ホノカアボーイの紹介:2008年日本映画。ハワイ島の北の端に実在する小さな町ホノカアに住む日系アメリカ人コミュニティを舞台にした映画。町の映画館で映写技師として働くことになった青年と、そこに暮らす人々の人間模様がつづられる。人気作家、吉田玲雄のホノカアボーイが原作。岡田将生の初主演映画。恋人にフラれたレオは大学を休学し、以前元カノと訪れたハワイ ホノカアの映画館で働くことになります。その映画館の近くに住むビーと出会い、食事の世話をしてもらうことになったレオ。ビーはレオを50年前に亡くした旦那と照らし合わせていました。レオがマライアという女性と出会い恋をしてから事件が起きていきます。
監督:真田敦 出演者:岡田将生(レオ)、倍賞千恵子(ビー)、長谷川潤(マライア)、喜味こいし(コイチ)、正司照枝(みずえ)、蒼井優(カオル)、深津絵里(チャコ)、吉田玲雄(トム)、松坂慶子(エデリ)ほか
映画「ホノカアボーイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホノカアボーイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ホノカアボーイ」解説
この解説記事には映画「ホノカアボーイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホノカアボーイのネタバレあらすじ:起
レオ(岡田将生)は付き合っていた彼女と別れました。この恋を通してレオは愛が分からなくなります。そんなレオは元カノのカオル(蒼井優)と付き合っていたときに訪れたハワイで、数ヶ月間住み込みで働きながら生活を送ることにしました。ホノカアという田舎町の映画館でアルバイトをし、近所のおばさまの元へ食料を届ける仕事もしています。
おばさまの名前はビー(倍賞千恵子)。ビーの家に来ましたが、姿が見えません。レオはキッチンに行き、美味しそうな料理を見つけたので味見をします。その様子を見ていたビーが「それは猫の餌だよ」とからかいます。優しいビーはレオのために食事を用意していました。喜びながら美味しそうに食べるレオを微笑みながらビーは見ています。レオはカップラーメンばかり食べていると聞き、体を心配したビーはこれからはウチでご飯を食べるよう言います。
レオの働く映画館で技師をしているバズ(Chaz Mann)が骨折してしまい、やむを得ず休業することに。しかし、レオはバズから指導してもらっていたこともあり、運営の交代を申し出ます。しかし、業務本番になると映写機にトラブルが発生。レオはまだまだ不慣れだったため、結果、公開が中止になってしまいレオは意気消沈。そんなレオをビーは励まします。
ホノカアボーイのネタバレあらすじ:承
レオはビーの家で食事をするのが習慣になっていました。ビーの手際の良い料理をする姿を見学します。
レオに日本からの郵便が届きます。中にはコイチ(喜味こいし)がレオに頼んでいたアダルト本が入っています。レオはコイチの喜ぶ姿が目に浮かび、急いで届けに行きます。
ビーはレオが来るのが楽しみになっていました。レオは買い物リストの代わりの手段として糸電話をビーに渡します。そして、レオはずっと見たいと思っていた月の虹を見ようとビーを誘います。次の日、森のコテージへ月の虹を見に行きます。満月ではありましたが、残念ながら雲がかかり、虹は見えませんでした。
ビーは亡くなった旦那さんの話をします。レオは自身の恋の話をします。「彼女ができたらビーに料理を教えてほしい」と言うとビーは突然態度を変え、先に帰ってしまいました。
病気を患っている妻を残し、コイチが急死してしまいます。平然を装っていた妻ですが、次第に現実を実感し、悲しさが溢れてしまいます。霊魂を悼むダンスを踊る女性がいます。その女性マライア(長谷川潤)に目を奪われたレオ。数日後、スーパーでレオが目を奪われた女性のマライアとばったり再会します。明るくて美しいマライアにドキドキするレオは、看板のイラストを描いてほしいとお願いされます。その頃、レオを意識し始めたビーはワンピースを購入し、恋する乙女のように高揚していました。
ホノカアボーイのネタバレあらすじ:転
レオはマライアに恋をしています。2人はビーチへ出かけました。すると、マライアからディナーのお誘いを受けて行くことにします。レオに恋するビーはその日もレオの夜ご飯を用意していましたが、結局レオは来ませんでした。
レオと2人で過ごすことが多くなったマライアは、レオの働く映画館をよく訪れるようになります。明るいマライアはレオの周りの人からも好かれます。嬉しくなったレオは、マライアを自分の誕生日パーティーへ招待します。
昨夜ご飯を用意してくれていたビーの家をレオが訪れます。そして、普通に食事をします。2人の距離は少し離れていました。
レオの誕生日パーティーの会場はビーの家です。そこへ、レオに招待されたマライアがケーキを持ってやってきます。しかし皮肉にも、ビーも豪華なケーキを用意していました。マライアは、フレンドリーにビーにも接しますが、レオとマライアの仲よさそうにしている姿を見かねて、ビーは買い物に行くと口実をつけて外出してしまいます。
すると、ビーの料理を食べたマライアが倒れて病院へ運ばれます。マライアはピーナッツアレルギーでした。レオは激怒してビーに電話して、なぜピーナッツを入れたのか問い詰めます。
マライアの様子を見ようと病室へ行くと、マライアの彼氏がお見舞いに来ていました。レオはマライアに彼氏がいたことをその時初めて知り、失恋します。そんなとき、ビーは自宅で倒れていました。ビーは脳内出血を起こし、両目の視力を失ってしまいました。レオはビーに心から謝ります。ビーはいつものようにレオに接し、優しく歌を口ずさみ、レオの心を癒しました。
ホノカアボーイの結末
レオが亡くなったコイチの家の前を通ると、コイチの霊と出会います。バズの怪我が完治しないので、映画館は閉館することになります。レオはビーの側にいてお世話をしたいと思っていました。そんなレオを見かねて、日本に帰るのかハワイに残るのかはっきり決めろといい、コイチは天へと帰っていきました。
レオはハワイに残り、ビーと一緒に住むことにします。ビーはレオに料理の指導をしたり、前よりもずっと穏やかな生活を送る2人。そして、レオはビーに「また森のコテージへ行って月の虹を見に行こう」と誘います。満月の夜に森のコテージへ行くと、ビーは視力がほんの僅かに戻り、うっすらと月の虹が見えました。願い事を言うと叶うと言われているので、またレオの困った顔が見たいとお願いします。
ハワイに嵐が来た夜、ビーは1人で目を覚ますと視力が完全に戻っていて、レオの寝顔を見ることができました。ビーはキッチンに立ち、久し振りに料理をします。レオが起きると、ビーの姿はどこにもありませんでした。ハワイでは、死んだ人は風になるという言い伝えがあります。レオはそのことを思い出し、ビーは風になったのだと悟りました。
1年後、社会人になり日本で生活を送っていたレオがハワイに戻ってきます。ビーが亡くなった後も家はそのままです。そして、ビーの家を訪れたレオは部屋に飾られた自分とビーの写真を見て、ビーからの深い愛情を初めて感じました。お向かいの家の窓際にビーの姿が見えます。ビーが姿を消したので言えてなかった「ごちそうさま」という言葉を言うと、ビーは微笑みながら天に昇っていくのでした。
以上、映画「ホノカアボーイ」のあらすじと結末でした。
見た後に穏やかなハワイの空気を感じたくなります。レオとビーのやりとり、会話が心地よいのはもちろん、その他の登場人物とのやりとりもほっこりします。人が人を思う気持ち。見返りを求めない愛のカタチが見ていて感じられます。いつかその場所に行って同じ空気を吸いたいです。