とんかつDJアゲ太郎の紹介:2020年日本映画。「少年シャンプ+」で配信されていた同名のギャグ漫画を、イケメン北村匠海主演でまさかの実写化。DJはもちろん、キャベツの千切りまで猛練習したという北村は、被り物でコミカルなダンスを踊るなどまさに体を張った熱演で新境地を拓いた。そんなアゲ太郎が憧れるスタイリスト見習い苑子を演じるのは山本舞香。そしてアゲ太郎を支える三代目道玄坂ブラザーズの4人は皆個性的で常に笑いを誘う。とにかく見終わったあとハッピーな気分でとんかつが食べたくなる映画だ。
監督・脚本:二宮健 原案:イーピャオ 漫画:小山ゆうじろう キャスト:北村匠海(勝又揚太郎)、山本舞香(服部苑子)、伊藤健太郎(屋敷蔵人)、加藤諒(室満夫)、栗原類(白井錠助)、前原滉(平積タカシ)、浅香航大(夏目球児)、池間夏海(勝又ころも)、片岡礼子(勝又かつ代)、ブラザートム(勝又揚作)、伊勢谷友介(尾入伊織<DJオイリー>)ほか
映画「とんかつDJアゲ太郎」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「とんかつDJアゲ太郎」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
とんかつDJアゲ太郎の予告編 動画
映画「とんかつDJアゲ太郎」解説
この解説記事には映画「とんかつDJアゲ太郎」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
とんかつDJアゲ太郎のネタバレあらすじ:起
渋谷・道玄坂にある円山旅館の宴会場。そこから向かいのビルで働く美人のスタイリスト見習いを見て油を売っているのはとんかつ屋「しぶかつ」の三代目・勝又揚太郎(北村匠海)。そこは円山旅館の三代目・室満夫(加藤諒)、「東横ネオン電飾」三代目・夏目球児(浅香航大)、「道玄坂薬局」三代目・白井錠助(栗原類)、「宇田川ブックセンター」三代目・平積タカシ(前原滉)たち5人のたまり場になっています。揚太郎が妹ころも(池間夏海)からの電話で急いで店に戻ると行列ができるほどの大混雑。あわてて揚太郎はころもと替わってキャベツを切り始めます。
閉店後、揚太郎はそろそろ肉を揚げさせてほしいと口にしますが父の揚作(ブラザートム)は渋い顔です。そこへ弁当注文の電話が入り、揚太郎はそれをクラブWOMBへ届けることに。
中に通されると、出演するDJオイリー(伊勢谷友介)がしぶかつの弁当を待ちかねていました。手づかみで食べながらオイリーはそれを“円山町のソウルフード”と呼ぶのでした。揚太郎はフロアに入ることを許され、そこに憧れの美女・苑子(山本舞香)がいるのを見つけます。少し言葉を交わしたあとフロアで踊る苑子。彼女をそこまでノリノリにさせるDJプレイに初めて接し衝撃を受けた揚太郎は、帰り際のオイリーをつかまえ弟子にしてほしいと頼み込みます。しかし「思うがままにやったらいい」と適当にあしらわれた揚太郎は、好きにやったらいい、と前向きに解釈し早速行動を開始します。
とんかつDJアゲ太郎のネタバレあらすじ:承
悪友たちの協力でたまり場に手作りのDJブースを作り上げた揚太郎は、“とんかつDJ”と名乗ってYOU TUBEに動画をアップし始めます。とんかつの被り物をかぶって5人で踊ったりするその動画は話題となり、あっという間に10万再生突破。店にはとんかつDJ見たさに若者がやってくるようになっていました。
自信を持った揚太郎はWOMBに行き、苑子にその動画を見せて自分だと伝えますが反応はイマイチ。「猫DJみたいな?」と完全に色モノ扱いです。
そのころオイリーは家賃滞納で追い出され、なじみのレコード屋に身を寄せていました。レア盤のレコードを買ってやると言われますが、大切なレコードを手放すはずがありません。オイリーは突然なにかをひらめき、しぶかつへ向かいます。混雑する店の中でオイリーを見つけた揚太郎はちゃんとしたDJになって苑子に認められたいと相談します。するとオイリーは協力を申し出、自分の持っているもの全部使っていいからと円山旅館に機材やレコードすべてを運びこませるのでした。
オイリーはDJ KOOの古いビデオを渡してこれで勉強しろと言います。揚太郎は熱心に練習しますが、一向に自分で教えようとしないオイリーの姿を悪友たちは心配そうに見ています。
とんかつDJアゲ太郎のネタバレあらすじ:転
ある日、WOMBでのイベント出演を持ちかけられたオイリーは、自分の代わりに若手を出したいと揚太郎を推薦します。思いがけずデビューの決まった揚太郎は悪友たちと練習に励みますが、それはちょっと内輪受けのノリでなんともイケてない感じ。オイリーは若干の不安を感じます。
イベント当日。密かに息子を心配している揚作も見に来ています。いよいよ揚太郎の出番。悪友たちが場違いなタキシード姿で現れるとフロアには微妙な空気が流れます。なかなかいい感じでプレイは始まりますが、途中から男子高校生のノリで悪友たちが騒ぎ始めるとフロアは一気にシラケてしまいました。オイリーの心配したとおり、揚太郎はフロアを見ずに自分の世界に没入してしまっています。ハッと気づいたときには客は引き始めており、そこに苑子の姿を見つけた揚太郎は誤って音を止めてしまいます。その最悪の状態を救ってくれたのは、天才DJとして大人気の屋敷蔵人(伊藤健太郎)でした。屋敷の登場に女性客がこぞってフロアに戻り、なんとかイベントは乗り切ることができましたが揚太郎のDJとしての前途は絶望的、オイリーは出入り禁止になってしまいます。
その後オイリーは行方不明、揚太郎もDJをあきらめてとんかつ屋の仕事に精を出す毎日です。
そんなある日、揚太郎が円山旅館から苑子の職場をのぞいているとそこではパーティが開かれていて、こちらに気づいた苑子が声をかけてきました。やがて、苑子は余ったワインやチーズ、生ハムを持って揚太郎たちのところへやってきました。イベントの失敗でDJをやめたという揚太郎に対し苑子は、初めてだったんだよね?とやさしくなぐさめます。苑子はそこにある大量のレコードの中から1枚を選ぶと促されるままにそれをかけ、初めての体験に輝くような笑顔をみせ揚太郎は幸せな気持ちになるのでした。
とんかつDJアゲ太郎の結末
揚太郎は店でとんかつを揚げる父揚作とゆっくり話をします。そして自分のことを気にかけてくれていた父の気持ちを理解し、父の揚げたとんかつを口にしました。
揚太郎の悪友たち4人は、揚太郎に再びDJのチャンスを与えるためWOMBで行われるコンテストに出るようすすめます。それに優勝すれば月イチでWOMBに出演できるといい、悪友たちはチラシを作って町内中に貼り出します。今はタクシー会社で下働きをしているオイリーの名誉挽回のためにも、揚太郎は優勝を誓うのでした。
コンテストの日。しぶかつは臨時休業、家族揃って応援に駆けつけています。フロアの二階には審査員席が設けられ、その中には屋敷の姿もありました。
いよいよ揚太郎の番。音楽ではなく、指を使って音を出すパフォーマンスを始めた揚太郎。それはキャベツを切り、肉に衣をつけ、そして揚げる…まさにとんかつを表現したものでした。「とんかつ」の文字につられて迷い込んできてしまったとんかつを食べ歩く会の老人たちもその音においしいとんかつを思い浮かべ、パフォーマンスに続くノリノリの音楽と“三代目道玄坂ブラザーズ”のダンスにフロアもブチ上がります。そしてさらに審査員である屋敷がたまらず乱入、ふたりのDJによるコラボにまさにボルテージはMAX!
その様子をみていたオイリーは、次の曲は皆の忘れられない曲となる、と揚太郎の選曲に期待。果たしてその曲は?
ベリンダ・カーライル『ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース』
そう、あの日苑子が初めて手にしたレコードの曲です。フロアで見守っていた苑子は満面の笑みを浮かべて踊りだし、フロアはハッピーな空気に満たされるのでした。
コンテストの結果発表。その場に揚太郎たちの姿はなく、別のDJが優勝しました。
そのころ揚太郎たちは、とんかつを食べ歩く会の人たちのために店を開け、てんてこ舞いでとんかつを提供していました。でもそこにいる誰もが笑顔です。
一段落してしぶかつの店内には揚太郎と揚作ふたりきり。揚作は初めて揚太郎にとんかつを揚げることを許します。父の教えどおり、ちょうどよい揚げ加減を耳で判断しとんかつを取り出した瞬間、店の戸が開き苑子が顔をのぞかせました。
「とんかつ、食べに来ました」
以上、映画「とんかつDJアゲ太郎」のあらすじと結末でした。
「とんかつDJアゲ太郎」感想・レビュー
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とんかつが悪い存在に変わってしまった気がします。
伊勢谷サンが誰だかわからなかった。
主人公とヒロインは可愛かったが、場所が悪いのかもしれません。
公開前にいろいろと悪い話が出回ってしまった本作ですが、クリーンな気持ちで見ると最高の娯楽映画でした。食映画としての側面はもちろん音楽映画として右肩上がりに大きく盛り上がり、ラストシーンはスクリーンで見れて本当によかったです。本当に映画館で見れてよかった。