やわらかい手の紹介:2007年ベルギー,ルクセンブルク,イギリス,ドイツ,フランス映画。歌手、女優として伝説的なキャリアを持つマリアンヌ・フェイスフル38年ぶりの主演映画。難病の孫を救うため、風俗店で働き始める女性とその人間模様を描いたコメディ・ドラマ。平凡に生きてきた初老の主婦マギーは、孫のオリーが6週間以内に治療を受けなければ病死すると知る。様々な金策に走った彼女はやわらかく滑らかな手を買われ、風俗店で働くことになった。壁越しに男性を絶頂へ導くマギーの手腕は凄まじく、彼女は瞬く間に売れっ子になっていく。
監督:サム・ガルバルスキ 出演者:マリアンヌ・フェイスフル(マギー)、ミキ・マノイロヴィッチ(ミキ)、ケヴィン・ビショップ(トム)、シヴォーン・ヒューレット(サラ)、ドルカ・グリルシュ(ルイーザ)ほか
映画「やわらかい手」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「やわらかい手」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
やわらかい手の予告編 動画
映画「やわらかい手」解説
この解説記事には映画「やわらかい手」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
やわらかい手のネタバレあらすじ:未知への挑戦
舞台は現代イギリス、ロンドンの郊外。真面目に慎ましく暮らしてきた主婦マギーは、人生最大の苦難に行きあたっていました。まだ幼い孫のオリーが難病に倒れ、長いこと入院しているのです。息子トムとその妻サラは看護に身を窶し、精神的にも経済的にも限界を感じていました。特にサラは息子を失う恐怖も加わってか、マギーを邪険にします。
ある日、マギー達は最新の治療法がメルボルンの小児病学会にあり、それが最後の望みだと医師から告げられました。更に6週間以内に渡航し治療を受けなければ、オリーは体力がもたず死亡してしまうだろうと言われます。しかし一家に渡航費を捻出する余力はもうありません。マギーは自分に出来ることを探してみますが、オリーの治療費のために家を売却した彼女にはこれといった財産も無く、職歴もスキルも無いので職も見つけられません。無力感に苛まれるマギーは歓楽街ソーホーをフラフラと歩き、「接客係 募集 高給」という張り紙を見つけます。
マギーはウェイトレスの仕事だと勘違いして面接を受けますが、現れた店のオーナーミキから、「接客係」というのは要するに売春婦の婉曲表現だと言われました。驚くマギーを呆れながら見ていたミキは、彼女の手が非常に滑らかでスベスベしていることに気付きます。そこで、男性を手でイカせる仕事をマギーに紹介しました。とても理解出来ない世界から一度は逃げたマギーでしたが、オリーのためと意を決してミキの店「セクシー・ワールド」を再び訪ねます。
やわらかい手のネタバレあらすじ:イリーナ・パーム
ミキがマギーを案内したのは、四方を壁に囲まれた小さなブースでした。教育係になったのは同じく店で働いている女性ルイーザです。ルイーザは実演も交えて仕事を説明してくれました。客である男性とは壁越しなので双方姿は見えません。壁に空いている丸い穴に男性がペニスを入れてくるので、内側にいるマギー達が手で扱き絶頂へと導くのです。衝撃的な仕事内容に戸惑うマギーですが、ルイーザから指導され何とか初日を乗り切りました。
翌日から、マギーは嫌悪感に耐えて仕事に取り組みます。ルイーザとは良い友人関係を築いていました。そして迎えた初めての給料日。ミキはマギーが十分な働きをしていないと判断し、約束より低い給料しか渡してくれませんでした。マギーは不満に思いますが、タイムリミットまであと4週間しかありません。マギーは甘えを捨て、必死に仕事に取り組みました。するとマギーのやわらかい手が評判を呼び、次々客が来るようになります。これにはミキも満足し、マギーに「イリーナ・パーム(手のひらのイリーナ)」という芸名をつけました。
イリーナ・パームの素晴らしい手腕の噂は街中に広まり、ブースの前には長蛇の列が作られます。それでも目標額には遠く及びません。時間が無いマギーは、6000ポンドを前借りさせて欲しいとミキに頼みました。見返りとして6000ポンドを返すのはもちろん、利子も払うと交渉します。しばらく悩んだミキは承諾し、騙したら殺すとマギーを脅しました。
やわらかい手のネタバレあらすじ:壊れた友情
ミキから6000ポンドを借りた翌日、マギーはその金をトムに渡します。突然の大金に驚いたトムがどうやって工面したのかしつこく尋ねますが、マギーは頑として口を割りませんでした。マギーは借金を返すべく、ますます仕事に励みます。励み過ぎて右肘を痛めてしまいますが、今度は左手に変えて働き続けました。
そんなある日、店内でルイーザとすれ違ったマギーは突然「クソったれ!」と罵倒されてしまいます。ルイーザは店を解雇されてしまったのです。マギーに人気が集中し、ルイーザのブースには客がつかなくなっていました。
翌日、ルイーザのアパートを訪ねたマギーでしたが、再び罵られてしまいます。たった1人で幼い息子を育てているルイーザにとって、今回の解雇は大打撃でした。ルイーザはマギーを友達だと思っていました。だからこそテクニックを教え、ミキの前でマギーを褒めることもしました。けれどマギーからは何もせず、結果的に解雇に追い込んでしまったのです。冷たくドアを閉めるルイーザに、マギーは何も言えませんでした。
やわらかい手のネタバレあらすじ:周囲の反応
ルイーザの一件からミキに心を閉ざしてしまったマギー。そんな彼女を他店のオーナーがスカウトしにやって来ます。破格の条件を提示されたマギーでしたが、ミキの店に残りたいと思っていました。スカウトのこと、オリーの病気のこと、それでもミキのもとに残りたいことを素直に伝えると、ミキは初めて笑顔を見せてくれます。2人の仲は淡く、初々しく発展していきました。
ところがある日、マギーを心配して尾行していたトムに仕事のことがばれてしまいます。翌日、トムは家にやって来たマギーを薄汚れた売春婦だと罵りました。これまでの鬱憤を晴らすように、サラにまで怒鳴り散らすトム。セクシー・ワールドを辞めなければ二度とオリーには会わせないと脅され、マギーは従うしかありません。トムは最後まで汚い金は全て返すと喚いていました。マギーが落ち込んで外を歩いていると、噂好きの友人ジェーン達に見つかります。家に招かれたマギーは、仕事について根掘り葉掘り聞かれました。特にいつも他人を見下しているジェーンは、黙っているマギーにどうせ退屈な話なのだからもったいぶるなと言い放ちます。マギーは冷静な声で「男をイカせるの」と言い、衝撃的な仕事内容を次から次と語って聞かせました。流石に驚き興味津々の友人達に詳細を説明したマギーは、さっさと家を出て行きます。
ジェーンはこれまで馬鹿にしていたマギーの変貌ぶりが面白くありません。一方のトムは未だにマギーを許せずにいました。そんな彼を一喝したのはサラです。彼女はオリーのために身を挺してくれたマギーに深く感謝していました。トムも意地を張っても仕方がないと分かっています。夜、サラはマギーの部屋を訪ね、感謝と共に航空券を差し出しました。不安で仕方がないサラを、マギーは安心させるように優しく抱きしめます。
やわらかい手の結末:選び取った場所
マギーはオーストラリアに行くための荷造りを始めました。買い物に行くと、店内でジェーンがマギーの仕事を村人に言いふらしています。ジェーンは意地悪く笑い、もっと健全な友人を作ると言い捨てました。マギーは自分の亡き夫と、ジェーンが不倫していたことをその場で暴露します。「あなた“お尻ペンペン”が好きね?」と言うマギーに、ジェーンは反論も出来ずに慌てて逃げていきました。
マギーは大きなトランクを持って、トムと一緒に病院へ向かいます。サラはオリーに付き添い、救急車で空港まで向かう予定でした。マギーは自分がいなくても大丈夫だと感じ、ここに残ると告げます。サラはありがとうと呟き、オリーは再会を約束しました。トムはマギーを強く抱きしめます。トム達を見送ったマギーが向かったのは、セクシー・ワールドでした。マギーに気付いたミキが駆け寄って来ます。2人が熱いキスを交わし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画やわらかい手のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する