驚異的な嗅覚と観察力でクリスティナが禁欲に失敗したことを見破りました。ジェームスは失望し、結婚は延期だと言い出します。慌てるクリスティナに、ジェームスは自分が作り上げた女であることを証明しろと告げました。クリスティナは愛を証明するため、ジェームスが用意した数々の誘惑を振り払わなければならなくなります。
一方、マエストロを訪ねたデニスは、映画を撮影するよう勧められました。自分の1日を撮影しろと言われ、困惑しながらもその指示に従うことにします。クリスティナは次々襲いかかる誘惑を何とか回避していました。酒に煙草にドラッグ、ファーストフード、セックス。身勝手な条件にデニスは怒りますが、クリスティナはジェームスの正当性を全く疑いません。デニスは「自然のままの君で どこが悪いの」と呟きます。
そんな毎日が続き、ついにクリスティナはジェームスのテストに合格しました。婚約パーティーを明日に控え、クリスティナは大喜びで夜の野外活動中であるジェームスのところへ駆けていきます。
悪夢のファミリーのネタバレあらすじ:迷走するクリスティナとデニス
ジェームスは男子学生相手に「女は恐れるに足らん」と熱弁していました。結婚も男である自分の種を蒔き育むために器が必要だからだと言います。ジェームスは学生同士でペアを組ませ、キスの仕方、愛撫のコツを教えていきました。そしてついに挿入まで説明する段階になって、クリスティナが偶然そのとんでもない場面を目撃してしまいます。
一方、デニスは相変わらず夜の覗きを続けていました。そこで粗暴な警官マイケル・クイン巡査に見つかり、咄嗟に自分をテレビ局の取材班だと偽ります。すっかり騙された巡査を利用して父の病院に押し入ったデニスは、ついに看護師との浮気現場を撮影しました。
帰宅したデニスは、撮影した動画をどうすべきか悩んでいました。すると泣きながら戻ってきたクリスティナが自室に閉じ篭ってしまいます。半狂乱の彼女はウサギのパペットバニーを取り出して装着し、彼と会話を始めました。乱暴で卑猥な言葉を連発するバニーと、ひたすら悲しむクリスティナ。まるで二重人格のような会話を繰り広げているところへ、心配したデニスがやってきます。クリスティナはデニスを誘い、ついついセックスに溺れてしまうのでした。
悪夢のファミリーの結末:人生のエキストラ
翌日。クリスティナは睡眠薬を大量に飲み、バニーに引きずられて部屋を出ていきます。バニーは婚約パーティーの招待客に喧嘩を売りまくり、ジェームスの車を奪って逃げてしまいました。騒動に気付いたデニスも慌ててその車に乗り込みます。怒り狂ったジェームスは困惑する母と共にクリスティナ達を追いかけました。バニーが途中で車から落ちると、クリスティナは悲鳴を上げぐったりしてしまいます。デニスは慌てて父の病院へ担ぎ込みました。
父にもたれかかるクリスティナを見たジェームスは「売女め」と吐き捨て、銃を構えます。逃げ惑うクリスティナに銃口を向けますが、幸い弾は入っていませんでした。しかし車道に飛び出したクリスティナは、そのまま事故に遭ってしまいます。
痛ましい事件の後、デニスは大学進学のために家を離れることになりました。駅で1人座り込んでいると、死亡したと思われていたクリスティナが現れます。禁欲生活から解き放たれた彼女は明るさを取り戻し、より美しくなっていました。2人はキスを交わし、笑顔で歩き出します。
そんなデニスを、マエストロは永久にエキストラだと残念そうに紹介しました。バード家では父と看護師の浮気の動画が発見され、再び嵐が荒れ狂います。バニーは偶然自分を拾った少女に話しかけました。バニーが芸能界に興味はないかと言って少女の腕を引っ張り、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「悪夢のファミリー」のあらすじと結末でした。
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