愛しのアイリーンの紹介:2018年日本映画。二人で歩む、地獄のバージン・ロード…。新井英樹の同名漫画を『犬猿』『ヒメアノ~ル』の吉田恵輔監督のメガホンで映画化した衝撃のバイオレンス・ラブストーリーです。安田顕(TEAM NACS)演じる42歳の非モテ男と、18歳フィリピーナの壮絶すぎる国際結婚を描きます。
監督:吉田恵輔 出演者:安田顕(宍戸岩男)、ナッツ・シトイ(アイリーン・ゴンザレス)、河井青葉(吉岡愛子)、ディオンヌ・モンサント(マリーン・ディオンヌ)、福士誠治(正宗)、品川徹(宍戸源造)、田中要次(竜野)、伊勢谷友介(塩崎裕次郎)、木野花(宍戸ツル)ほか
映画「愛しのアイリーン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「愛しのアイリーン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
愛しのアイリーンの予告編 動画
映画「愛しのアイリーン」解説
この解説記事には映画「愛しのアイリーン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
愛しのアイリーンのネタバレあらすじ:起
とある閉鎖的な田舎町。農家を営む宍戸家の一人息子・宍戸岩男(安田顕)は過保護な母・ツル(木野花)と認知症を患う父・源造(品川徹)と暮らしながら地元のパチンコ店で働いている42歳の男です。岩男は根っからの小心者であり、その内気で奥手な性格から中々彼女ができず、この年になっても未だに独身のままでした。
岩男は職場の同僚でシングルマザーの吉岡愛子(河井青葉)に想いを寄せていました。ある日、岩男は愛子から食事に誘われ、すっかりその気になって舞い上がってしまいましたが、実は愛子の裏の顔は男性関係が非常に乱れているものであり、岩男は玉砕覚悟で愛子に猛アタックしましたが結局はフラれてしまいました。そんなどうしようもない一人息子を溺愛するツルは、毎晩一人寂しく自慰行為を行う岩男の姿を覗き見ており、心配のあまり何とかして嫁をもらえないものかとあれこれ画策しますが、それが却って岩男の怒りを買ってしまい、大喧嘩の末に岩男は家を飛び出し、それ以来職場にも姿を現さなくなってしまいました。
愛しのアイリーンのネタバレあらすじ:承
岩男は今までコツコツ貯めてきた300万円をフィリピンの女性との結婚を斡旋する業者に支払い、フィリピンまで出向いてお見合いツアーに参加しました。約30人もの女性の中から岩男が選んだのは、まだ18歳の貧しいフィリピン人女性アイリーン・ゴンザレス(ナッツ・シトイ)でした。岩男はアイリーンの実家に月々仕送りすることを条件に国際結婚を決め、アイリーンを連れて帰国しました。
ところが、岩男が日本を離れていた2週間の間に父・源造は脳梗塞で急死しており、岩男がアイリーンを連れて帰宅した時はちょうど源造の葬儀の最中でした。母・ツルはフィリピーナを岩男の嫁とは断じて認めず、猟銃の銃口を向けて追い返そうとしました。岩男はツルを何とか説得、晴れて岩男はアイリーンとの初夜に臨もうとしましたが、そもそもが金で買ったような愛情のない結婚関係であり、初体験は好きな人という夢をアイリーンは岩男を拒絶してしまいます。それでもアイリーンはフィリピンパブで働く同郷の女性マリーン・ディオンヌ(ディオンヌ・モンサント)から日本語を学び、何とか片言の日本語は話せるようになっていきました。
愛しのアイリーンのネタバレあらすじ:転
そんなある日、フィリピーナをフィリピンパブへ送り込む斡旋業をしているヤクザの塩崎裕次郎(伊勢谷友介)が現れ、アイリーンをさらって売り飛ばそうと目論みました。アイリーンを連れて行こうとする塩崎を岩男は車で追いかけ、とある山中で岩男は塩崎を猟銃で射殺してしまいます。岩男とアイリーンは塩崎の死体を山中に埋め、二人の中で何かが弾けたのか、この日を境に岩男とアイリーンは心身ともに結ばれるようになりました。
その後、岩男は塩崎の仲間のヤクザに目を付けられ、車や家に「岩男は人殺し!」などと落書きをされるなど執拗な嫌がらせを受けるようになりました。精神的に追い詰められた岩男は愛子との不倫に走り、ツルもまた岩男を別の女性・琴美(桜まゆみ)に会わせてみようと画策しました。やがて岩男は雪深い山中に入り、ナイフで木々に何やら文字のようなものを刻み付けるようになっていきました。そんなある日、いつものように山に入った岩男は、足を滑らせて斜面から転落していきました。
愛しのアイリーンの結末
アイリーンは行方をくらました岩男を探して山中に入り、そこで車を見つけて更に奥へ踏み入ると、木々に大きく「アイリーン」の文字がいくつも刻み込まれているのを見つけました。アイリーンが崖の下を覗き込むと、岩男は雪の中に埋もれて絶命していました。
ツルはアイリーンに連れられて山中に入り、変わり果てた我が子と対面しました。逆上したツルはアイリーンに包丁を突きつけ、自分を山に捨てろと半ば脅迫するように命じました。アイリーンはそんなことはできないと言いながらもツルを背負って山中を歩き、そこでツルに自分が岩男との子供を宿していることを打ち明けました。ツルは初めてアイリーンに笑みを投げかけ、静かに息を引き取りました。一人残されたアイリーンは冬の雪山でたたずんでいました。
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