純平、考え直せの紹介:2018年日本映画。「未来なんて、クソくらえ!」直木賞作家・奥田英朗の同名小説を、SNS全盛の流れも織り込んで映画化した異色の青春ドラマです。新宿・歌舞伎町を舞台に、ヤクザから鉄砲玉を命じられた若きチンピラと退屈を持て余すOLがひょんなことから出逢い、3日間の青春を過ごすことになります。
監督:森岡利行 出演者:野村周平(坂本純平)、柳ゆり菜(山本加奈)、毎熊克哉(北島)、岡山天音、佐野岳、戸塚純平、佐藤祐基、森田涼花、下條アトム、藤原季節、日向寺雅人、木下愛華、やしろ優、二階堂智、片岡礼子ほか
映画「純平、考え直せ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「純平、考え直せ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
純平、考え直せの予告編 動画
映画「純平、考え直せ」解説
この解説記事には映画「純平、考え直せ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
純平、考え直せのネタバレあらすじ:起
新宿・歌舞伎町。21歳のチンピラ、坂本純平(野村周平)は、いつか一人前の男になるのを夢見ながら組の雑用に追われる日々を送っていました。ある日、純平は馴染みの店のママから不動産屋とのトラブルの仲裁を頼まれ、快く引き受けて問題の不動産屋へ殴り込んだのですが、そこで雇われていたヤクザに襲われて袋叩きにされました。階段に置き去りにされた純平にハンカチを差し出したのは、この不動産屋で働くOLの山本加奈(柳ゆり菜)でした。純平は見ず知らずの加奈に「この借りは24時間で返す」と言い残して去っていきました。
翌日、組に呼び出された純平は「男にならないか」とばかりに対立する組織の幹部を3日以内に殺害するよう依頼されました。「これで一人前の男になれる…」純平に断る理由などありませんでした。
純平、考え直せのネタバレあらすじ:承
純平は組から渡された拳銃1丁と数十万の支度金を手に再びあの不動産屋に押しかけ、今度は無事トラブルの仲裁に成功しました。神社で一息をつく純平の元に、昨日ハンカチを差し出したあの加奈が駆け寄ってきました。加奈は勤め先の不動産屋がヤクザとつるんでいることや、同僚の男(岡山天音)から執拗に誘われ続けているのにすっかり嫌気がさしており、意気投合した純平と加奈は勢いのままにホテルで一夜を共にしました。その過程で純平は自分が“鉄砲玉”になることをうっかり漏らしてしまい、気になった加奈はその日の出来事をネットのSNS上にアップ、様々な境遇のネット民がそれに興味を示すようになりました。
幹部殺害の決行現場の下見に出向いた純平は、近くのコインランドリーでゲイの男(佐野岳)と知り合い、彼から標的の幹部がこのコインランドリーによく来ることを聞きつけました。その後、純平は組の兄貴分・北島(毎熊克哉)から決行日までの間にこれで美味いものを食べて女を抱いてこいと金を渡され、加奈と一緒に大好物の焼肉をたらふく食い、新宿の街を見下ろす高級ホテルのスイートルームで加奈と夜が明けるまで激しく愛し合いました。純平は自分が鉄砲玉となることで二度と加奈に会えなくなるのではないかと考えているうちにいつしか涙が流れていることに気がついていました。
純平、考え直せのネタバレあらすじ:転
純平はゲイの男から小回りの利くバイクが逃げるには良いと勧められ、地元・埼玉の先輩からバイクを手に入れるため加奈を伴って久々に帰省しました。バイクを手に入れた純平は、17才で家出をして以来一度も帰っていない実家へと立ち寄り、加奈も交えてほんのひと時を過ごしました。歌舞伎町へと戻った純平と加奈は、加奈が「鉄砲玉になんかならずに逃げればいい」と発言したことから口論となってしまい、カッとなった加奈は勢い余ってSNSに思いの丈を書き綴っていきました。気がつくと、加奈は誤って「純平」の実名を挙げてしまっていました。
その頃、純平は組の仲間(戸塚純平)から。北島は純平を捨て駒にして出世しようとしていることを打ち明けられました。しかし、信じられない純平は、聞く耳も持たずにその場を去って行きました。加奈は純平と一緒に逃げる決意を固めましたが、その矢先にあの同僚の男から暴行を受けてしまいました。心身ともに打ちのめされた加奈は髪の毛を短く切り落とし、同僚の男への復讐心を燃やす純平を諭して一夜を共にしました。
純平、考え直せの結末
遂に決行の日が訪れました。純平は加奈に全てが終わったら神社で待ち合わせしようと約束、まずは加奈に暴行を働いた男に報復するために不動産屋に殴り込みましたが、返り討ちに遭って袋叩きにされてしまいました。
一方、加奈はこれまでの出来事を次々とSNSにアップしていき、それを見た人々は「純平、考え直せ」と返信していきました。そんなことも知らぬ純平は現場近くのコインランドリーに向かい、そこで自分の名を知らないはずのゲイの男がなぜか自分の名を知っていることに気付きました。純平の問いにゲイの男は「だって、今有名よ。“歌舞伎町の純平”って」と答え、遂に自分も一人前の男になったかと感慨にふける純平の前に無情にも標的の幹部の銃口が向けられました…。
夜が明け、純平を待っていた加奈は、ようやく駆け付けた彼と抱き合いました。しかし、加奈が一瞬目を離した隙に純平の姿は忽然と消えており、自分は純平の幻を見たのだと認識した加奈の目からはとめどなく涙が溢れていました。
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