るろうに剣心 最終章 The Finalの紹介:2020年日本映画。和月伸宏の人気コミック『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚』の実写映画化シリーズ第4作であり、最終章二部作の前編となるアクション超大作です。原作でも人気の高いエピソード「人誅編」をベースに、佐藤健演じる主人公・緋村剣心と、剣心の過去を知る最凶の敵・雪代縁(新田真剣佑)の激突を描きます。後編にしてシリーズ完結編となる『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は2021年6月公開。
監督:大友啓史 出演者:佐藤健(緋村剣心/緋村抜刀斎)、武井咲(神谷薫)、青木崇高(相楽左之助)、大西利空(明神弥彦)、蒼井優(高荷恵)、伊勢谷友介(四乃森蒼紫)、土屋太鳳(巻町操)、三浦涼介(沢下条張)、鶴見辰吾(浦村署長)、中原丈雄(前川宮内)、音尾琢真(呉黒星)、小市慢太郎(川路利良)、阿部進之介(鯨波兵庫)、栁俊太郎(乙和瓢湖)、丞威(乾天門)、成田瑛基(八ツ目無名異)、北村一輝(辰巳)、江口洋介(斎藤一/藤田五郎)、有村架純(雪代巴)、神木隆之介(瀬田宗次郎)、新田真剣佑(雪代縁)ほか
映画「るろうに剣心 最終章 The Final」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「るろうに剣心 最終章 The Final」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
るろうに剣心 最終章 The Finalの予告編 動画
映画「るろうに剣心 最終章 The Final」解説
この解説記事には映画「るろうに剣心 最終章 The Final」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
るろうに剣心 最終章 The Finalのネタバレあらすじ:起
1879年(明治12年)、横浜駅。元新撰組で今は“藤田五郎”と名乗り内務省警視局警官となっている斎藤一(江口洋介)は多数の警官らを引き連れて列車に乗り込みました。斎藤の狙いはこの列車に乗車している、上海の武器商人にして中国大陸の裏社会の頂点に君臨する雪代縁(新田真剣佑)であり、縁には『京都大火編』『伝説の最期編』の敵だった志々雄一派に甲鉄艦「煉獄」を売った容疑がありました。
縁は「抜刀斎(=緋村剣心(佐藤健))の頬にまだ十字傷はあるのか? 姉さんはまだあの男を恨んでいるのだろう」と訊くと警官隊と乱闘になり、次々と警官たちを倒していきました。しかし、斎藤が刀を抜くと、縁は「捕まってやる」と戦いを放棄してすんなりと投降しました。
その頃、剣心は神谷薫(武井咲)、相楽左之助(青木崇高)、明神弥彦(大西利空)、高荷恵(蒼井優)らと共に東京・浅草の街を歩いていました。剣心は人力車に乗ったウェディングドレス姿の女性に思わず見とれ、薫は少しばかり機嫌を損ねてしまいました。その後、剣心らは行きつけの牛鍋店「赤べこ」で牛鍋を食べ、店員の関原妙(平田薫)や三条燕(柿原りんか)も交えて語り合いました。
時を同じくして、東京警視局本署では清国領事館の大使らが縁の身柄を引き取っていました。斎藤はなぜ縁を引き渡したのかと警視総監・川路利良(小市慢太郎)に詰め寄ると、川路はあくまでも日清修好条規に従ったまでだとて釈明しました。川路はかつての志々雄一派の“十本刀”の一員だった沢下条張(三浦涼介)を密偵にし、縁を泳がしていると伝えましたが、斎藤は張のことを信用していませんでした。
その縁は同志らと共に街を見下ろす山にいました。縁は「復讐開始の狼煙」として右腕にアームストロング砲を装着している同志の鯨波兵庫(阿部進之介)に街を攻撃させました。それはちょうど剣心たちが食べ終えて「赤べこ」を後にした直後でした。
発射音と共に剣心たちの後方から火の手が上がりました。剣心たちは警官たちから、何者かが山から大砲を発射し、「赤べこ」が火災に遭っていると知らされました。剣心と左之助は山に向かい、薫たちは「赤べこ」に引き返しました。
斎藤ら警官隊は山を捜索しましたが、大砲は見つからず、代わりに「人誅」と書かれた紙が残されていました。斎藤から紙の話を聞いた剣心は、天が裁く「天誅」ではなく人が裁くことを意味しているのだと推測しました。斎藤は剣心に、横浜駅で遭遇した上海の武器商人(縁)が剣心の頬の十字傷のことを訊いていたことを伝えました。
るろうに剣心 最終章 The Finalのネタバレあらすじ:承
薫たちが駆け付けた時には既に「赤べこ」は全焼し、消火活動の真っ最中でした。恵は「小国診療所」で燕や妙ら怪我を負った人々の治療にあたりました。戻ってきた左之助は恵に、剣心の頬の傷はなぜ消えないのかと問うと、恵は以前に小国先生から聞いた話として「強い念が付けた刀傷は、念が晴れない限り消えることはない」と答えました。
左之助は「神谷道場」に戻っていた剣心に何か隠していることはないのかと問い詰めていると、内務省警視局巡査教習所で警官を指導する前川宮内(中原丈雄)の門下生が駆け込み、前川道場が何者かに襲撃されたと伝えてきました。剣心と左之助は前川道場に向かいましたが、途中で会った警官から浦村署長(鶴見辰吾)と連絡が取れなくなったと知らされ、剣心は警官と共にに浦村署長の家へ、左之助は前川道場へ手分けして向かうことにしました。
左之助が前川道場に駆け付けた時には既に遅く、前川や多くの門下生たちが殺害されていました。一方、浦村署長の家では、“毘沙門剣”や“梅花袖箭”など様々な武器を操る乙和瓢湖(栁俊太郎)が浦村署長一家を襲っていました。駆け付けた剣心は瓢湖と戦いましたが、瓢湖は「人誅の時間だ」という言葉を残してダイナマイトで自爆を遂げました。
剣心が引き上げる途中で縁が現れました。縁は姉の仇である剣心への復讐のために上海マフィアの頭目まで上り詰めたことを話し、剣心に必ず「人誅」を下すこと、そして剣心に与えたいのは「痛みではなく苦しみだ」と言い残してその場を後にしました。神谷道場に戻った剣心は「少し休ませてもらう」と部屋に入り、薫と左之助は剣心の今まで見たことのない意気消沈とした姿に驚きを隠せませんでした。
東京は極秘裏のうちに厳戒態勢に入りました。京都にいた元江戸御庭番衆の四乃森蒼紫(伊勢谷友介)も部下の黒尉(小久保丈二)から東京での一件を知らされ、巻町操(土屋太鳳)や御庭番衆の面々と共に東京へ向かいました。一方、斎藤は張から、横浜のとある倉庫が縁のアジトであるとの情報を得ていました。
その頃、縁の元に上海マフィアの呉黒星(音尾琢真)が訪れていました。呉は縁のために配下を用意しており、縁も剣心への復讐を果たしたら自分の組織をそっくりそのまま呉にくれてやる約束を交わしていました。
部屋から出てきた剣心は薫、左之助、弥彦、恵を一同に集め、一連の事件の首謀者は縁であること、縁の目的は自分への復讐であること、そして縁は剣心のかつての妻であり、剣心自ら手にかけた雪代巴(有村架純)の弟であることを打ち明けました。薫は剣心が結婚していたことを知って驚きましたが、剣心はそのまま今まで誰にも語らなかった自らの過去について語り始めました―――。
―――時は幕末、剣心が“人斬り抜刀斎”だった頃。抜刀斎はとある飲み屋で、客に絡まれていた女を助けました。この女こそが巴であり、巴はお礼に抜刀斎の傍にいたいと言い出しました。それからというもの、抜刀斎は巴と共に暮らし始め、人生で初めて“幸せ”というものを感じていました。
ある時、巴は抜刀斎に、自分には許婚がいたことを打ち明けました。その許婚とは、かつて抜刀斎が斬った清里明良という男で、抜刀斎の頬に縦の刀傷をつけた男でした。巴は抜刀斎の命を狙う組織にそそのかされ、復讐のために抜刀斎に近づいたのですが、いつしか巴は抜刀斎を心から愛するようになっていき、やがて抜刀斎と巴は結婚しました。
ところがある日、抜刀斎は組織の者と斬り合いになりました。巴も短刀を持って抜刀斎に加勢しましたが、抜刀斎は敵を斬ろうとして誤って巴を斬ってしまいました。巴は死の間際、短刀で抜刀斎の頬に横の傷をつけました。その一部始終を物陰から縁が見ており、縁はその日から姉を殺した抜刀斎、後の剣心への復讐を誓ったのです―――。
―――薫たちは剣心の知られざる過去、そして十字傷の秘密を知って呆然としました。語り終えた剣心は一人で外に行き、神社の林で雨に打たれました。呆然と縁側に佇む薫に恵が声をかけ、薫は「巴さんが可哀そうで。巴さんは愛する人を奪った剣心を愛した自分が許せなくて、自ら刃を受けた。深く愛した人を自分の刃で殺した剣心は、巴さんを忘れるわけがない」と心境を語り、恵は「でも、あなたも剣さんも生きていれば、新しい思い出を作ることが出来る。迎えに行ってあげなさい」と薫の背中を押しました。薫は恵から傘を受け取って神社に向かい、剣心にそっと傘を差し出しました。剣心は傘を受け取り、薫と一緒に道場に戻りました。
るろうに剣心 最終章 The Finalのネタバレあらすじ:転
縁は横浜の倉庫ではなく、清国領事館の屋敷をアジトとしていました。張は縁と通じており、斎藤には偽の情報を与えたのです。刀集めが趣味の張は壁に飾ってある倭刀に興味を持ちましたが、縁は日本刀とは重心が違うので下手に扱うと怪我をすると忠告しました。
神谷道場に蒼紫と巻町操がやってきました。操は知り合いの住職から預かったものとして、剣心に巴の遺した日記を渡しました。その頃、斎藤は警官隊を引き連れて横浜の倉庫に乗り込みましたが、そこには縁の姿などなく、代わりに志々雄と同じように全身に包帯を巻いた男がいました。斎藤らは待ち伏せていた呉の手下の中国人兵に襲撃され、斎藤は罠にかかったことに気付きました。
東京の空に縁らが乗る3機の熱気球が飛来し、上空から街中に「人誅」と書いたビラをばらまきました。そして兵庫や乾天門(丞威)、八ツ目無名異(成田瑛基)ら縁の同志たちが東京の街中で暴れ始めました。蒼紫は黒尉に気球を追わせ、八ツ目と戦い始めましたが、八ツ目の巨大な鍵爪を使った攻撃に翻弄されました。八ツ目は爆弾を爆発させ、蒼紫は瓦礫から街の人を庇って重傷を負い、操に助けられました。
その頃、縁は布袋を手に神谷道場に現れ、左之助は戦いを挑みましたが全く歯が立ちませんでした。薫も木刀を持ち、「剣心を殺しても、巴さんは戻らない」と縁に立ち向かっていきました。
剣心は兵庫と対峙しました。剣心は兵庫の右腕のガトリングガンの攻撃を巧みにかわし、逆刃刀で右腕のガトリングガンを切り落としました。兵庫は負けを認めて「今度こそ俺に死に場所を与えろ」ととどめを刺すよう求めましたが、剣心は「もう人は殺めないと誓った。生きてくれ」と兵庫に告げると、兵庫を警官に引き渡しました。
剣心が神谷道場に戻ると左之助や門下生たちが倒れており、剣心は弥彦から薫が縁に連れ去られたことを知らされました。縁が持ってきた布袋の中には張の死体が入っており、口の中に「この場所にて人誅を下す」と書かれた紙が入っていました。斎藤は破壊された東京の街並みを見て憤りを露わにしました。
目を覚ました薫は、自分がとある洋風の屋敷に連れて来られたことに気が付きました。薫は屋敷から脱出しようとしましたが、目の前は海が見える断崖絶壁であり、程なくして縁に捕まってしまいました。縁は薫の首を絞めて殺そうとしましたが、縁の脳裏には哀しそうな表情を浮かべる巴の顔が浮かび上がり、吐き気を催した縁は薫の首から手を放すと「姉さん、どうして悲しい顔をする。どうして笑ってくれないんだ」と嘆き悲しみました。
その頃、道場に戻っていた剣心は「人を生かす剣」の額を見ながら昔のことを思い出していました。そして剣心は縁と、自分の過去とけじめをつけるため、単身で縁の元に向かいました。
るろうに剣心 最終章 The Finalの結末
縁の屋敷には呉が連れてきた殺し屋集団、乾天門、八ツ目、そして志々雄の側近だった瀬田宗次郎(神木隆之介)がいました。呉は宗次郎に、剣心を始末したら一緒に縁も殺すよう依頼していました。
縁の屋敷に辿り着いた剣心の前に乾天門や八ツ目、呉の殺し屋集団が立ちはだかりました。そこに「一人で戦うなんて水臭いぞ」と操が加勢に駆け付け、更には満身創痍のはずの左之助や警官隊を引き連れた斎藤も駆け付けてきました。剣心は左之助たちに敵の相手を任せると、屋敷の中へと突入していきました。
剣心は宗次郎や呉の殺し屋たちに取り囲まれました。宗次郎は「お久しぶりです、緋村さん」と刀を抜きましたが、宗次郎が斬ったのは剣心ではなく呉の手下たちでした。宗次郎は志々雄の一件以来自分も流浪の身となったことを明かし、剣心と組んで呉の手下たちと戦いました。
宗次郎は剣心と一緒に戦えて楽しかったと語り、「背中を気にせずに戦うのは初めてでしたから。その剣が人の恨みをはらし、過去に捕らわれている人が前に進めるということを証明して下さい」と自ら呉の手下を引き受け、剣心を縁の元へ送り出しました。操は八ツ目を死闘の末に倒し、斎藤も乾天門を倒しました。
剣心が屋敷の奥で待ち構えていた縁と対峙しました。剣心は「他の人を巻き込むな」と忠告しましたが、縁は「お前の周りの全てに復讐する。姉さん、ついにこの時が来たよ。さあ、人誅の時間だ」と言うと剣心と戦い始めました。剣心は縁の圧倒的な力と凄まじい執念の前に苦戦を強いられ、縁は刀が折れると壁に飾ってあった倭刀を手に取って戦い続けました。
剣心は自決を迫る縁に対し、自身も何度も死を考えたことがあったが、今は仲間たちのために、巴が臨んだ平和な世の中を作るために戦い続けていると反論しました。その頃、別の部屋にいた薫は、部屋に巴の肖像画が飾られており、その前には風車が置かれていることに気付きました。
剣心は復讐のみに固執する縁の生き方は間違っていると告げ、「これで終わりにしてくれ」と逆刃刀で縁を叩きました。縁は「姉さん」と泣気ながら、なおも短刀を手に剣心に襲い掛かりました。剣心はあえて刃を受け、「縁、すまなかった」と呟きながらその場に倒れました。
そこに現れた呉は銃で剣心にとどめを刺そうとしましたが、駆け付けた薫に止められました。呉は薫を撃とうとしましたが、縁は薫を庇って肩に銃弾を受けました。縁は「邪魔をするな」と呉に殴りかかり、薫は「これ以上殴ると死んじゃう」と止めました。剣心は縁に薫を守ってくれてありがとうと礼を述べると、縁は生前の巴が自分の風車を吹いてくれた頃を思い出し「違う、俺が守りたかったのは…姉さん」と泣き崩れました。
逮捕された縁は刑務所に収監されました。縁は獄中で、薫から届けられた巴の日記を手にしました。巴は「あの人は私の幸せを奪った人。そして、もうひとつの幸せをくれた人。あの人は人を斬る。けれど斬った数より多くの人を守る。ここで決して死なせてはならない。私が必ず命に代えても守る」と剣心への想いを綴っており、巴の真意に触れた縁はその場で泣き崩れました。
東京には平和が戻り、神谷道場はいつもの日常を迎えていました。弥彦は稽古に励み、左之助は恵に怪我の手当てをしてもらっていました。
剣心は薫と共に巴の墓を訪れていました。剣心は薫に、巴に何と声をかけたのかと尋ねると、薫は「ありがとう、かな。縁は私を助けてくれたけど、巴さんが守ってくれた気がする」と答えました。薫は獄中の縁はどうしているのかと気にすると、剣心は「死罪ではなく、人生をかけて償わなければあいつの中の巴は笑わない」と答えました。薫は剣心に、巴に何て声をかけたのか尋ねると、剣心は「薫殿と同じ『ありがとう』。そして『すまない』と、『さようなら』と」答え、剣心と薫は手を取り合いながら帰路につきました。
(『るろうに剣心 最終章 The Beginning』へ続く)
以上、映画「るろうに剣心 最終章 The Final」のあらすじと結末でした。
マジですごかったし最高だった!
るろうに剣心最高!!